バス運転士のち仕分け作業員のち病院の黒子 by松井昌司

2001年に自分でも予想外だったバス運転士になり、2019年に某物流拠点の仕分け作業員に転職、2023年に病院の黒子に…

すぐに泣くんだから…

2012年03月06日 22時46分53秒 | バス運転士

一組の母子が乗ってきて、男の子(制服姿の園児)は“助手席”に座り、お母さんはその横に立って本を読み始めた… その声は決して大きくなく、運転席の私が“何を読んでいるのか聞き取れないくらい”だったので、話題の母子とは別人だと思われる。

ただ… その時のバスが“いわゆる中型”で通路も狭く、前扉から人が乗ってくる度にちょっと邪魔になっていた。一応、お母さんも少しは気を使っているようだったので、特に何も言わなかった。

あるバス停に向かっている途中で降車ブザーが鳴ると、お母さんは本読みをやめて「バスが止まるまで動いちゃ駄目よ」と男の子に言った。

私がバスを止めて扉を開けると、お母さんは「さぁ、行くよ!」と男の子に声を掛けた。すると、男の子は助手席からピョンと飛び降りたのだが… 次の瞬間、「痛ぁ~い!」と泣き出してしまったのである。

ガンッとかゴツンッとか、そのような音は聞こえなかったけれど… 私が「こんなのまで車内事故として連絡するのか!?」と考える間もなく、男の子は立ち直り、お母さんと仲良く歩いて行った…

まったくもう… 男なんだから… ちょっとくらいのことでピーピー泣くんじゃないよ! そう言う私も、アニメを見ながら「ヒックヒック」、懐メロを歌いながら「グスングスン」、“大人の積み木”をやりながら「ポン」「チー」…(あぁ、最近やってないなぁ~)