グローバルネイチャークラブのガイド日記

グローバルネイチャークラブ(旧グローバルスポーツクラブ)のガイド仲間が観察した伊豆大島の自然の情報を中心にお届けします。

ポテトチップス?!

2010年12月17日 | 植物
 今朝は、とっても寒くなりました。なかなか布団から抜け出せません。遅刻です(汗)

 寒い冬を生き物たちは、いろいろな方法で過ごしています。
見出しの写真↑は、ポテトチップスに化けて冬を乗り切ろうとしている植物?!

 じゃが芋ではありません。

 次のこちら↓は、やはり仲間の揚げ過ぎて焦げたポテトチップス。



 こちら↑は、2つとも中程がふくらんでいるようで、お分かりの方もいらっしゃるかも。

夏の大島を美しく飾るユリの花、こちら↑はサクユリ(ヤマユリ)のタネです。

 そして、見出しのチップスの方は、タカサゴユリのタネです。

 ユリと言えばもう1種。スカシユリのタネはこんな感じ↓です。



 こちら↑になると、ちょっと厚みがあるので、干し芋って感じでしょうか。

 とは言っても、このタネたちは、小さいのです。

 何となくアルファベットの「D」の文字に似ていますね?
「D」に見えることにして下さい。(笑)

 「D」の直線に当たる部分の長さが、スカシユリでは6~7ミリ。
タカサゴユリは、8ミリくらい。サクユリは1センチ程です。

 大きさを比べてみると、こんな↓感じ。




         ①           ②


         ③           ④



 ②サクユリ、③スカシユリ、④タカサゴユリ、です。





 ↑左から、スカシユリ、タカサゴユリ、サクユリのタネが入っていたサク果(さや)です。
ドライフラワーのようにしたり、リースにして飾ったり、楽しめます。

 ユリの仲間は、タネだけで越冬するわけではなく、ユリ根と呼ばれる球根でじっとして過ごします。


 で、①は?



 やはり、かなり焦げた感じの色ですね。この季節の保護色なのでしょうね。

 よく似ていますけど、ユリの仲間ではありません。


 正解は、こちら↓


 こんなふうに、ひとつの鞘(さや)に3つのタネが入っています。
翼(よく)が広いから遠くまで飛んで行くのでしょう。ヤマノイモのタネです。

 ちなみに、③スカシユリは、別名イソユリと呼ぶように、海岸近くに多く自生しています。
そのためか、この中では最もタネ(翼を含む)が重く出来ています。きっと、軽いものは海へ飛ばされてしまい、あまり遠くへ飛ばなかった重い遺伝子が残ったのではないでしょうか?

 ヤマノイモは、自然薯(じねんじょ)や山芋(やまいも)と呼びますね。
野外でのタネは、こんな↓感じです。



 山芋は、その名のとおり根が芋になって地中深く伸びています。先日の日記『ちょっと昔の話』(byしま)の冒頭の写真は、みごとな山芋が並んでいました!

 ユリ科の仲間のオニユリには丸くて黒光りする「むかご」が付きますが、山芋のムカゴも丸っこいものの、形も大きさも様々です。ムカゴは珠芽(しゅが)とも呼ばれる無性芽の一種です。厳密には、ヤマノイモのムカゴは、茎が肥大化して球状になった「肉芽」、オニユリのムカゴの「鱗芽」とは区別されているそうです。



 大きなものは、長径2センチ以上あります。ムカゴは、親の完全コピーなのですね。
転がったり、ネズミに運ばれたりはするのでしょうけど、タネほど遠くへは旅をしないで、親元にいる感じです。生き方は様々でいいのですね。

 冬を迎えて、植物もいろいろな工夫をしています・・・


 (なるせ)


今夜のBGM♪
『ザ ロード トゥ ユー』
パット・メセニー・グループを
久々に聞いてみました。

 

 
コメント
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