グローバルネイチャークラブのガイド日記

グローバルネイチャークラブ(旧グローバルスポーツクラブ)のガイド仲間が観察した伊豆大島の自然の情報を中心にお届けします。

シダが繁る

2010年12月31日 | 植物
 時々うかがうことのあるご近所のお宅に、丸く大きく葉を広げたシダ植物があります。

 寒いこの季節にもツヤツヤした緑の葉を広げています。

 オオタニワタリ(大谷渡)という名前だそうです。



 30~40年前に八丈島で頂いてきたものだそうです。

メジャーで計測すると、直径2メートル40センチ程と大きい!!

 1枚の葉の幅は↓、



 約13センチあります。

 伊豆諸島南部、紀伊半島、四国の一部、九州南部などに分布しているとのこと。
八丈島などでは、山地の樹上や岩上に着生するそうです。

 昔、八丈島では、この葉っぱを黒酒麹(こうじ)を発酵させる時、上にかぶせて利用したことから「麹しば」と呼んでいました。

 株の中心部分には、落ち葉がたまっていましたが、どけてみると↓、



 次の新芽が準備されているようです。

 このお宅では、お庭の地面に植栽されています。大島には、かなりの数が移入されているのではないでしょうか? 泉津地区の椿並木の土手にも植えられていますし、植物好きな方のお庭で、よく見かけます。八丈島では、自生地で園芸採取(盗掘)で激減したようです。


 今まで増えたことはなかったそうですが、この数年で子株が増えたそうです↓。



 左側に親株↑があり、右側の石垣の中程に子株↑が出ていますが、分かりますでしょうか? 
                     

 自然の実生:みしょう(シダ植物の場合、何と呼ぶの? 胞子生?!)で、子株が増えていることについて、こちらのご主人は、「一昔前、12月中旬と言えば霜が降りて、霜柱が立つこともあった。今は暖かくなったからなあ・・・」



子株でも直径70センチ程あります!

 この他にも直径30センチくらいのもの↓など、



 この石垣には、大小20個体ほどの子株がありました。

 小さいものは、直径10センチくらいで、ちょっと見ではシダと分かりません。



 オオタニワタリの繁殖が、温暖化の影響なのか? それとも他の要因なのか分かりません。


 それとは別にしても、この12月の暖かさは・・・?!

 今年を漢字一文字で表して「 暑 」でした。この夏、熱中症で亡くなられた方が、一説では500人程とか。

 
 地球温暖化の勢いは予想以上かも?!


 2010年もGSC陸ガイドをご利用頂きまして、有難うございました。
そして、このスタッフ日記をご覧頂き、また、いろいろな情報をお寄せ頂きまして感謝しております。
 
 来年もどうぞ宜しくお付き合い下さい。

(なるせ)


♪今夜のBGM♪
映画『時計じかけのオレンジ』サントラ盤
S・キューブリック監督の1971年作品
年末恒例のベートーヴェン第9番、
映画の公開当時、新鮮に感じました。
日本での公開は何年頃でしたか?
コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする