おぢのニセコ山暮らし

山暮らしと世間のあれこれを書き綴ります

どうする里山の維持管理

2006年08月14日 | Weblog

世の中には、「木は一本たりとも切らないのが正しい」と勘違いしておる「自然保護原理主義者」がいる。
その一方、世界のあちこちでは、生活のためと称して「焼畑農業」で貴重な木材資源が野放図に失われたり、ロシアなどでも皆伐が行われたりと、どっちも極端なことになっておる。
世の中、なかなかうまいこといかんようになっておるのぉ。

そのうちなくなってしまうと言われる原油と違って、薪は数少ない再生可能エネルギーだ。
木を切って、使って、植えて、育てて、ってことを繰り返せば、人類はいつまでもその恩恵にあずかれる、まことに結構なのが木であり木材なのだ。

これまで、身近な里山は、薪を取ったり、間伐をしたりと人手が入ることで独特の生態系を保ってきた。
間伐材は、かつて割りばしとして、無駄なく活用された。
「自然保護原理主義者」は「マイお箸」を持っておったがね。

これも今では中国からの輸入となったことで、木を育てるために必要不可欠な間伐が行われなくなり森は荒れ放題。
確かに自然に近い状態かも知らんが、木は育たず、笹が生い茂りどもこもならんことになっておる。

里山などで行われる「炭焼き」では、製造途中で「木酢液」がつくられる。
この木酢液には、殺菌作用があり、森の中は自然に殺菌されていた。
この炭焼きも、備長炭などという高級炭を除いて、いまや風前のともしび。
中国から輸入される低コストの炭に負けておる。
ホームセンターで売られておるバーベキュー用の炭はほとんどこれじゃ。

生態系維持に重要な位置を占めている里山の間伐や管理をどうするかは緊急課題じゃ。
環境省は、身近な「里地里山」を維持する活動をしている市民団体などをデータベース化して公開する事業に乗り出すそうだ。

これは、全国の約1000地域で市民団体などが里地里山を維持するための活動をしていて、こうした活動の場所や内容、連絡先などを一括して検索できるホームページを整備するのだそうだ。
定年を迎えつつある「団塊の世代」のボランティア活動の受け皿としても同省は期待してるそうだ。

役所もたまには良いことを考える。