バス運転士のち仕分け作業員のち病院の黒子 by松井昌司

2001年に自分でも予想外だったバス運転士になり、2019年に某物流拠点の仕分け作業員に転職、2023年に病院の黒子に…

トロトロ自転車にイライラ…

2019年02月08日 19時23分17秒 | バス運転士
一昨日の朝、まだ雨が降り出していなかった通勤通学時間帯のA駅経由B駅行きでのこと… あるバス停を発車して間もなく、これから徐々に加速しようかという時… 歩道から車道へ、一台の自転車が5~6m前に出てきた。そこには広い広い広~い歩道(もちろん自転車通行可!)があり… しかも、歩行者はほとんどおらず… 仮に“その歩道をボケた車が走って行った”としても、事故が起こらないだろうと思えるほどであった。

それなのに、わざわざ車道へ出てきて… 2~3回ペダルを漕いではサドルから腰を上げ、立ち上がった状態で惰性走行… 数秒後には腰を下ろしてペダルを漕ぎ、再び腰を上げて休憩走行… それを何度も何度も繰り返していた。言うまでもなく、その自己チュー野郎は“耳栓”をして自分の世界に入っており、周囲のことなんて何も考えていない。その証拠に、一度も後ろを振り返ることなく、トロトロと走り続けていたのである。

一瞬、「クラクションを鳴らそう!」と私の指先に力が入ったのだが… すぐに、もう一人の私が「野郎は何か違反をしているわけではないから… “クラクションを鳴らして良い”という理由がないぞ」と呟いたのでグググッと我慢… 次のバス停までトロトロ自転車を追走したのだが… その後、トロトロ自転車とサヨナラした後も納得がいかず、イライラが募った状態で運転を続けることになってしまった。

昨日の昼間、某運動場の休憩室で談笑中… あるテレビ番組で“デタラメな走りをしていた自転車の男が、クラクションを鳴らされたことに腹を立て、その車に自転車をぶつけた上にドライバーを何度も殴った”というニュースを取り上げているのを見たのだが… いわゆる“専門家”は「自転車は交通弱者」だとか「クラクションをむやみに鳴らすのは違反」などと言っていた。ふん… 時間が決められているバスやトラックを運転したことがないから、そんな悠長なことを言っていられるのだ。

周囲に対する迷惑などを全く考えず、逆走・無灯火・信号無視… デカい顔して好き勝手に走っておいて… いざ、クラクションを鳴らされたり接触事故になったりすれば、一転して被害者面をする… 「これの一体どこが弱者なんだ!? 正に最強じゃないか!」と思ってしまう。昔は、常識というか思いやりというか… そういうモノが前提にあって、その上で法律だの何だのという“話し合い”になっていたはずなのに… 今は「法律さえ守っていれば良い」と思っている人間が増えたような… ホントにもう… トロトロと… 私はトロが嫌いなんだよぉ~!(なんのこっちゃ…)


手袋を取りに…

2019年02月07日 19時26分44秒 | バス運転士
終点・某運動場に到着すると、4~5人の乗客全員が降車開始… 私は運転席に座ったまま、最後のお爺さんが中扉から降りるのを確認しながら車内をチラ見… すると、通路に黒い手袋が落ちていたので、すぐに… 否、コンマ何秒か迷った後、マイクのスイッチを車内から車外に切り替えて「手袋を落とされた方、いらっしゃいませんかぁ~」と呼び掛けた。

忘れ物がどんなモノであれ、その場で持ち主の手に渡るのが理想なのだが… どうしても、かつて聞いた“他人のカバンを自分のモノであるかのように持ち去った乗客がいた”という話を思い出してしまうので… 一瞬、迷うのだ。もしも、それが手袋ではなく財布だったりバッグだったりしたら… 降車客に対して呼び掛けることをせず、乗務終了まで保管して営業所へ持ち帰っただろう。

しかし、今回は「さすがに他人の手袋を持ち逃げしようなんて奴はいないだろう」と思ったので呼び掛けて… 最後に降りたお爺さんが「ありがとう! 助かったぁ~」と言いながら戻って来て… めでたしめでたし… となったのである。が、その2~3時間後には、赤い毛糸の手袋が忘れられていたし… 2~3日前にも、白っぽい手袋が忘れられていたし… 外は寒くて、車内は暖かい… だから忘れちゃうのかなぁ~???

そうだ! これからは… 私が“金の手袋”と“銀の手袋”を用意しておいて… 呼び掛けに反応して手袋を取りに戻って来た人に、「あなたが忘れたのは、この金の手袋ですか? それとも、こちらの銀の手袋ですか?」と尋ねて… もしも、そこで「金」とか「銀」とか言いやがったら、その根性を叩き直… ん? 正直に「毛糸の手袋です」と言われたらどうするのかって? ゲゲッ… 金の手袋も銀の手袋もあげなきゃいけないのか!? あぁ~ アホらし! やめやめ! ハハハ…


助手席に座った知らないオジサン(こらこら!)

