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「地元の力を活かす「ご当地企業」」(帝国データバンク、中村宏之(読売新聞記者))という本はとてもオススメ!

2018年11月09日 01時00分00秒 | 
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 「地元の力を生かす「ご当地企業」」という本は、全国に調査ネットワークを持つ帝国データバンクが収集した企業情報を含むビッグデータを読み解き、また日本全国の地元の歴史や地理、気候などの特色がどのように企業に反映されているか等を47都道府県それぞれについて分かりやすく説明したものです♪

 また、具体的に47都道府県の地域特性や主要企業、特徴を以下の10項目の指標でレーダーチャート化もしています♪

<社長に着目した4指標>
1 社長の若さ(社長の年齢)
2 事業承継確率(後継者の有無)
3 経営人材の流動性(社長の出身地)
4 従業員還元度(労働分配率)

<企業の活性化度合いに着目した2指標>
5 企業の若さ(創業年数)
6 県内の企業格差(ジニ係数)

<企業の業績に着目した2指標>
7 増収企業の割合(売上高)
8 経営効率性(労働生産性)

<企業間取引に着目した2指標>
 9自給自足率(ハブ度)
10 県外への営業力(コネクター度)

 また地図で企業の立地分布等を可視化しているのは秀逸ですね♪
この分布はとても分かりやすく、都市の集積も想像させられ、これは非常に興味深かったです。
 
 改めて全国47都道府県はそれぞれに特徴を持っているし、それは江戸時代の各藩等からの歴史や地理、気候等の由来があり、また思いもよらない各地域とのつながりも分かりとても勉強になりましたね♪

 自分が知らない事実がかなりありましたし、また各地の素晴らしい気質や底力も感じ、そして時代に合わせて変化させている老舗企業は強いし、改めて日本は素晴らしい国だとも思いました♪

「地元の力を生かす「ご当地企業」」という本は、日本各地や各企業等について理解を深めることができ、とてもオススメです!

以下は本書の各都道府県のポイント等です♪

<北海道>
・雪は北海道の生活と切っても切れないものである。雪は厄介者であるというイメージが強いが、これを逆手に取り雪を利用して雪冷房技術の普及に向けて取り組んでいる企業が雪屋媚山商店(美唄市)だ。自らを「雪山職人」と名乗る同社の本間弘達社長は、札幌の大手ゼネコン在籍時に雪冷房に出会い、現在では雪冷房のシステム設計、導入サポート業務および雪利用のイベント支援など、雪冷房に関するコンサルティング業務全般を手掛けている。雪冷房技術を取り入れている具体事例として、コンピューターのサーバーなどを設置、運用しているデータセンターがある。データセンターは多くの熱を放熱するため、常時クーラー冷却が必要だが、電力コストが膨大なものとなる。同社では本社のある美唄市の空知工業団地内にデータセンターを2015年9月に竣工。間接冷水循環方式を取り入れた冷房システムの実証試験施設として稼働させている。また、雪冷房とデータセンターからの廃熱を利用し、植物工場やアワビの養殖施設を稼働させている。本間社長は「2025年には日本で使用される総電力の約20%が情報産業によって消費される見込み。厄介者の雪を利用したデータセンター冷却が普及すればこれほど有用なことはない」と語る。

<青森県>
・青森県は企業が本社を置く都道府県別では女性社長比率が10.6%よ日本で最も高い(帝国データバンク・女性社長比率調査(2018年))。この理由と事業継承には若干の関連性がある。それは青森県は男性の平均寿命が最も短い県であることに関係している。つまり男性が早くに亡くなるケースが多く、その場合、妻が継いで社長になるケースが多いといわれている。加えて女性の気質にも特徴がある。昔から青森県の冬は降雪で仕事がなく、男性は出稼ぎで家を空けるケースが多く、大家族の中で義両親と協力しつつ、夫の代わりに一家を切り盛りしていた女性が多い。体力的にもきつい雪かきなどもすべて行っていたので、気持ちの強いしっかり者が多いといわれるゆえんだ。こうしたことから自立心があり、会社を設立する場合でも最初から妻が社長で、夫は快調や取締役となるケースも見られ、それが女性社長比率の高さにつながっているようだ。

<岩手県>
・明治35年の創業以来、116年余にわたる伝統の技を守り続け「IWACHU」のブランド名を世界にまで知らしめたのが、南部鐵器のトップメーカー岩鋳の3代目社長、石清水晃氏である。「国の伝統的工芸品」第一号の指定を受けている南部鐵器は、17世紀中頃、南部藩主が京都から盛岡に釜師を招き、茶の湯釜を作らせたのが始まり。以来、盛岡は良質な原材料に恵まれていたことや南部藩が保護育成に努め、全国各地から鋳物師、釜師を召し抱えたことで発展を遂げてきた。岩鋳は、黙々とものづくりに励む「職人気質」の県民性を生かし、伝統技術を継承し続けているだけではなく、1994年に石清水晃氏が社長に就任してからは、伝統工芸品としての南部鐵器を主軸としながらも、海外デザイナーによる南部鐵器シリーズの製造を開始するなど、いち早く海外販路の拡大に着目。新しい伝統の創造に積極的に取り組んできた。これらの取組により、現在では日本国内のみならず、ヨーロッパ、アメリカ、アジア各国に岩鋳の製品が輸出されており、特にヨーロッパでは「IWACHU」が南部鐵器の代名詞になるほどブランド名が浸透している。「伝統を重んじつつ、常に革新を目指す」という岩清水氏の言葉は忘れられない。

<宮城県>
・東北でありながら仙台都市圏は東京並みに雪が少なく、「南国のような暖かさはないが、寒くない冬」「避暑地のような涼しさはないが暑くない夏」といったほどよく心地よい季節が1年のうち300日くらいを占めるためかもしれない。このため転勤者の永住希望者やリタイア後に住みたい人が多い県ともいわれている。「東北の流行発信地で新しもの好き」ではあるが、それらはあくまで「東北初」なのが少し残念なところ。ただ人口構成などの観点から新商品のテストマーケティングの地に選ばれることが多く、電子たばこ「glo(グロー)」は全国に先駆けて仙台市で発売された。新製品を日本全国で展開する足がかりとして、購入者の年齢や性別、職業など市場調査の点で、仙台は全国のモデルに近いという点がある。また支店経済の街なので都市型の消費傾向があるのも選ばれる特徴の一つだろう。

<秋田県>
・新幹線でも盛岡~秋田間は在来線を使っているため時間がかかり、世界遺産の白神山地や十和田湖、角館武家屋敷、田沢湖、男鹿半島、鳥海山などの観光地や玉川温泉、乳頭温泉郷といった観光資源がありながら、観光客は多くない。特に外国人観光客数は、観光庁が発表する最近の観光統計を見ても全国で最少クラスである。こうした状況の打開に向け、秋田県ではクルーズ船の寄港に注力している。大館市では、海外で人気のある「秋田犬」を観光につなげる取組も始まっている。

<山形県>
・粘り強く、まじめな姿勢と天災や戦災が少ないという地域性から、山形、米沢、新庄、鶴岡といった各市の城下町や海運・水運で栄えた酒田市、大石田町で多くの長寿企業が存在する。また昔から米所として蔵などが多く、蔵を利用した酒造や味噌・醤油の醸造なども行われている。明治維新前に創業した長寿企業の輩出率が京都に次いで多いのが特徴だ。

<福島県>
・東日本大震災と、それに伴う原発事故によって失われた浜通り地域などの産業基盤の再構築を目指し、「福島イノベーション・コースト構想」が進められている。これは、廃炉やロボット技術に関する研究開発拠点の整備をはじめ、再生可能エネルギーや次世代エネルギー技術の積極導入、先端技術を活用した農林水産業の再生、さらには未来を担う人材育成、研究者や来訪者に向けた生活環境の確保や必要なインフラなどさまざまな環境整備を進める国家プロジェクトだ。

<茨城県>
・茨城県を代表する企業は県の特徴とも重なるが、やはり納豆王国茨城を支えるタカノフーズだ。同社は1932年創業の老舗で、全国に営業網を築いてきた。東京、大阪、名古屋、仙台など主要都市を中心に全国に営業拠点があり、各地のスーパーやコンビニエンスストア、食品問屋筋などに流通網を確立している。「極小粒シリーズ」「旨味シリーズ」「国産大豆納豆」など多品目を製造しており、業界ではガリバー的存在だ。

<栃木県>
・寿司ネタや煮物などに使われるカンピョウは、決して主役にはならない脇役の存在だが、国内生産高の98%が栃木で生産されている。食生活に不足しがちな食物繊維を豊富に含み、健康食品としても注目されている。

・近年特にその存在が注目されているのは医療機器業界である。縫合針、眼科ナイフのマニー(宇都宮市)、歯科医療機器のナカニシ(鹿沼市)、診断用X線装置やMRIのキャノンメディカルシステムズ(大田原市)などが代表的な存在。いずれも世界的なシェアを獲得しているメーカーだ。またSUBARU航空宇宙カンパニーが宇都宮に事業所を構えているという環境もあり、航空宇宙分野の下請企業が集積している。「とちぎ航空宇宙産業振興協議会」には2018年5月末現在で200社が加盟し、板金・プレス加工部品の三洋製作所(宇都宮市)など躍進企業も現れており、行政も積極的に後押ししている。一方で、古くから漬物に代表される食品メーカーも多く存在し、新生姜で有名な岩下食品(栃木市)などはリーダー的存在といえる。菓子製造業界に画期的な量産体制を提供した自動包餡機のレオン自動機(宇都宮市)、東京スカイツリー建設で一躍脚光を浴びた東武建設(日光市)も栃木を代表する企業だ。

<群馬県>
・群馬県は都心から約100kmに位置し、関越自動車道、上信越自動車道、北関東自動車道、東北自動車道と4つの高速道路が走っている。このほか、上越新幹線と北陸新幹線が整備されているなど、交通アクセスは良好。また、地震や台風をはじめとする自然災害が少なく、日照時間の長さは全国有数である。このため、工場や物流拠点の立地に適しているほか、首都直下型地震発生時のバックアップ拠点としても期待されている。

<埼玉県>
・交通網が発展している埼玉県には近年、高速道路や幹線道路の周辺に多くの企業が拠点進出している。冷凍製造の赤城乳業(本庄市)、家電製品開発・設計のハイアールアジアR&D(熊谷市)、自動車製造の本田技研工業(寄居町)、生活雑貨製造販売の良品計画(鳩山町)などだ。さまざまな業種の有力企業が埼玉に製造・物流拠点を設けており、受け皿となる工業団地が県内に76カ所整備されている。そのため埼玉県は全国屈指の工業県でもあり製造品出荷額等は12兆5964億円で全国6位だ。

<千葉県>
・東関東道、京葉道路、圏央道など交通網の整備により、以前に比べ県内の各経済圏を越えて商流が活発化しており、成田空港周辺を含む沿線では物流倉庫の建設なども進んでいる。一部未整備となっている圏央道がつながれば、さらに物流が変わると見られる。首都圏とはいえ、太平洋に突き出た半島に位置する地理的特性上、交通・インフラの整備が特に南部で課題とになっていた。こうしたなか、東京湾アクアラインの開通と近年の通行料金の引き下げによって、着岸地である木更津や君津などはもちろん、その先の南部にも神奈川や東京からの観光客が増加している。

<東京都>
・東京は懐が深く、城東地域には日用雑貨関連、城南地域に機械や金属関連、都心及び常北地域に印刷関連の中小企業が集積するほか、多摩地域には大手企業の工場や物流拠点が立地する。また、日野自動車(日野市)や日本無線(三鷹市)のように、古くから生産拠点としていた工場の周辺地域が、時代の移り変わりとともに住宅地域として開発され、工場の拡張や夜間操業が容易でなくなるとして、他地域に移転するケースも発生しており、こうした移転や縮小、閉鎖が地元経済に与える影響は大きいものがある。

<神奈川県>
・神奈川県の特徴は、「全国の縮図」という言葉で表せるだろう。企業経済ではあらゆる業種、業態がそろっている。港町で大都会の横浜、京浜工業地帯の川崎、温泉の箱根や湯川原などの県西知己、観光地の鎌倉、江ノ島湘南地域、中小製造業者が集積する県央地域、基地の町横須賀、野菜とマグロの三浦半島ー。一次産業から三次産業、著名な観光地などほとんどの要素を網羅している一方で、これだという突出したものもない。

<新潟県>
・日本を代表するコメどころゆえ、全国的にも名の通った関連企業が多い。新潟市では「柿の種」や「ハッピーターン」で知られる亀田製菓、「ぱりんこ」「雪の宿」の三幸、「サトウのごはん」「サトウの切り餅」の佐藤食品工業があるほか、長岡市には米菓・切り餅の越後製菓、米菓の岩塚製菓、柏崎市には「ルマンド」「エリーゼ」など洋菓子で知られるブルボンなど多彩だ。酒関連では「八海山」の八海醸造(南魚沼市)、「久保田」の朝日酒造(長岡市)、「越乃寒梅」の石本酒造(新潟市)、「〆張鶴」の宮尾酒造(村上市)、「菊水」の菊水酒造(新発田市)、「鶴齢」の青木酒造(南魚沼市)などだ。

・新潟県は十日町市や津南町などの豪雪地帯があるほか、沿岸部では海からの風が強く気温以上に寒さを感じるなど、冬はとても厳しい地域ゆえに、石油ストーブの出荷額が全国トップである。代表的メーカーがコロナ(三条市)とダイニチ工業(新潟市)の2社でいずれも上場企業である。金属洋食器製造も忘れてはいけない。全国の出荷額のうち9割を新潟県が占め、その大部分が燕市である。江戸時代の和釘づくりに始まり、長年にわたって培った金工技術により、1914年に洋食器の手作り見本が作られたのが本格的な生産の始まる契機となった。

・もう一つの特徴は、高速道路やバイパスなどの交通網が発達している点だ。高速道路は県下全域に広がっているほか、新潟市-新発田市を結ぶバイパスは、片側2~3車線で高速道路並みの規格であるにも関わらず、全線無料で、縦に長い新潟県をスムーズに移動することができる。これらに関わったのが地元の建設業者であり、帝国データバンクの調べによると全業種に占める建設業者の比率は全国的にもトップクラスに位置する。人口10万人当たりの建設業従業者数は4375.7人で全国トップであるなど、建設業界が新潟経済を支えている割合は高い。

