グローバルネイチャークラブのガイド日記

グローバルネイチャークラブ(旧グローバルスポーツクラブ)のガイド仲間が観察した伊豆大島の自然の情報を中心にお届けします。

今日の山歩き

2011年04月26日 | 今日の大島
今日は、雑誌“エココロ”のスタッフの方たち3名と一緒に、温泉ホテル~裏砂漠~樹海を歩きました。

歩けば歩いただけ春を楽しめる、散歩には快適な季節です。

この時期の楽しみ、シロダモの若葉のフワフワの手触りを楽しんだり


足元の小さなヒメハギの花をのぞき込んだり


頭上のカエデの葉を見上げたり…と、あちこち寄り道しながらゆっくり歩きました。
葉を広げ始めたイタヤカエデの、この複雑な色使いをご覧ください。

葉が何重にも重なっている部分は黒、重なりが少ない部分は空の光が透けて、
薄い緑やオレンジに見えます。
日本画の画家がこの景色を見たら、さぞかし絵心を刺激されることでしょう(^。^)

溶岩の下の、頼りなげなハチジョウイタドリの芽生えについて話しながら歩いていたら、
なぜか突然足元に、緑色の小さな芽生えがたくさん見つかりました!

まるで、話しの内容に合わせて突然現れたかのような、絶妙なタイミングでした(^^)v

裏砂漠では、みんなで黒い大地の上に大の字になって、空を見上げました。
頭を動かすたびに下のスコリアがジャリジャリと軽快な音を立て、とっても心地良いです(^^)v

360度見渡しても、私達だけしかいない広い空間。
これぞ大島の山歩きの醍醐味ですよね~(^^)v

帰り道、不思議な光景に出会いました。
なんと、蟻がハチジョウイタドリのタネを重そうに持ち上げて、運んでいたのです。

「???」

蟻がエライオソームのついたタネを運ぶことは先週の日記で紹介したばかりですが、
ハチジョウイタドリのタネには何もついていないはず…。

イタドリのタネには立派な3枚の翼があって、風にのって遠くに飛んでいけるので、
蟻に運んでもらう必要などなさそうですし…。

「この蟻、どうするんだろう?」
少し後を追ってみたら、結局蟻はこのタネを捨ててしまいました。

最後までは見届けられませんでしたが、餌となるものが少ない溶岩流の上に生きる蟻は
イタドリのタネをかじってみたりするのでしょうか?

もしそんなふうに食べ物の好みを変えることができたら、蟻は1年中食べ物に
困らないはずです。

「そんなバカな。」と思いつつも「そんなこともあるかもしれない。」と言う気もして、
またまた「?」が増えちゃいました(笑)

樹海の薄暗い森の中では、オオバヤシャブシの幹からたくさんの若葉が生えていました!

オオバヤシャブシは荒れ地にいち早く入り込み、グングン成長する強い木だけれど、
光の少ない環境では生きるのが苦手で、次の世代は育ちにくいはず…なのですが…
私の常識をくつがえす元気ぶりにビックリしました!

全てのものに例外があって、教科書通りにはいかないところが面白いです。
こういう小さな発見があるところがフィールドを歩く醍醐味ですよね!

さて、明日はどこを歩こうかな~(^^)v

(カナ)
コメント
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