『日経ビジネス』が、「
新型コロナ対応の「優等生」は「台湾・韓国・ドイツ」 指導者の洞察力・リーダーシップが重要な要素に」という記事を載せた。
まずこの三国に共通するのは、賢明なリーダーがいたということだ。残念ながら、日本国民は史上最も凡愚のリーダーにこの日本国を任せていた。そしてこの凡愚なリーダーは、権力者であり続けるために、株価を下げないこと(その下支えのために、年金資金を流用している)に意を用い、また自分を支持してくれる人々のために、そして自分の友人たちに国家財政を出動し、カネのめぐりを維持するために貧困に陥っている日本国民にはカネを出さず、富裕国になりつつある中国人が落とすカネに目をつけ、すでに中国武漢では原因不明の病気が流行しているのに、中国人を大量に受け容れた。
しかし台湾は、武漢での感染の情報をつかむやいなや、中国本土からの入国を拒否し、COVID-19 対策の責任者を決め、徹底的な対策を練り上げた。見事な対応であった。私は、台湾のすばらしい迅速な対応に感動した。
そして韓国は、感染者が出るとすぐに広汎にPCR検査できる態勢を整備し、感染者を特定し、その感染者が他の人に感染させないように隔離し(軽症者にはそのための施設を、これまた迅速に提供した)、感染経路を明らかにすべく追跡し、さらに人々に警戒感を維持するよう情報提供を積極的に行った。
ドイツは、もちろん大量の検査をしながら、すでに感染者がたくさん出ている国々の状況を調査しつつ、その先にどういう事態になるかを予想し、先手先手で対策を講じていった。そのためにすでに充実している医療資源をCOVID-19 対応に投入し、もちろんすでに広汎な検査で成果を上げていた韓国にならい、検査を行い感染初期に感染者を特定し、軽症のうちに治療をおこなって死亡者を出さないように全力をつくした。
しかしわが国は、そうした動きを無視し続けた。PCR検査は、今まで行政改革という名で病院を減らし、医者を増やさず、保健所を減らしてきたことから、広汎な検査は能力的にできないと判断し、すでに韓国その他で簡単な検査方法が確立されていたにもかかわらず採用せず、また感染者の情報を一元的に厚労省の医系技官たちや「専門家」と称する人々が握るために、検査を一つのルートでしかできないようなシステム、それもよほど重篤になってからでないと受けられないシステムをつくりあげた。「専門家」と称する人々は、ほとんどムリだと指摘されていたのに(すでにたくさんの中国からの観光客がウィルスを持ち込んでいたのに)入国の際の検疫に力を入れ、またクラスターなどと言う横文字を使って、集団感染だけをおさえこめば他のルートは考えなくてもよいという方針の下、外国からの帰国者や感染者と接触した者だけにPCR検査を実施し、みごとに静かに国内に感染者を増やしていった。
外国のメディアのCOVID-19 関係の記事を読むと、日本の対策は批判されるだけで、ほかにはない。なんとCOVID-19 感染者数、検査数、死亡者数など
諸国を比較するグラフには日本の数字が示されていないのだ。それだけ、諸外国は日本の厚労省の能力に疑いを持ち、厚労省が公表する数字は実態を示していないと判断しているのだ。
この問題で、あの不潔なアベノマスクに見られるように、日本は嘲笑されている。日本国民が嘲笑されているのではない。日本
政府が嘲笑されているのだ。
日本の対応は、見事に失敗の見本を示した。世界が将来、このCOVID-19 対策について書くとき、日本は最悪の対応をした国として書かれることだろう。
だが、残念ながら、その失敗の責任をとる者は誰もいない。日本は下方に対しては責任を追及するが、トップの人たちが責任をとることはない。凡愚のリーダーにとって、日本ほど住みやすい国はない。
なぜそうなるか。凡愚のリーダーでよいといっている日本国民が、ほぼ半分近くいて、そのほぼ半分も凡愚であるからだ。彼らは考えない、調べない、ただ凡愚のリーダーがしていることはすべて正しいと思い、凡愚のリーダーを批判する人びとに悪罵を投げつけるのである。凡愚のリーダーは凡愚の国民の声だけに耳を傾け(泉大津市の高額でしっかりしたマスクを揶揄しはじめたのはネトウヨであった)、凡愚の国民は凡愚のリーダーだけを盲信する。
日本に賢明なリーダーは現れないのだろうか。賢明なリーダーを選ぶには、もちろん賢明な国民が必要なのである。