<富山県>
・「越中富山の薬売り」として有名な富山は医薬品産業が発展している点が特徴の一つ。「ものづくり県」として、勤勉でまじめな県民性を生かした質の高い労働力がある。さらに立山連峰からもたらされる豊富な水と電力、地価の低さを利点として、日本海側屈指の優れた産業基盤がある。コメどころでもあり、良質米として評価の高いコシヒカリをはじめ、富山オリジナルの早生品種「てんたかく」や晩生品種「てんこもり」が生産される。チューリップ球根の出荷量は日本一で、伝統ある定置網漁法による漁業も盛んだ。富山県は冬場、自然環境が厳しく、農閑期の水田の有効活用を試行錯誤する中で、砺波地方はチューリップの球根生産に適した自然条件を備えていることが分かった。大正時代にチューリップを栽培したところ高値で売れたことから、チューリップ栽培は水田裏作の有望な特産物として県下全域に広がった。雪深い地域で冷害も多く、万一に備えて地道に物事を進める県民性は今も色濃い。男女とも勤勉で粘り強く、忍耐力があり、まじめにコツコツと商売する。富山と言えば「置き薬」のイメージがあるが、無料で常備薬を置かせてもらい、使った分だけ後払いというビジネスが成立するためには、家々をコツコツと定期的に訪問できるか、その忍耐力がカギになる。富山には他人が目を付けないものに着目してビジネスとして発展させてきた歴史があり、そうしたセンスの良さも特徴といえる。

・2シータ-オープンスポーツカー「ゼロワン」を発表、1996年に10番目の国産自動車メーカーとして認められることとなった光岡自動車(富山市)。欧州の左ハンドル車市場でオリジナルカーの販売拡大に乗り出し、17年モナコに代理店を開設した。18年に2シータ-オープンカー「ヒミコ」のフルオデルチェンジを行い、日本に続いて欧州にも新型車を投入する予定である。従来、欧州の右ハンドル車市場をターゲットとしてイギリスに拠点を設けており、モナコは左ハンドル市場攻略の拠点として、世界各国からモナコに集まってくる富裕層にアピールする考えだ。地道な技術の蓄積と粘り強い営業戦略により、派手ではないものの世界市場を見据えて事業展開を図る富山の企業らしい事例の一つといえる。

<石川県>
・石川県を表す言葉として「観光」「温泉」「グルメ」「清酒」などが挙げられる。2015年3月に北陸新幹線が開業し、兼六園やひがし茶屋街などの観光名所が賑わいを見せている。県内には和倉温泉や片山津温泉、山代温泉、山中温泉など大小合わせて15の温泉地があり、県外からの観光客はこれらの温泉旅館に宿泊するケースが多く、新幹線開業後には各温泉旅館の業績は拡大した。温泉旅館といえば食事も楽しみの一つだが、石川県は豊かな漁場で水揚げされる魚介類を味わうことができる。有名なのは寒ブリやノドグロで、四季を通してさまざまな魚介類を堪能できる。そうした食事に合うのは日本酒だ。コメどころでもある石川県には34の酒造があり、淡麗辛口から濃醇甘口まで対応できる幅の広さを持っている。

<福井県>
・福井県は繊維、眼鏡産業などで培われてきた地元の技術力に強みを持つ。両産業とも時流に乗って柔軟に変化してきた。繊維産業では、強靱で軽いという特性を持った炭素繊維が自動車、航空、宇宙産業へと得意先の軸足を移す。また、眼鏡産業も時代の移り変わりに合わせて、ウェアラブル製品への進出ほか、チタン加工技術などで培った技術で医療分野などに進出する。こうした時代のニーズに沿う形で技術を生かして、柔軟に取り込んでいく力は、まさにものづくりの「アメーバ県」といえよう。日本海側の雪国ゆえに辛抱強い、粘り強いという気質が培われたのか、人口10万人当たりの社長輩出率(2016年)を見ると、福井県は1453年で、34年連続で全国トップとなっている。江戸時代には北前船交易の中継地として栄え、日本海での海産物をもとにした商売が発展した。若狭湾を擁し、若狭から京都を結ぶ「鯖街道」を通じて、関西圏での商売に通じてきた歴史もある。こうして培われてきた商売のセンスで「越前商人」と呼ばれるようになった。

・主力産業である眼鏡生産は、雪深く農業中心の地元の暮らしを向上させるため「国産のめがねの祖」とも呼ばれる増永五左衛門が、大阪から職人を招き、足羽郡麻生津村生野(現・福井市生野町)で農家の副業として広めたことから始まった。こうして生まれた福井県の眼鏡産業は、現在日本製の眼鏡枠生産の95%以上のシェアを誇るまでに成長。典型的な産地型集積となった。鯖江市の眼鏡産業をみると、製造卸を手掛けるシャルマンがトップ。中国に工場を構えていることもあり、他の追随を許さない。眼鏡メーカーでは浜本テクニカル、エクセル眼鏡などが有力企業となる。また古くから発展した絹織物業は、江戸時代には福井藩の財政を支えていた。現在でも「福井アパレル」と表される繊維産業の集積地になっている。このほか福井県は、印刷関連業が多いのも特徴だ。特産品である越前和紙によって紙産業が発展し、周辺産業である印刷関連行が育成されたことが背景にある。

<山梨県>
・山梨県は「ブドウ県」といっていい。ブドウの収穫量(2017年度産)は4万3200tで全国1位。第2位の長野県2万5900tを大きく引き離している。種類も豊富で、代表的なものとして食用の巨峰・ピオーネ、主としてワイン用の甲州・ベーリーAなどがある。食用で最近人気があるのはシャインマスカット。皮ごと食べることができて甘みが強い。値段は高いが売れ行きが好調なため、多くのぶどう農家が生産し始めている。

・「水の県」でもある。富士山北麓、南アルプス、八ヶ岳南麓など豊かな水源を勇し、ミネラルウォーターの出荷量は全国1位。忍野八海、尾白川、三分一湧水などの湧水群もよく知られる。サントリーは、北杜市白州町に天然水とウイスキーの工場を展開している。

・産業集積が進んでいるのは宝飾業界だ。多くの製造業者・卸売業者が存在し、宝飾製品の生産量は全国1位。これは地元で水晶が多く採取されたことに起因している。近年は消費者の嗜好の変化で高額な宝飾製品が売れなくなっているため、業界にかつてのような勢いは感じられないが、東京や香港で定期的に開催される展示即売会やイベントで中心となっているのは山梨県の企業で、宝飾製品の商流に県内企業が与える影響は依然として大きい。年商10億円から20億円の企業が大手といえる業界で、代表的な企業としてはクロスフォー、ピアジュエリー、アンブローズアンドカンパニーなどがあり、いずれも甲府市内に本社がある。

<長野県>
・長野県は、産業面では製糸業に端を発し、精密機械製造へと発展した歴史を持つだけに、自他とともに認める「ものづくり県」である。特に電子部品や情報通信機械器具製造業の集積地であり、技術追求に熱心に取り組む企業が多い。製造業は機械金属系だけでなく、食品関係にも広がっている。「健康長寿県」の顔を持つ。厚生労働省が2017年12月に発表した都道府県別の平均寿命は15年時点では男性81.75歳で全国2位、女性は87.675歳で全国1位で「元気で長生き」を産業面で支えようとする取り組みも目立っている。

