グローバルネイチャークラブのガイド日記

グローバルネイチャークラブ(旧グローバルスポーツクラブ)のガイド仲間が観察した伊豆大島の自然の情報を中心にお届けします。

こいつぁー 春から・・・

2010年01月15日 | 植物
 新年も半月になりますが、いつまでもおめでたい気分で行きたいものです(笑)。15日は、今でも小正月を祝う地方もあります。それで今日は、おめでた系についてです。

 関東周辺では、鏡開きの後にお正月飾りや書き初めしたものなどを神社や海岸で焚いてその火で、お団子を焼く「どんどやき」や「さぎちょう」などと呼ばれる行事がありますが、大島や伊豆諸島ではないのでしょうか? ご存知の方がいらしたら、お教え下さい。

 ないとしたら、お役目を終えた門松や酉の市の熊手、ダルマさんなどは、どのようにされているのでしょうか? 縁起物は処分に困らないですか?

  

 上の写真は、アカネ科のアリドオシです。「一両」とも呼ばれ、縁起がいい植物としてお正月の床の間に鉢植えなどにして飾られます。漢字では、蟻通・虎刺。大島では愛宕山など極相林の林床にたくさん自生しているヒザの高さほどの常緑低木です。茎の針が虫のアリをさし通すほど細くて鋭いことから名付けられています。赤い実が残っていないかと、探したのですが鳥に食べられたのか見つかったのは、こんなふうに赤くない実だけでした。




 2枚目の写真は、「十両」とも呼ばれる、ヤブコウジです。やはり、縁起物として珍重されて鉢植えや庭木の下草として植えられたり、最近はコケ玉に植えて楽しまれているのを見かけました。大島では、2次林の林床などに多い常緑樹です。5~6ミリの真っ赤な実がかわいいです。





  ≪ここに「百両」の写真が入る!≫ はずだった。(汗)





 本州の中部以西に自生している「百両」とも呼ばれるカラタチバナ。十両と同じヤブコウジ科ですが、唐(から:中国)が原産のタチバナの意味と書いた図鑑もあります。翌年の花期まで美しい赤い実が枝についているそうです。観賞用に庭木や鉢植えにされ、園芸品種は多いそうですが、今回出会えず写真なしで、スミマセン。




 上は「千両」、センリョウ科のセンリョウです。大島では、切り枝として出荷するために栽培されています。垣根や屋根を竹のすだれのようにした半日陰の施設を造って、大島の水はけの良い土壌が適しているそうです。
 センリョウを庭に植えていると、お正月までに小鳥たちが実を食べてしまうので、ネットをかぶせるなど対策が必要です!




 最後に「万両」、ヤブコウジ科のマンリョウです。大島に自生しているものは、背丈よりも高くなる南方系のオオバマンリョウです。直径6ミリほどの真っ赤な実は、美味しく熟すのが遅いのか、小鳥たちに食べられずにいつまでも木に残っていて、人の目を楽しませてくれます。
 
 「千両、万両、有り通し」などと言って、いつもお金があるように、お金に困らないように縁起を担いで大切にされてきた植物たちです。
 
 クリスマスのヒイラギと一緒で、瑞々しい緑の葉と赤い実の取り合わせが良いのでしょうね。   (なるせ)

コメント
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