CNNニュースの翻訳。日本政府の楽観的な見方に驚くと同時に、対策がすべて無益でそれずら後手に回っている。海外の深刻さは明日の日本であるという見込みの下に、厳しい対策が求められている。
そしてもちろん、政府当局(おそらく厚労省の医系技官)の、検査を「資源の浪費」とする見方ではなく、新型コロナウィルスを制圧する正当な手段として認識することが必要だ。
なお、浜松の感染者第一号と接触したと思われる渡辺さんが、CNNのインタビューに答える動画がある。CNNのサイトで見られる(下記をクリック)。
以下、訳文。
There are fears a coronavirus crisis looms in Tokyo. Is it too late to change course?
東京ではコロナウイルスの危機が迫っている、今から進路を変えるのは遅いのか?
日々、東京に悪いニュースがもたさられている。
東京都によると、コロナウイルスの新規感染者数はこの1週間で2倍に増加しており、3月末の約40人から木曜日には97人、金曜日には89人となっている。
現在の傾向が続けば、見通しは暗いと神戸大学の感染制御の専門家である岩田健太郎は、日本はウイルスの拡散を食い止めるのに十分な努力をしていないと繰り返し警告してきた。
「日本は間違った道を歩んでいると自覚した時、変わる勇気を持つ必要がある」と岩田は語った。「次のニューヨークが東京で見られるかもしれない」
ニューヨークはアメリカのコロナウイルス発生の震源地と考えられている。CNNによると、すでに症例数は5日ごとに倍増し、2900人以上が亡くなっている。
金曜日の時点で、日本では3329人の感染が確認され、74人が死亡している。
「スペイン、フランス、イタリア、ニューヨークの感染の始まりは、今の東京のようなものでした。」岩田は、より多くの検査が必要だと言う。
金曜日の時点で、東京は1350万人の都市で4000人未満を検査していた。厚生労働省によると、1億2500万人の日本では、検査を受けたのはたった3万9466人だった。
これは、周辺や世界の国々に比べればきわめて少ない。金曜日の時点で、韓国は日本よりもはるかに人口が少ないけれども、44万人以上の人々に検査を行った。
日本政府は、その検査体制は適切であり、高リスクのケースを適切に対象としていると言っている。
「新型コロナウイルスの可能性が低い人を検査するのは資源の浪費になる」と日本の厚生省は声明でCNNに語った。「症状のある人には一定期間自宅で過ごすようにお願いしている。」
コロナウイルス患者の渡辺一誠が東京の病室からCNNに語った。咳の発作の合間に呼吸をするのに苦労していた。医師は「軽症」とみており、火曜日には退院できるとみている。渡辺氏は40歳で非喫煙者、健康状態は良好。症状はすぐに現れた。体の痛み、悪寒、味覚や嗅覚がない。
彼がコロナウイルスの検査を依頼したとき、彼は断られたと言っている。渡辺によると、その間に少なくとも2人の人を感染させたという。「人々は何をすべきかわからない。良い情報が本当に不足している」と渡辺は言った。「あなたの命はあなたの手の中にあります。家にいてください。家にいてください、 外出しないでください。」
渡辺さんは65歳以上の高齢者が何千万人もいる日本人のことを心配している。自分は回復するとわかっていても、高齢化社会の日本では回復しない人が多いからだ。
感染症の専門家は、コロナウイルスが急速な高齢化社会で急速に広まれば、人命に大きな代償をもたらすと警告している。
「コロナウイルスは高齢者にとって非常に危険です」と、日本の非営利団体・医療ガバナンス研究所の上昌広理事は言う。彼は、日本のコロナウイルス患者の多くは、症状があるとしてもほとんど症状が出ていない可能性が高いと述べた。
「彼らが無症状であっても、彼らは他の人にコロナウイルスを感染させることができます "と上は警告した。
安倍晋三首相は、日本国内の状況は非常事態宣言や東京での封鎖を正当化するものではないと繰り返し述べてきた。安倍首相は、そのような措置は、コロナウイルスによる深刻な経済的影響と東京2020夏季オリンピック延期に対応した経済にさらなるダメージを与えるだろうと述べた。
国会議員たちは、家庭への現金給付を含む大規模な景気刺激策を検討している。政府は一世帯に2枚の布製マスクを配布する計画で広く嘲笑されている。
日本は新しく厳しい旅行制限を課した。アメリカ、イギリス、ヨーロッパのほとんどを含む70カ国以上からの外国人の入国を禁止している。日本はまた、空港での検疫を強化し、すべての人に14日間の自己隔離を求めている。
日本の内外で、ウイルス拡散の危険性についての政府の警告が、多くの人々に届くのが遅すぎたのではないかという懸念が高まっている。
先週は、花見にたくさんの人々が集まった。中にはマスクをしている人もいたが、多くはマスクをしていなかった。
SNSや国内外のメディアで広く共有された驚愕の映像により、週末、東京の一部の公園で前代未聞の閉鎖につながった。小池百合子東京都知事と安倍首相は、家にいて、旅行を避け、社会的距離を置くように国民に懇願している。しかし一部の人は聞いているが、多くは聞いていない。
政府のこれまでの政策は、陽性者を追跡し、疑わしきは隔離するように指示することで、集団感染を封じ込めようとしてきた。
日本政府のその対策の支持者は、握手の代わりにお辞儀をする、マスクの普及、手や口を頻繁に洗うというような文化的習慣が、他国で見られるコロナウイルスの急速な蔓延から日本を救うことができると主張してきた。
日本が守られているのは「ハグ&握手」の文化ではないからかとの質問に、岩田は「欧米に比べて感染症が少ない理由の一つかもしれない」と答えた。岩田はこの説を「有効」だが、「証明されていない」としている。岩田は、日本が衛生的な文化を実践することで東京が最悪の事態を免れることができると期待して戦略を立てるべきではないと考えている。
小池都知事と安倍首相は1350万人の都民に在宅勤務を促しているが、2019年の政府のデータによると、在宅勤務はトヨタや日産、ホンダなどの日本企業の約8割では不可能だという。
ラッシュアワーの満員の地下鉄が証明するように、多くの人がまだ首都に通勤している。また、日本の主要な百貨店やスターバックスの500店舗が一時的に閉鎖されたにもかかわらず、多くのバーやレストランは営業しており、多くの客で賑わっている。
小池都知事は金曜日、東京都がコロナウイルス患者のために確保した750床のうち628床が埋まっており、そのほとんどが軽症者であることを発表した。知事によると、無症状の患者やそれなりに元気な患者は、ホテルなどの別の宿泊施設に移す方向で交渉を進めているという。
小池都知事は改めて危機が差し迫っていることを警告し、人々に自宅で過ごすよう促した。
東京では増加曲線が平坦化しているようには見えない。どちらかといえば、状況は悪化しているように見える。