<岐阜県>
・穂高、槍ヶ岳などに代表される3000m級の山々がそびえる飛騨地方から水量豊かな長良川、木曽川、揖斐川が流れる美濃地方まで、豊かな自然にはぐくまれた岐阜県は文字通り「山紫水明の地」だ。高山の木工・家具、関の刃物、美濃の和紙、そして多治見・土岐の陶磁器などに代表される地場産業は、こうした豊かな自然と人の技術が相まって生まれたものといって良いだろう。

<静岡県>
・地域は主に東部、中部、西部に分かれるが、静岡県全域ではやはり「静岡茶」のイメージが強い。静岡県は日本一の茶園面積、茶収穫量を誇る。静岡茶のルーツは、鎌倉時代に日本の僧侶として初めて「国師」の号を贈られた聖一国師が中国から持ち帰ったお茶の実を静岡市に蒔いたことから始まったと伝えられている。その後も今川氏、徳川氏と時の名将たちも静岡茶を珍重し、独自の茶文化が育まれた。現在では東部地区・中部地区・西部地区すべてに茶の産地があり、県内では20を超える産地が広がる。1899年(明治32年)に清水港が開港すると、「静岡茶」が直接外国に輸出できるようになり、世界的にブランド力が高まる契機となった。

・静岡県の中核産業は地区ごとに「観光」「商業」「工業」の3つに分類される。東部地区は古くは伊豆国と呼ばれ、廃藩置県で足柄県となった地域。首都圏に近いという立地条件もあって、熱海、伊東、伊豆半島など全国有数の観光地帯となっており、関東圏の影響を受ける。中部地区は、古くは駿河国と呼ばれ、廃藩置県で静岡県となった。家具や雛具などの伝統工芸のほか、清水港や焼津港はカツオ・マグロの水揚げ基地になっているほか、由比港や用宗港では桜エビ・シラス漁が盛んで、水産物を加工・販売する魚市場や卸売市場が集積した商業地帯となっている。2011年に創業210年を迎えた鈴与(静岡市)は、江戸時代・享和年間からの業歴を持ち、燃料、回漕業を主軸としながら発展。現在は総合物流事業を展開している。地元の清水港を主軸に国際物流、国内輸送、倉庫保管、流通加工、港湾物流などのサービスを提供している。また営業拠点は全国一円に及んでいるほか、海外にも23カ所の拠点を構えるなど、グローバル展開も行っている。静岡県内を中心にグループ会社約140社を抱えるなど、確固たる基盤を構築している。09年6月に開港した富士山静岡空港向けの関連事業として航空会社の「フジドリームエアラインズ」を設立し、「陸・海・空」を兼ね備えた総合物流サービスグループとなった。

<愛知県>
・愛知県はトヨタ自動車グループに象徴される自動車産業や工作機械産業、航空機産業など「ものづくり県」のイメージが強い。製造品出荷額は1977年から39年連続全国トップ。極論すれば、愛知県の景気はトヨタ自動車の生産・販売台数次第であり、変動の波を受けやすいといえる。立地企業は、世界に冠たるトヨタ自動車を筆頭とした、刈谷市に拠点を置くデンソー、アイシン精機などのトヨタグループのほか、工作機械のDMG森精機(名古屋市)、ヤマザキマザック(大口町)、オークマ(大口町)、Mizkan(半田市)、シヤチハタ(名古屋市)などの著名、大手企業が数多い。

・衣食住遊にこれといって不足がないことから東京などに出て行かず、県外転出率は低い。つまり小中高から大学、就職も地元志向が強く、生涯にわたって県内にとどまる人が多い。2世代、3世代同居率も大都市圏の中では高いのも特徴的な点だ。

<三重県>
・三重県といえばお伊勢さん=伊勢神宮の存在が大きい。伊勢はまさに「神の住まうところ」である。「〇〇神宮」と呼ばれる神社は日本各地にあるが、「神宮」の2文字だけで通じ、全国10万社の頂にあるのが「お伊勢さん」である。

・三重県は、化学製品、鉱業、輸送用機械の生産に強みを持ち、製造業全般に労働生産性が高く、県内への生産波及効果も高い。厳格な規定で肥育される松阪牛が有名であり、松坂肉を取り扱う店として柿安(四日市市)、朝日屋(津市)、和田金(松坂市)などが挙げられる。また、伊勢詣での街道沿いや神宮の門前で多くの旅人をもてなしてきた餅をメインにする和菓子屋が点在しており、なかでも赤福(伊勢市)の「赤福餅」の知名度は群を抜いている。明治以降の創業では肉まん、あんまん、あずきバーの井村屋(津市)、「ベビースターラーメン)のおやつカンパニー(津市)、「おにぎりせんべい」のマスヤ(伊勢市)などがあり、いずれの会社もロングセラー商品を持っている。食品業界に限定すると、創業当初のスタイルを維持し、地域内での消費を主体とする老舗店が多く残っているが、独自の商品を武器に全国展開している企業も多い。

<滋賀県>
・近江商人は大阪商人・伊勢商人と並ぶ日本三大商人の一つであり、現在でも滋賀県出身の企業家を近江商人と呼ぶことがある。大手百貨店の高島屋、総合商社の伊藤忠商事、繊維の東洋紡など数多くの上場企業が近江商人の流れを汲んでいるとされる。現在においても近江商人の思想を重んじた中小企業が数多く存在している。

・県内の主要企業としては、2020年に創業110年を迎える老舗企業の近江兄弟社(近江八幡市)が有名である。創業者で青い目の近江商人といわれたメレル・ヴォーリズの事業を通して社会貢献をしていくという理念のもと、近江兄弟社グループとして教育・医療・福祉などの分野に関係会社を持ち展開している。本業の医薬品では、全国的な知名度を持つブランドネームとなった「メンターム」(外皮用薬・リップクリーム)が主体となっているが、近年ではスキンケア・サンケア製品が売れ筋となっている。和菓子で老舗のたねや(近江八幡市)は近江商人の精神が根付いた企業の一つであり、食を通じて「三方よし」の精神を体現している。原材料となる農作物を研究する農場「たねや農藝」や、知識取得や技術向上のために設立された菓子の職業訓練校「たねやアカデミー」を持つなど、研究開発や人材育成に取り組んでいる。産業用繊維資材・タイヤコードの生産を中核とする綾羽(大津市)は、製造・技術事業、ホームセンター事業、住環境・不動産、ゴルフ・ホテル事業など11社のグループ会社を持ち、グループ売上高670億円を誇る県下有力企業となっている。

<京都府>
・日本が世界に誇る古都・京都。貴族文化、町家文化のイメージが強いが、産業構造的には、「観光」「学生」「電子機械産業」がキーワードといえよう。「観光」では、インバウンド(訪日外国人旅行)の増加に伴い、京都を訪れる多数の観光客によって施設の許容度や受け入れ体制は次第に厳しくなっており、京都府は観光客が京都市内に集中することを強く危惧している。このため行政主導で「海の京都」「森の京都」「お茶の京都」のPR施策を仕掛けながら、京都市外への観光客の誘導に注力している。「学生」では、京都大学、同志社大学をはじめとする多くの有名大学や、宗教系や専門性の高い大学が多数あるほか、府内学生の大学進学率も高いことなども背景に、学生の数が人口比にして非常に多い「学生県」としての特徴がある。「電子機械産業」では、京セラ(京都市)、日本電産(京都市)、村田製作所(長岡京市)を代表とする電子機械産業の集積で、本社を京都市やその周辺に構える超大企業が多くあり、産業構造の形成に大きく寄与している。

