質は、不動産に対して動産(そのひとの持ち物)を担保にし、質権設定することで お金を融資します。
最初に融資された元金を返さなくても、利息を入れ続ける限り、 モノの所有権はお客さま本人のモノで、この状態を利上げといいます。
もし3ヶ月間まったく金利を入れないと、 そのモノの所有権は質屋のモノとなり、これが質流れとなって店頭に並び売り物となります。
画像の質札、上が質屋協同組合で販売されているものです。
下は当店独自のもので、昭和の終わりにたくさん作りすぎて、いまだに使いきれないほど残っています。
すでに世は平成となり、電話番号も市内局番が3桁から4桁となったし、おまけに2001年に屋号は小笹質店から質OZASAに変更しています。
協同組合のものは1枚ですが、当店独自のは2枚複写になっていて、何かと使いやすいので、シールを貼ったり内職して今なお使い続けています。
質札というかわりに英語でPAWN TICKETと印刷しています。
人名帳です。
質入れに来られたお客さんがあいうえお順に並んだ名簿です。
名前、住所の次に職業、確認の方法は運転免許や保険証の番号を書きます。
そして特徴は、なんとはんこを押してチェックしていきます。
身長は5尺6寸なんて、いまどきさっぱりわかりませんよね。
創業が昭和21年9月で、まだまだメートル法は使われていなかったんですね。
このはんこも擦り切れて、平成12年からは手書きです。
初めての客は帰ったあと、忘れないうちに顔などの特徴を書き込んでいます。
よその質屋さんでは、お客さんの許可を得て写真を撮ったりされることもあるようです。
もちろん身分証明書はコピーを取りますが、メガネをかけてるとか、えくぼがあるとか、ゲジゲジ眉毛だとか、手書きすることによって、記憶に残るんですね。
このほかに質台帳があり、これで流質とハンコの押されたものが、質流れとして商品となります。
質台帳の古いものは、2005/10/17の記事の画像に載せていますのでご覧ください。
もちろん今は毛筆は使っていません。
先代は毎日毎日これで筆のお稽古したおかげで、今なお達筆です。
熨斗袋など気張って書かないといけない時はおじいちゃんの出番です。