バス運転士のち仕分け作業員のち病院の黒子 by松井昌司

2001年に自分でも予想外だったバス運転士になり、2019年に某物流拠点の仕分け作業員に転職、2023年に病院の黒子に…

PBその7「オッサンからそんなこと言われても…」

2008年04月25日 21時44分05秒 | バス運転士

その日は某市内の田舎道を走る仕事だった。某駅20時10分発が最終である。20名が乗車した。駅を出発して走れば走るほど、周囲がどんどん暗闇に包まれてゆく…。だから、途中で乗ってくる人はほとんどいない。ましてや終点近くのバス停で乗ってくるなんてありえな… いた! あと3つで終点というバス停に一人のオッサンが立っていたのだ!! 即、自問自答する。

「たまたまそこに立っているだけだ。黙って通過しよう!」

「いやいや仮にそうだとしても、一応、停まって扉を開けよう」

そして私はバスを停めて扉を開けた。オッサンに動きはない。やはり“たまたま”だったのだ。私は扉を閉めて発車… と思ったら、オッサンが扉の前にやってきた。再び扉を開けると、オッサンは乗ってきた。かなり酔っている様子だったので、私はいつもよりも大きな声で言った。

「あと3つで終点ですけど、よろしいですか? 200円になりますけど、よろしいですか?」

するとオッサンは言った… この私に向かって…

「どこでもいいから連れてってくれぇ~!!」

はぁ…??? オッサンにそんな台詞を言われてもなぁ… 嬉しくも何ともないわい!!! 結局、私は3つ先の終点(目の前にラーメン屋とコンビニがある)でオッサンを降ろして、サッサと車庫へ帰ったのでありました…。