・大企業では、京セラグループで1兆5770億円、日本電産グループで1兆4880億円、村田製作所で1兆3718億円、任天堂で1兆556億円(いずれも2018年3月期連結売上高)と、連結売上高が1兆円超えする超大企業が4社ある。他にも佐川急便、オムロン、ローム、島津製作所、宝酒造、GSユアサ、ワコール(いずれも京都市)など全国区の有名大企業が多い。一方、伝統という側面から、しば漬け、千枚漬けなどの漬物店や、呉服関係の大店が多くある。漬物は土産物需要もあって安定しているが、極府の販売量は低下しており、企業の統合も進んでいる。このため近年は観光客向けの呉服レンタルや、他県の貸衣装業者への販売強化によって活路を見出す企業も多くなっている。京都市内一番の繁華街・河原通りにある抹茶専門店の連日の行列は有名だが、近年は抹茶ブームを追い風に製茶業の躍進が目立っており、海外進出にも注力している。また古くから伏見の酒蔵はよく知られる。宝酒造、月桂冠、黄桜など大手の有名日本酒メーカーがあり、嗜好の変化や近年の国内消費の伸び悩みを受けて、新商品開発や海外進出を積極的に推進する企業もある。学生の多い土地柄もあって不動産業の有力企業も多く、学生向けのサービスには手厚いイメージがある。京都で培ったノウハウを全国展開に広げる企業も多いようだ。京都市街地は遊休不動産が少ないため、慢性的な駐車場不足が悩みである。一方で高額な不動産を所有する資産家の資産活用ニーズもあって、これを解決するコインパーキングを展開する有力企業が多い点も特筆される。

・稲盛和夫氏が提唱するアメーバ経営で知られる京セラ(京都市)。社員一人ひとりに京セラフィロソフィー(哲学)が根付いている印象がある。実際に従業員の方たちと話すと、この哲学の浸透度は絶大だとの印象を持つ。たとえば、取引開始や物品購入、人材育成などにおいても「人間として何が正しいか」を判断基準としており、人として当然持つべき根源的な倫理観や道徳観などに従っている。稲森氏のみならず、日本電産の永守重信氏、ワコールの塚本幸一氏など京都企業はカリスマ経営者を多く輩出している。技術面や進取性に立脚している部分はあるが、強い指導力やリーダーシップが発揮されており、行動基準が秀でている。

<大阪府>
・古くからいわれていることだが、大阪は「商業の町」「商人の町」である。豊臣秀吉が大阪城を築城し、城下町がつくられた。秀吉は、日本全国のコメなどの主要産物の商品市場を大阪に置き、商業を奨励したことから、堺など周辺の都市から商人が移住し、商業都市として栄えるようになった。その後、徳川幕府もこの政策を引き継ぎ、2代将軍秀忠の時代には幕府の直轄地となり、大阪を商業の中心地とした。全国の大名は大阪・中之島を中心とした河岸に蔵屋敷を置き、全国の物産の7割は海運で大阪に集まった。大阪が「天下の台所」と呼ばれるゆえんである。交通網の発達に伴い、江戸時代の後期には近江商人が大阪に進出する。近江商人は麻布や蚊帳などから始まり、呉服を主に扱った。こうした近江商人の流れを汲む企業の中には総合商社の伊藤忠商事、丸紅がある。丸紅は現在本社を東京に移しているが、両社は大阪発祥である。このほか、日本綿花(現双日)、東洋綿花(現豊田通商)、江商(現兼松)を加えた5社を「関西五錦」と呼ぶが、明治以降はこうした繊維商社が牽引して繊維産業が発展し、大阪経済の中核を担ってきた。

・東京に次ぐ経済規模を誇る大阪府は、増収企業の割合だけでなく経営効率性も非常に高く、生産性の高さが目立つ。また従業員還元度も高いことから労働環境も非常に良い。東京都と同様に、大都市型の構造を持っていることが示されている。気をつけたいのは後継者のいる企業が少ない点で、早めに手を打ちたいところだ。

・江戸時代に、漢方薬や西洋の薬を扱う薬問屋が大阪の道修町に集まり、「薬種中買仲間」を組織して、全国の薬の流通拠点として栄えた。そうした歴史を歩んだ企業が現在に至っていることから、武田薬品工業や田辺三菱製薬、塩野義製薬、小野薬品工業(いずれも大阪市)といった老舗製薬会社が集中している。大阪も南部は、毎年9月に行われる「岸和田だじり祭」からイメージされるような鍛錬された足腰の強い企業が多い。世界トップシェアを誇る自転車部品メーカーのシマノ、ショベル生産国内トップの浅香工業、屈折金具で世界60%シェアを有する向陽技研など有力企業がある。これら3社は堺市に本社を構え、伝統産業である鉄砲や刃物製造に由来する技術や知恵を伝承したものであり、時代に合わせた製品を供給してきた。戦後の高度経済成長期に堺市、高石市、泉大津市の沿岸部が整備され、堺泉化臨海工業地帯が設けられた。クボタやダイキン鉱業、新日鐵住金、栗本鐵工所など重厚長大の大手企業が工場を設置した関係で、これらの下請企業が多く立地する。大阪南部は高速道路が整備され、関西国際空港(関空)にも近く、立地優位性がある。そのため、近年は堺浜など沿岸部に大型物流施設の進出が増加している。また、大阪南部は関空から都心部への交通ルート上に位置するため、中国をはじめとしたインバウンド需要の影響を受けやすい。格安航空会社(LCC)の勝ち組とされるピーチアビエーションは、関空を主要空港としたことでインバウンド増加を後押しした。また最近ではその影響から格安の観光バス運行業者が増えている。

<兵庫県>
・神戸は幕末の開港5港の1つということもあり、多くの国との結びつきがある。韓国、パナマの領事館のほか、コーヒー関連でUCC上島珈琲(神戸市)の本社内にコロンビア、ジャマイカの名誉領事館がある。台湾華僑やインドの貿易商も多く、横浜と並んで中華街(南京町)があり、多くのインド料理店も見られる。かつての航路の関係で、鹿児島県や沖縄県の出身者も多い。

<奈良県>
・特徴に挙げられるのが、1世帯当たりの貯蓄額ランキングが全国でも上位に位置していることだ。証券会社の奈良支店長は格が高いともいわれており、会社ではなく、個人で資産を持つ傾向が高い。一方で、「焼酎消費量」や「喫煙率(男性)」は全国で低位であり、お酒やたばこにカネを使わず、堅実にお金を貯め続けている様子が分かる。一方で教育に熱心で、全国有数の「教育県」として知られる。また「共働き率」が低位という傾向もある。経営者気質は、大阪の経営者が「ビジネスライク」だとすれば、奈良の経営者は「人見知り」の堅実タイプといえるだろう。

