バス運転士のち仕分け作業員のち病院の黒子 by松井昌司

2001年に自分でも予想外だったバス運転士になり、2019年に某物流拠点の仕分け作業員に転職、2023年に病院の黒子に…

相変わらずの単細胞生物・松井

2014年10月24日 19時26分25秒 | バス運転士
あるバス停で、お爺さんが私に一枚の紙を見せながら「このバスに乗れば、ここへ行くかねぇ?」と言った。その紙には、私もよく使う“路線検索の結果”が印刷されていて、3つのバス停が赤ペンで丸く囲まれ、大きく“帰り”と書かれていた。


3つのバス停は、上から順に“某駅停”“今、止まっているバス停”“これから行くバス停(A停)”だったので、「駅へ帰るなんてことはないし、素直にA停へ行くのだろう」と思った私は「はい、行きますよ」と答えたのだが… お爺さんが「○○老人ホームへ行きたいんだけどね」と言ったのを聞いて、私はちょっと迷ってしまった。


私は○○老人ホームが何処にあるのか分からなかったけれど、A停とは別の“○○という地名が付くバス停”が頭に浮かんだからである。A停には○○という地名が付いておらず、A停で他系統のバスに乗り換えて行くと“○○の付くバス停”があるので、私は「A停でバスを乗り換えるんですか?」と尋ねたのだが、お爺さんが「とりあえず、A停の近くまで…」と言いながら助手席に座ったので、私も「とりあえずA停まで…」と思ってバスを発車させた。


A停方面へ向かって走りながら、ず~~~っとA停と○○老人ホームのことを考えていた私は「○○老人ホームが○○の付くバス停の近くにあるとは限らないよなぁ~(うん!) それは私の勝手な解釈だよなぁ~(うん!) お爺さんが持っている紙にはA停がチェックされているんだから、それが正解なんだよなぁ~(うんうん!)」などと自問自答していた。


しばらくして、私は「そういえば… 逆向きのA停の前に、それっぽい施設があったような…」と、少しずつA停の周りの風景を思い出していた。そして、A停の1つ手前のバス停で止まった時に、私が「あれですかねぇ?」と言いながら200~300m前方に見えている鉄筋コンクリートの建物を指差すと、お爺さんは「あぁ、そうそう…」と言いながら降りようとしたので、私は「あ、次のA停の方が近いですから…」と言って引き止めた。


それから1分も経たないうちにA停に到着… お爺さんが「あぁ、こんな近くに… ありがとうね」と言いながら運賃箱へ210円を入れたので、驚き&慌てた私は「あぁ~!」と、つい大きな声を出してしまったのだが… すぐに「あれ? さっき… 乗る時に… もらってなかったですかねぇ??? あ、ありがとうございました」と照れ笑いを浮かべていた私… 相変わらず“一度に一つのことしか出来ない”単細胞生物・松井であった。


考えてみれば、年を重ねるにつれて良くなるはずもなく… 今後、どんどん単細胞化が進むのは間違いない! そのうちに、ハンドル・アクセル・ブレーキも一つずつしか出来なくなってしまい… 交差点左折時には「ブレーキを踏んで真っ直ぐ向いたまま交差点内で止まる!」→「止まったままハンドルを切る!」→「アクセルを踏んで曲がる!」→「左を向いたところでブレーキを踏んで止まる!」→「止まったままハンドルを戻す!」→「アクセルを踏んで走り出す」… おぉ~、左折時一旦停止、完璧じゃん! ハハハ…(アホ!)