
少年補導員とは、各警察署長から委嘱された地域住民で構成する少年警察ボランティアです。
「自分たちの地域の少年は自分たちで育てる」という役割を担って、全国約6万人のボランティアが少年非行防止・健全育成の活動を行っています。
守口の場合は市内の各交番に1人が警察署長さんより委嘱されています。
第18年度研修会の講師は、平成17年奈良保護観察所長を最後に退職された青山幸克氏でした。
長年の保護観察の現場での体験をもとにお話いただきました。
印象に残ったことはカウンセラー制度の限界についてです。
平成9年の神戸A少年事件、酒鬼薔薇聖斗(さかきばらせいと)神戸須磨少年連続殺人事件。
かつてあれほど世の中を震撼とさせた少年事件はなかったでしょう。
あの頃同年代の子供持つ母親が寄ればこの話題で持ちきりでした。
なぜA少年の母親は事件を引き起こすまで気づかなかったのか不思議でした。
連続殺人事件までに、猫の虐待も数多く行っていたようですが、毎日少年の世話やく母親が掃除や洗濯の際になぜ気づかないのかありえへんと。
今回の講演で、青山氏が語られたところによれば、A少年の母親はすでに異変に気づき、7回もカウンセリングを受けられていたそうですが、この事実は明らかにされていないそうです。
こうした事実がなぜ伏せられているのか、これも不思議ですね。
どんなカウンセリングがもたれたのか、なぜ明らかにされないんでしょう。
今から5,6年前に私が担当していたB子さんは、虞犯で保護観察になっていた17歳でした。
保護観察期間内に引ったくり事件で検挙され少年院送致となりました。
刑が決定するまでに、カウンセラーが面接してだした報告は、父子相姦が疑われると。
このことを保護監察官から聞いたときは、なんじゃぁこりゃ~、ですわ。
カウンセラーってどんな人ですかって聞き返したぐらいです。
B子さんの家は両親ともに学校の先生で多忙でした。
3人姉弟の真ん中で、あまり認めてもらえない寂しさと自責感とコンプレックスとないまぜに育ったかもしれない。
でもどこから父子相姦が導き出されたのか笑ってしまいましたよ。
あの時つくづくカウンセラーもたいしたことない人にあたるとえらい目に遭うなと実感しました。
昨今、様々な事件とともに、「学校へカウンセラーを配置」で幕切れとなることが多いようです。
悩みや不安を持った人が、カウンセラーに話を聞いてもらって、共感してもらい悩みが軽減する、いわゆるロジャース理論です。
しかしながら罪を犯した人々が、カウンセラーに共感してもらって、罪犯したことを認められ味方をえたごとく勘違いしてもらっては困ります。
カウンセリングを志す人たちが、人格障害、共依存、○○コンプレックス、などなど、これらにあてはまる事例探しに終始してもらっても困ります。
青山氏の結論は、面接よりも現場を知ること、そして監視や追及ではなく、支えるという立場が大事ではないかということでした。
心のケアやメンタルサポートが声高に叫ばれていますが、おためごかしに惑わされないで、実質を見失わないようにしないといけませんね。