<和歌山県>
・紀の国=木の国との異名があるように森林が多く、古くは木材産業が盛んであった。また、気候と地勢を生かした農業に取り組み、ミカンや柿の生産量は日本一となっている。世界遺産である高野山や熊野古道など進行の地としての側面もあるほか、美しい海岸線や数々の清流など観光資源(高野山、白浜町、那智勝浦町など)に恵まれている。一方で平地が少ないため、交通の便が便利とは言い難く、工業の発展という面では遅れをとっている。

<鳥取県>
・鳥取県を語るには、「食」と「観光」がキーワードだろう。「食」はまず松葉ガニ。なかでも「五輝星」と銘を打った松葉ガニや最高級ブランドとして地元のみならず、関西や首都圏へも出荷され、初競り時には1匹100万円を超える高額のご祝儀相場で取引されることもある。そのほか「20世紀」に代表される梨が有名で、最近では甘味や風味が豊かな「新甘泉」というブランドの人気が高い。「鳥取和牛」も忘れてはならない。黒毛和牛の種牛として「白鳳85の3号」は特に有名で、そのほかにも品評会で常に全国トップクラス成績を残す種牛を輩出している。天然岩ガキの「夏輝」、養殖のサバ「お嬢サバ」、白イカ「白輝姫」、コメの新品種「プリンセスかおり」など、地元特産品にユニークなネーミングを行っていることも特徴的だ。

・「観光」に関しては鳥取砂丘と中国山地最高峰で「伯耆富士」としても名高い大山が県内2大景勝地となっている。また、温泉地も数多く、三朝温泉や皆生温泉などが全国的にも有名だ。さらに、「ゲゲゲの鬼太郎」の原作者・水木しげる氏、「名探偵コナン」の原作者・青山剛昌氏がいずれも鳥取県出身ということもあって「まんが王国とっとり」としてイベントを開催したこともある。県内の空港に「鳥取砂丘コナン空港」「米子鬼太郎空港」とそれぞれアニメのキャラクターになぞらえたネーミングをして、観光客誘致に一役買っている。

<島根県>
・産業立地としては、主に東部(松江市・出雲市・安来市)が中心で、奥出雲地方に伝わる古来の製鉄技法、たたら製鉄の流れから鉄鋼産業関連が集積しているほか、電機・農機具関連メーカーの本社や工場もある。また、プログラミング言語Rubyの開発者まつもとゆきひと市が松江市在住であることから、松江市も「Ruby City MATSUE」プロジェクトを展開しており「Ruby」をキーワードに企業誘致を行うなど、産官学民が一体となってITによる産業活性化にも取り組んでいる。

<岡山県>
・岡山県の特徴は、何といっても「晴れの国」である。降水量1ミリ未満の日が多く、年間276.8日(2010年までの過去30年間の平年値)で全国第1位。また、温暖な気候で災害も少ないため、質の高い農業が可能であり、「清水白桃」「マスカット・オブ・アレキサンドリア」「ピオーネ」の生産量が各日本一を誇る。県南部は干拓地を含めた平野が広がり、大規模稲作農家も多い土地柄である。奈良時代の「鍬」製造に始まり、備前長船の「刀」づくりの技術が応用され、大正時代から昭和初期にかけて発動機や耕耘機の製造が盛んになった。今日においても、農業用作業機や一部部品を製造する企業が多く、トラクターの爪などの消耗品を含めて岡山県内で生産されたものが多く利用されている。

・かつて備前・備中・美作の三国であった岡山県は、産業立地にも地域ごとに特徴がある。備前地域は県南東部に位置し、備前焼に始まり耐火レンガの産業や刀の鍛冶屋から鉄工所、農機具へと進化した企業が見られる。県西部の備中地域は、江戸時代に天領であった倉敷市を中心とする。倉敷市はコメの集積地で蔵屋敷が建ち並び、周辺は大小の島々がある内湾であったが、徐々に干拓が進んだ。しかし、塩分を含む土地で、稲作よりはイグサや綿花の生産が進み、特産品が畳表となったほか、紡績技術も発達して繊維産業、特に学生服や作業服へと広がり、近時にはデニムの街として若者の人気を集める。またポリプロピレンを織り上げるブルーシートも製造された。このほか備中鍬といわれる鍬や農機具製造などの発達が見られるなど工業地帯としても発展した。なかでも水島コンビナートには自動車工場や自動車部品メーカー、石油、化学、鉄鋼など幅広い分野の高度な技術力を有する大企業の工場が集積し、県内製造品出荷額の半分以上を占める。近隣にはプラスチック樹脂を利用した食品容器メーカーもあり、備中はものづくりの中心といえる。ブルーシートで国内トップメーカーの地位を誇る倉敷市の萩原工業は、生活関連、産業資材としてのニーズを探り、土木・建築利用以外の商品開発でも進化を続けている。県北部の美作地域は、中国山地に立地していることから産業の中心は林業で、国産材をはじめ、各種集成材を全国へ出荷している。真庭市の銘建工業は、新しい木造建築材として注目される直行集成いた「CLT」を製作し、海外輸出なども行っている。

<広島県>
・広島県民や経営者には「開拓精神が旺盛な目立ちたがり」のイメージがある。ブラジルやハワイへの移民は広島県人が全国で最も多いといわれる。東京で一旗揚げようと考える人が多く、県出身芸能人も多い。この県民気質が、企業の後継者不在率が全国でも高い理由の一つになっているようだ。またディーゼルエンジンの性能向上に取り組むマツダに見られるような「我が道を行く」ものの考え方は、オンリーワン、全国ナンバーワン企業が育つ企業風土を醸成している。一方、「熱しやすく冷めやすい」のも広島県民の特徴だ。「広島発」のキャッチフレーズに弱く、すぐに飛びつくが飽きるのも早い。

<山口県>
・本州と九州の結節点に位置しており、古くから交通の要衝であったことから、大正時代より造船・化学・機械・金属などの工場が次々に進出してきた。また、戦後は瀬戸内海沿岸に石油化学コンビナートが形成され、全国有数の工業県に発展した。なかでも宇部市、山陽小野田市などの西部地域では、美祢市のカルスト台地から産出する石灰石を原材料とするセメント製造工場が立地し、周南市、岩国市など東部地域の石油精製コンビナートでは、ソーダなど化学製品を生産する企業が集中している。近年では医薬品や医療機器分野の進出がめざましく、武田薬品工業やテルモ山口など多くの製造施設が県内に立地し、年間の医薬品生産額は全国トップクラス。さらに、伝統的な地場産業として地元で生産される農林水産物を使った食品加工業や日本酒製造も古くから発展してきた経緯があり、特に日本酒では「獺祭」「東洋美人」などが国内だけでなく、海外からも注目を浴びている。

<徳島県>
・県民性として挙げられるのは「へらこい」という言葉である。四国の方言で「ずるい」「抜け目がない」という意味だが、徳島は古くから藍染めや林業が盛んで、瀬戸内海を挟んだ一大商業地の大阪との交流が活発だったため、大阪商人との厳しい商取引を通じて「へらこい」気質が育まれたのだといわれている。なかでも、徳島商人の気質をよく表している有名なことばが「徳島の二度値切り」だ。一度目は交渉時に値切り、二度目は支払時に値切るというもの。さすがに最近では、こうした「二度値切り」を耳にすることがなくなったが、県外では年配の経営者の実体験としてよく語られる。ただ、徳島県民が「金に執着している」とか「ずるい」という訳ではなく、あくまで「堅実で実直」というイメージだ。不要不急の出費を抑える節約志向が強い反面、四国八十八カ所を巡礼するお遍路さんに対して、無償で施しをする「お接待」のおもてなし文化が根付いている。

