バス運転士のち仕分け作業員のち病院の黒子 by松井昌司

2001年に自分でも予想外だったバス運転士になり、2019年に某物流拠点の仕分け作業員に転職、2023年に病院の黒子に…

フリーパス、フリーパス、フリーデス

2014年10月19日 22時37分03秒 | バス運転士
夕方4時頃の某総合駅発… 私は「日曜日とはいえ、ガラガラということはないだろう。そろそろ帰宅する人たちもいるだろうし…」と思いながら、バス乗り場へ移動… すると、予想以上に多くの人たちが並んでいて驚いたのだが、そのほとんどは“お年寄りフリーパス軍団”であった。どうやら、織田・豊臣・徳川の郷土三英傑の行列を見た帰りだったようだ。


「いやいや… まさか… 乗り切らないなんてことはないだろうなぁ~」と少し不安になりながら乗車客扱いをやっていた時、1人のお爺さんが「ご苦労様です!」と敬礼しながら乗ってきたのだが… あまりに突然のこと&一万円札両替入金の直後で、気持ちに余裕がなかった私は何も反応できず… 残念!


そんなこんなで、ちょっと遅れて発車… “敬礼お爺さん”は、その後も「このバスは某運動場行きです」「間もなく発車します」「扉、閉まります」「発車します。ご注意ください」「左に曲がります」などなど… 私の代わりに(?)アナウンスを続けていた。もしも、モニターが乗っていたら、100点だったりして…(ないない!)


某総合駅を出て2つ目のバス停に到着すると、数名の乗客と車椅子の人が待っていた。私が前&中扉を開けると、敬礼お爺さんを含めた3人が降り、待っていた数名のうち4人が乗った。その後、私は前扉から降りて車椅子の人のところへ… 付き添いの若い女性に「どちらまで?」と尋ねると、「○○停までお願いします」と答えた。


すぐに私は中扉からバスに乗り込み、「すいません…」と言いながら中扉付近に立っている人を掻き分け、車椅子用スペースの席に座って談笑中の2人のお婆さんに「すいません… 車椅子の方が乗られるので…」と席を空けるようにお願いして、2つの座席を畳んで、乗降用スロープを出して… 以下省略… 乗車完了!


○○停に到着して、車椅子の人たちが降りた時に「ありがとうございました」と言ったら、車椅子のおばさんが… 言葉を発するのも大変そうだったのに「ありがとう」と言ってくれて嬉しかった。さらに、付き添いの若い女性も、爽やかな笑顔で「ありがとうございました」と言ってくれた。


その直後、その女性が乗車時にフリーパスの提示を忘れていた(私も忘れていた!)ことを思い出したようで、「あ、乗車券…」と言いながらフリーパスを取り出して、私に提示してくれたのだが…。。。そんなことしなくても… その爽やかな笑顔だけで十分ですよ。あなたならば、いつでも私のバスにフリーで乗ってもらって… あ、私もフリーですけどね。ハハハ…(誰も聞いてないって!)