グローバルネイチャークラブのガイド日記

グローバルネイチャークラブ(旧グローバルスポーツクラブ)のガイド仲間が観察した伊豆大島の自然の情報を中心にお届けします。

真冬の磯は・・・

2010年01月19日 | 海の生物
 今日は、日中気温がぐんぐん上がり、3月並のぽかぽか陽気になりました。明日までは暖かいそうですが、明後日からはまた真冬に戻るみたいです…

 そんな寒い日は磯に行ってみよう!(なんでやねん!)

というか、たまたま鳥を見に行ったら潮がよく引いていたので久しぶりに磯に降りてみただけなのですが。(こーゆーパターンばっかりだな~(^▽^;))

イワガニやホンヤドカリなどをいじりながらなんか珍奇な生き物はおらんかのう、と歩いていると、干出している岩の上に3,4cmのぺったりしたものが何匹もくっついています。(上の写真)

この生き物はイソアワモチ。漢字で書くと磯粟餅。うーん、確かにツブツブしていて粟粒の乗ったモチみたいです。緑だけど。(カビてんぢゃねーか(^▽^;))

 彼らは房総半島以南の潮間帯の潮上帯付近の岩礁上にすみ、どうも満潮になると水没しているらしい。イソアワモチは変わった生き物で、お尻のあたりに空気をためておける腔があり、酸素ボンベのように使っているらしい。そこまでするなら陸に住めばいいのに…ともちょっと思ってしまいますが、彼らにもなんかの事情があるのでしょう。
 


さらに変わっている点としては、「背中じゅうに眼がある。」こと。
なぜだかよくわからないがカタツムリの目みたいに飛び出ているのも眼で、これは「柄眼」と呼ばれているのですが、背中にある黒いツブツブが全部「背眼」と言われる眼なのだそうです。これらの眼で一斉に見つめられているのかと思うと…とても微妙な気分になりますね。



 そんなイソアワモチさんはかつてウミウシの一種とされてきましたが、最近ではちょっと離れた親戚の後鰓亜綱中の収眼目に入れられています。どちらかというとカタツムリに近い仲間とされているそうです。

 ちなみに近いご親戚の方々には「ドロアワモチ」や「センベイアワモチ」などと美味しそうなのかそうでないのかこれまた微妙なお名前の皆様がいらっしゃいます。 

この辺りではこれを食べるという話は聞きませんが、沖縄の方ではイソアワモチを食べる地域があるそうです。

しばらく磯で生き物を探索したあと、帰り道にまだ10cmくらいのアメフラシを見つけました。どでかいアメフラシは春の風物詩ですが、こんな時期からもうアメフラシの子供は出始めているんですね。



 ちなみにこのアメフラシは立派なウミウシの仲間です。

(あまの)
コメント
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