<香川県>
・今のキャッチフレーズは「うどん県 それだけじゃない香川県」。現在、香川県はうどんに続く新たな魅力の発信を進めている。今、力を入れているのはアートによる観光振興だ。2010年に初めて開催された「瀬戸内国際芸術祭」は、3年ごとに開催され、第3回が2016年に開催された。高松港と直島や豊島などを会場として100日以上の期間開かれるこの現代アートの祭典は、回を重ねるごとに開催時期や会場となる島を拡大している。第3回の総来場者数は104万人と、第2回に続き100万人を超えた。第4回は2019年に開催される予定だ。

<愛媛県>
・愛媛県は四国遍路によって育まれた「お接待文化」が浸透している。「お遍路さん」は「同行二人」であり、御大師様(弘法大師空海)と一緒に旅しているとの考えから、お遍路さんをもてなすことはお御大師様をもてなすのと同じ意味を持つと考えられている。愛媛県では「えひめお接待の心観光振興条例」を制定しており、愛媛県と各地方自治体、公共団体が連携して観光客への温かな心配りなどお接待の心を打ち出すことで、観光の振興を図っている。

・全国でもトップクラスのシェアを誇る企業が各地域に存在する。世界に誇る造船や海運会社が立地する今治市。新造船での建造量では国内トップの今治造船グループと、倒産寸前の企業を数多く再建させた手腕から「再建王」と呼ばれた坪内寿夫氏が築いた新来島どっくグループが存在し、造船業界では双璧をなす。膨大な鉄鋼を消費するので鉄鋼メーカーとの価格交渉に優位性を持ち、それが中小造船所の繁栄にもつながって日本屈指の造船業の集積地となっている。ほかにも、四国中央市は、伝統的な水引工芸のほか、紙・パルプの大王製紙が大型工場を有するなど、高度な最先端分野まで網羅する全国でも有数の紙の産地で、製紙・紙加工業の製造出荷額は日本一を誇る。また、紙おむつ・生理用品のトップ企業ユニ・チャームの発祥も愛媛県だ。

<高知県>
・県民性は、男性は「いごっそう」が代名詞。強情で頑固者、坂本龍馬に代表されるように権力に屈せず反骨精神が旺盛といわれる。一方、女性は「はちきん」(男勝りの強い女性を表す土佐弁)と呼ばれる。高知県民は観光バスを見ると手を振る風習、習慣があるほど高知県外の人に対するおもてなしの心がある。年間の飲酒代は日本一。女性も一緒になって酒を飲みたいから、一カ所に食べ物を集めて「勝手に食べて」といった具合に「皿鉢料理」ができたという。また流行に敏感で新しもの好きでもあり、高知出身の板垣退助が、日本人としてかなり早期に高級ブランドのルイ・ヴィトン製品を購入したことが、購入記録や残る現物などで分かっている。良い物にはお金を惜しまない、ましてや飲食代を惜しむことは考えられないといった気風である。

<福岡県>
・福岡県には”うまかもん”がバリ(とても)多い。明太子、もつ鍋、水炊き、焼き鳥、ゴマサバなど挙げはじめるときりがない。その中でもナンバーワンは、やはり白濁の豚骨スープに極細ストレート麺の組み合わせが特徴のラーメンという人が多い。入店後に好みの麺の硬さをオーダーするが、「カタ(硬)」で注文するのが定番だ。宴会の〆はもちろんラーメンんであり、福岡市内の繁華街近くには屋台街もある。県民性はせっかちで目立ちたがり。有名な飲食店がオープンしても、ひとたび行列ができれば並びもせず、別の店を探し始める。当地のラーメンが極細麺なのは、茹で時間を短くすることで、魚市場など忙しい客に即席提供できるようにしたという説もあるほど。とにかくせっかち。一方、そうすることで回転率を高めるという点では、商売っ気の強さもうかがえる。そうした気質は、ビジネスの面では、短期間で最大の結果を得ようとする行動力につながり、革新的なビジネスを先駆けて起こす原動力になる。キューサイ、やずや、アサヒ緑健、エバーライフなど、全国に名の通る健康食品販売会社も福岡県が発祥で、いずれの本社も福岡市にある。

・福岡県は福岡・北九州・筑豊・筑後の4地域に分けられ、福岡地域、特に博多は商人の町として栄えてきた。百貨店や専門店、アウトレットモールなど多くの商業施設が立地しており、卸・小売、サービスの第三次産業が中心。北九州地域は、筑豊地域で産出される石炭を原料として稼働した八幡製鐵所(現・新日鐵住金)に代表される製鉄のほか、化学、窯業などの重厚長大型の素材産業が支えてきた。安川電機(北九州市)や三井ハイテック(北九州市)といった電機の著名上場企業も輩出している。現在は自動車産業が勢力を拡大しており、筑豊地域にも部品メーカーの進出が相次いでいる。筑後地域は、ブリヂストン(東京都)発祥の地であり、ゴム産業(タイヤ、靴)や家具工業が立地している。九州各地を結ぶ高速道路・鉄道が交差する交通の要衝でもあるため、卸・小売業の配送拠点や倉庫が立地するなど、運輸業も盛んなエリアだ。海外との関係では、とりわけ韓国との交流が深い。博多港と釜山港を約3時間で結ぶ高速船が運行されているほか、福岡空港発着の航空路線は格安航空会社(LCC)も含めて充実しており、九州への訪日外国人客は45%(2017年)を韓国人客が占める。福岡県の経済は、辛子明太子のふくや(福岡市)抜きに語ることはできない。

<佐賀県>
・佐賀県は1923年以降の約90年間で震度1以上の地震発生回数が全国一少ない県である。南海トラフ巨大地震でも政府の被害想定では津波被害はゼロ。また佐賀県は台風の主要な経路にもなっておらず、風水害の被害も少ないのが特徴で、企業のリスク対策上、佐賀は非常に魅力的な場所となっている。九州の高速道路の交差点である鳥栖ジャンクションがあり、九州のほぼ全域及び中国地方が3時間圏内で、九州内の福岡、長崎、熊本といった主要都市なら1時間以内となる。鉄道では佐賀-博多駅間が特急でわずか35分であり、福岡と佐賀はいわば東京と千葉、あるいは横浜のような位置関係にある。

・唐津市では化粧品産業の集積プロジェクトが始まっている。「唐津コスメティック構想」と呼ばれ、コスメの本場フランスと連携し、化粧品原料の開発による農林水産業の活性化やグローバル展開支援などの推進を目指している。

・なぜ羊羹なのか?実は佐賀県には昔、「シュガーロード(砂糖の道)」と呼ばれる道が通っていた。江戸時代、砂糖は外国から船で運ばれてくる貴重品だったのだ。まず長崎の出島に持ち込まれ、そこから全国へと運ばれた。そのルートが長崎街道という道だった。出島に近い佐賀県は、貴重な砂糖が手に入りやすい環境にあった。このため佐賀県には、外国から伝わった菓子の作り方を書いた古文書が残されていたり、九州で初めて機械によるアイスクリームの大量生産を始めた会社があったりするなど、さまざまな菓子文化が花開いた。

