某学校を発車して約20分後、終点の某駅に到着した。そこで一人の高校生が機械にカードを通そうとしたが、カードが戻ってしまって精算できなかった。こういう場合、乗車時にカードを通していない可能性が高く、彼もそれに気付いたのか「某駅から」と言った(某駅は終点なので、正しくは「某学校から」である)。通常ならば、そこで私が機械を操作して、某学校からの運賃が引かれるようにするのだが… そいつは“耳栓野郎”だったのだ。自分の耳を塞いだまま、言いたいことだけ言い放つとは…。私はしばらく操作をせずに、野郎の顔を見続けた。その間、野郎は「某駅から」を二度三度と繰り返した。私は何とか気付いてもらいたいと、視線を野郎の目と耳栓へ交互に送った。すると彼は気付いたのか、すぐに耳栓を外して「某駅から」と言った。私は「某学校からね」と言いながら操作して、カードでの精算を完了した。
その某駅を発車して約10分後、某企業前に停まった。そこで一人の社会人が機械にカードを通そうとしたが、またもや精算できなかった。そこは終点ではないので、後続車への迷惑度合いも気になってしまう。私はすぐに機械を操作して、某駅からの運賃が引かれるようにしたのだが、カードは通らなかった。そこで、黙って立っている彼に話しかけようとしたところ… そいつも“耳栓野郎”だったのだ。野郎は無言のままもう一度機械に通そうとしたが駄目だった。すると、財布を取り出して現金で精算して降りて行った。結局、彼は最後まで耳栓を外すこともなく、私の方を見ることもなく… 目の前にいる運転士は、人間ではなく“バスの部品”なのだろうか…???