2019年02月06日 20時49分50秒 | バス運転士
以前、“営業所の休憩室で知らないオジサン(おいおい!)に声を掛けられた”という話を書いたけれど… 今日は、某駅のバス乗り場で20人くらいのお年寄りを乗せた後… 最後に乗った“その時とは別の知らないオジサン(こらこら!)”から「添乗※★◎… お願いします」と声を掛けられたので、私は「なんのこっちゃ」と思いながら「あぁ、そうですか」と答え… そのオジサンは“なぜか空いていた助手席”に座った。

数秒後… 私は「ん? 添乗何とかって… 新しいモニター採点シートのことなのか!? そういえば、先月の運転士ミーティングで“2月は試験的に実施する”と言っていたような…??? ま、当然、私だけじゃなく、何人もの運転士さんをチェックしているだろうし… そうそう、みんな同じような高得点ばかりじゃアレだから、不本意ながら(ウソつけ!)私が悪いサンプルを提供しよう」と思って“平常心”で某駅を発車した。

営業所前ターミナルへ向かっている途中… 片側一車線の上り坂を進み、そろそろ下り坂に入ろうかとした時、対向車線に駐車車両を発見… と同時に、対向車線を上って来る仲間のバスAを発見したので、私はバスを減速させて「お先にどうぞ!」とパッシング… すると、対向バスの運転士さんが「ありがとう!」とパッシング&挙手をしてくれたので、私も迷わず挙手をお返ししたのだった… ホント、仲間同士の挙手は“乗務中のオアシス”だわ…

さらに、そこから300~400m進んだところにあるバス停に接近中… 左側にある転回場から道路へ出ようとした仲間のバスBに気が付いたのだが、「もう止まれん!」と思った私は、そのバスの前を「ゴメン、ゴメン!」と挙手しながら通過… その先にあるバス停で止まったのだった… 先日、私が“新しいモニター採点シートの自己採点は51点”と書いたけれど、今日は“バス離合時の挙手(マイナス10点)”を2回も… ということは31点か!? これが本番だったら、ぶっちぎりの“逆金メダル”だな。ハハハ…


今朝のバスはSだった!?

2019年02月05日 20時01分33秒 | バス運転士
今朝、出撃しようとした時… なぜかシートベルトが伸びなかった(出てこなかった)ので「はぁん? 決して勢いよく引っ張ったわけでもないのになぁ~」と思った。その後、ゆっくりと引っ張ってみても、いつものように「スゥ~ッ」とは出てこなかった。だからと言って、完全にロックされているわけでもなく、「ズルッ… カチッ! ズルッ… カチッ!」という感じで、少しずつ出てきて… 何とか装着することができたのだった。

まずは回送で某所へ行き… そこの待機場所で「発車時刻まで7~8分あるなぁ~」と思いながら運転席を立ち、水筒のブラックコーヒーを一口… 「それにしても、このシートベルトはどうなっとるんだ?」と呟きながらガチャガチャ… 相変わらず、ベルトはちょっと出たりちょっと戻ったり… 「まぁ、いいや。とりあえず、このまま乗って… 営業所に帰ったら報告しよう」と思った。

その時、「発車(乗り場への移動)1分前です」という運行支援システムの音声が聞こえたので、運転席に座ってシートベルトを… ガチッ… 「あれ?」 ガチッ… 「お~い、全く出てこんがやぁ~!」 ズルガチッ… 「あ、ちょっと出た!」 ズルガチッ… 「もう少し!」 ガチッ… ガチッ… 「もうダメかぁ~! ま、何とか… 金具に届いたから… 良しとしよう!」と、シートベルトにキツく縛られた状態で乗り場へ移動した。

某所を発車してすぐに「あっ、暖房を入れてなかった!」と気が付いた私は、窓側にある“客席用ヒーター”のスイッチを右手でON… 次に、運転席の左前にある“運転席用ヒーター”のスイッチを左手で… 左手… 左… そう、シートベルトが伸びないので、上体を前に倒せず… 手が届かなかったのである。その後、9時頃になって(暖かくなって)普通に動くようになりガッカリ… 否、ホッとした私であった。


石を跨ぐお婆さん、天を仰ぐお姉さん

2019年02月04日 21時06分00秒 | バス運転士
あるバス停で3人の乗客が待っていたのだが… 最初に私の目に入ったお婆さんは、バス停の1.5mくらい手前に… お爺さんは、お婆さんとはバス停を挟んで反対側すぐの所に… もう一人はバス停から2~3m離れた場所に立っていた。そう、“バス停の手前すぐ横”という先頭の位置には誰も立っていなかったので、私は「最初にここへ来たのはお爺さんなのか、お婆さんなのか… どちらに前扉を合わせればいいのだろう?」と迷ってしまった。

「バス停が立っている場所には“バスの床面よりも低い縁石”があるから、それを階段の代わりに使ってもらえることだし…」と思った私は、誰も立っていない“先頭の位置”に前扉を合わせてバスを止めた。すると、最初にお婆さんが動き出し… 「なんで、こんな変なところに止めるかなぁ~!」と怒ったように独り言を呟きながら“縁石を跨いで”乗ってきたのだった…

また、あるバス停で乗降客扱いを終え、前扉を閉めて発車した… その瞬間! バスの前方約20m、片側一車線の道路を右から左へ駆け抜けたお姉さんが、歩道上で「あぁ~! 間に合わなかった…」と言うように天を仰いだのだった。その姿がとても可愛らしかったので、オジサンの胸はキュンキュンしてしまった。

私がバスを止めて前扉を開けながら心を開くと、「ありがとうございます!」と言いながら駆け込んだお姉さんも心を開いてくれ… ないわなぁ~ ハハハ… それじゃあ、せめて胸元だけでも開いて…(アホかぁ~! この××オヤジ~! 自分の“社会の窓”が開いてないか、ちゃんと確認しとけぇ~!)