<長崎県>
・長崎県はアジア各国と海路で非常に近いという立地条件にある。1550年、長崎・平戸にポルトガルよりフランシスコ・ザビエルがカトリック布教のため上陸。その後も平戸から島原・口之津港へと港が広がりを見せて、唐船(中国船)や南蛮船の来航により、オランダやポルトガル、中国との交易の玄関口となった。長崎は「ちゃんぽん県」とも呼ばれるが、海外との交易の中心地であったことから、文化の融合が図られた。江戸時代の鎖国下においても、長崎は出島から諸外国の文化に触れる機会が多く、進取の精神を育んできたという県民性がある。食も同様で、出島に商館を構えていたオランダや古くから交易のある中国の食に、和食が加わって融合することで、食の和華蘭(日本、中国、和蘭の文化の融合)料理、現在の卓袱料理にもつながった。まさに「異なるものを混ぜること」の語源を持つ”ちゃんぽん”は、長崎県の歴史を表す言葉といえる。こうした県民性を象徴する企業として、「長崎ちゃんぽん」を開業して現在全国区となったリンガーハット(長崎市)や、カメラ販売から始まり、ラジオによる通販、テレビ、ネットによる販売と、通信インフラの進化に合わせて勢力を拡大してきたジャパネットたかた(佐世保市)などが挙げられる。

・長崎県は日本初のものが多い。諸説あるが、鉄製の橋、ボーリング、ビリヤードなど、海外からの文化は長崎の出島を通して、日本に伝わった歴史があるためといわれている。企業についても同様で、日本で最初の株式会社は坂本龍馬が作った亀山社中であるとされる。

<熊本県>
・熊本県を一言で表現すると「くまモン県」といえるだろうか。2011年のゆるキャラグランプリ第1位を獲得して以降、熊本県営業部長として全国区の活躍をしているのは多くの人に知られている。他県の人が熊本県を訪れた際に一番驚くのは、街中にあふれるくまモンともいわれる。土産品はもちろんだが、食品、雑貨などありとあらゆるものにくまモンがあしらわれている。これまでの熊本県は優れた農産物や名産品があったにも関わらず、対外的なアピールが得意ではなかった。しかし、くまモンをパッケージに使うことで熊本県産であることを明確化できるようになり、PR下手といわれた県内の企業の様子が変化してきた。また中国などではくまモン人気がとても高いため、これまで積極的でなかった海外進出を試みる企業も増えている。

<大分県>
・県南部の佐伯市を中心とする県南地区ではリアス式海岸を利用した造船業と魚の養殖業が盛んである。佐伯市は宮崎県延岡市と隣接しており、豊富な海の幸を活用した食の文化圏構想を模索している。佐伯・延岡間の東九州自動車道が開通したことを契機に、延岡市との関係が深まっている。一方、県の中心である大分市は県内の市で唯一、人口増加を続けている。主要な産業としては、新日鐵住金大分工場を主体に、鉄鋼、化学、石油等の基礎素材産業の大手企業が進出する工業都市である。

・主な企業は、ファミリーレストランチェーンを全国展開するジョイフル(大分市)。同社のドリンク割引券はほとんどの大分県民の財布に入っているといわれる。このほか、全国的な焼酎ブランド「いいちこ」で知られる三和酒類(宇佐市)、ダイハツ車の全車種を生産し、同社の主力生産工場を有するダイハツ九州(中津市)、大型リゾートホテルの杉の井ホテル(別府市)、日田市の天然水を全国ブランドにした日田天領水などがある。また、地図業界トップのゼンリンの現在の本社は北九州市だが、発祥は別府市である。別府を訪れる観光客向けの小冊子地図を発行したのがはじまりだ。大分空港が位置する国東市には、国内大手メーカーのキヤノン・グループの代表的な生産拠点の一つである大分キヤノンが本社を置く。別府市、由布市(由布院)は全国的にも著名な温泉地であり、観光業が盛んだ。最近では、別府市に「大江戸温泉物語グループ」が進出したほか、「星野リゾート」や「ANAインターコンチネンタル」が進出計画を発表するなど大手資本の注目を浴びている。

<宮崎県>
・県の産業の中で、畜産業は全国的に群を抜いている。人口10万人当たりの食肉用牛畜産農家数と豚畜産農家数が日本一の畜産県である。なかでも鹿児島県に接する都城市は、牛豚鶏の産出額が市町村単位で日本一となっている。

・畜産に加えて県を代表する産品は焼酎だ。帝国データバンク「2016年焼酎メーカー売上高ランキング」で5年連続の日本一となった霧島酒造(都城市)が代表格で、主力の芋焼酎「黒霧島」は黒麹ブームの火付け役として知られる。同社の活躍で、2016酒造年度の宮崎県の本格焼酎出荷量は3年連続の日本一となり、全国シェアは3割を超えた。他業種の最近の出世頭は、西日本を中心にコインランドリーをチェーン展開するWASHハウス(宮崎市)だ。従来のコインランドリーにありがちだった「暗い」「汚い」「怖い」というイメージを払拭。店舗カメラと遠隔操作で機械トラブルに対応するビジネスモデルや本部スタッフによる機械保守の徹底、外光が差し込む明るい店作りなどで安心安全なコインランドリーチェーンを拡大している。2016年に東証マザーズへ株式上場し、コインランドリーのイメージを一新する店舗づくりで急成長している。

<鹿児島県>
・県民性は「てげてげ」(適当の意)という方言に象徴されるように何事に対してもゆっくりしている。経営者気質としては、いい意味で緩く、おおらかなところがある。また、宣伝下手な点も特徴だ。鹿児島県は後発ながらも静岡県に次ぐ全国2位の茶の産地だが、なかなか認識されないなど、ブランディングの弱さがある。豊富な経済・観光資源があるのに、十分アピールできておらず、「損して得取れ」の発想が弱く、実にもったいない面がある。

<沖縄県>
・沖縄県は琉球王国時代に中継貿易で栄え、主な取引先としては明、朝鮮、日本そして東南アジアだった。現在の県の主要産業は観光業となっている。過去3年間の沖縄県の入域観光客数の推移を見ると2015年度793万人、16年度876万人、17年度957万人と順調に推移している。特に最近では海外からの観光客が増加傾向にあり、17年度の入域観光客数957万人のうち、外国からの観光客は269万人と前年度比26.4%増加している。これは沖縄発着航空路線の新規就航、またクルーズ船の寄港回数増加などが影響している。

・沖縄県の県民性を表現するのに象徴的なのが「いちゃりばちょーでー」という言葉だ。一度会ったら皆兄弟という意味だが、皆で助け合うという意味があり、相互扶助の精神が宿っている。昔はサトウキビの収穫作業においても自分の畑だけではなく、仲間の畑も手伝うのが当たり前であり、互いに助け合うという風土が培われたのだろう。現在はこの精神が観光客に対して生きており、居酒屋などで意気投合するのはこの精神の表れと推測される。沖縄県を代表する企業の一つがオリオンビール(浦添市)だ。設立当初は人口80面人の沖縄で装置産業であるビール製造業が成り立つのか危惧する声があったといわれている。それでも創業者である具志堅宗精氏の強い信念と意思によって1957年に設立された。現在、沖縄県内ではシェアナンバーワンを誇るほか、最近では海外への輸出も増加している。

良かった本まとめ(2018年上半期)

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