某地区巡回バスで逆の立場に…

今日は朝から夕方まで…　某地区巡回バスもどきＬサイズ（１周約３０分）を２周、某地区巡回バス（１周約５０分）左回りを３周、同じく右回りを４周…　合計９周も走る勤務だった。これが苦痛と言えば苦痛なのだが…　後半になると、ランナーズハイならぬ【巡回’ｓハイ】になってきて、「このまま朝まで走ったろかぁ～」というくらいの気分になってくる。ま、実際には無理だけどね。ハハハ…


さて、この某地区巡回バスを運転するようになって２年半…　さすがにボケな私でも、「あ、よく喋るお婆さんだ」「あ、私に罵声を浴びせたことがあるジジイだ」「あ、挨拶してくれる女の子だ」などなど…　考えてみれば、ほとんどが見覚えのある顔になっている。ということは…　私の顔も覚えられている可能性が…　う～む…　このバス路線沿いでは、悪いことできないなぁ～（こらこら、悪いことするんかい！）


その中の一人、このブログにも何度か登場している“バスが１分でも遅れると文句を言う（最近は１分では文句を言わなくなったらしい）ジジイ”について…　平日はもちろん日曜・祝日も、スーツ姿で同じ時間のバスに乗って、地下鉄の駅があるバス停で降りて行き…　だいたい午後３時頃に、地下鉄の駅があるバス停で待っている…　なぜか、その時は何分か遅れていても文句を言わない。


さてさて、今日の午後２時半過ぎ…　私の某地区巡回バスは順調に走っていて、その地下鉄の駅があるバス停には“３０秒ほど早く”到着してしまった。そこで待っていた一人の女性が乗り…　私は、時計をチラ見しながら「他に乗客はいないだろうか？」と、不審者のごとく周囲をキョロキョロと見回していた。


時計が発車時刻を示し…　私は引き続き周囲を見回しながら前扉を閉め、右ウインカーを出して発車…　と、その時！　バスの後方２０～３０ｍあたり…　コンビニが入っている建物の陰から現われ、今にも走り出しそうな雰囲気を醸し出している一つの人影が左ミラーに映った。ボケな私には珍しく…　瞬時にそれが「あのジジイだ！」と判別できてしまったのである。（やはり愛の力か？　ギャハハ…）


私はすぐにバスを止め、前扉を開けてジジイの到着を待つことにした。なぜならば、愛し…　否、バスが遅れてくると文句を言うジジイが、逆に自分が遅れてきた場合にどんな態度を取るのか興味があったからである。十数秒後…　文句しか言わないと思っていたジジイが、満面の笑みを浮かべて「どうも、すいません」と言いながら乗ってきたのを見て…　「あぁ、良かった。文句ばかりの人じゃなく、普通の人で…」と、ちょっとだけ嬉しくなった私であった。