バス運転士のち仕分け作業員のち病院の黒子 by松井昌司

2001年に自分でも予想外だったバス運転士になり、2019年に某物流拠点の仕分け作業員に転職、2023年に病院の黒子に…

小さな声で… 大きな声で…

2014年10月26日 21時46分01秒 | バス運転士
先日、あるバス停で乗った若い女性が「一万円札しかないんですけどぉ… 大丈夫ですか?」と小声で言ったので、私もマイクのスイッチをオフにして「はい、大丈夫ですよ」と小声で答えながら顔を近付け…(こらこら! 怖がる怖がる!) カバンから千円札10枚を取り出して、普通に手渡したのだった…(当たり前じゃ!)


そこから2つ先のバス停で数名の乗客が降り、扉を閉めて発車… と思ったら、2歳くらいの子供を抱っこした若いお母さんが走ってきたので、私はすぐにバスを止めて前扉を開けた。飛び乗ったお母さんは、とりあえず男の子を床に下ろし、ICカードをピピッとやって…


と、その時! それまで静かだった男の子が突然! 大きな声で泣き出してしまったのである(運転士の顔を見てしまったからじゃないのかぁ~!?)。お母さんはすぐに男の子を抱き上げ… げ… ゲゲッ! なぜか、男の子が助手席の柱(握り棒)にしがみついて離れなかったのである。


しかし、そこはお母さん… なんだかんだと、なだめすかし… 男の子を抱き上げて助手席に座ったのだった。すると、すぐに男の子は泣き止み、お母さんは「信号が赤だからねぇ~」「もうすぐ動くよぉ~」と、男の子の気を紛らわせるのに必死だった… その時のお母さんの気持ちを考えると、思わず抱きしめたくなっ…(こらこら! 捕まる捕まる!)