浜名史学

歴史や現実を鋭く見抜く眼力を養うためのブログ。読書をすすめ、時にまったくローカルな話題も入る摩訶不思議なブログ。

「民間委託」?

2019-01-28 21:35:22 | 政治
 コンセッション方式というのは、「民間委託」ではない。

 今日静岡朝日テレビの夕方のニュースを偶然見ていたら(私はテレビを見ない)、アナウンサーが水道の「民間委託」といっていた。それは間違いだ。浜松支局の記者の不勉強がここにでている。「民営化」というのが正しい。

 「民間委託」というのは、委託する側が所有権はもちろん運営権も持っていて、一部の仕事を民間企業に任せることをいう。委託する側がカネを払って一部の仕事を任せるのである。しかし浜松市がやるコンセッション方式というのは、運営権を「売却」するのである。浜松市は運営をすべて任せる、料金徴集なども運営権を持つ会社が行うのだ。運営を誰が行うのかが重要であって、「民間委託」は市であり、コンセッション方式は民間企業が行う。コンセッション方式は、すなわち「民営化」なのだ。

 浜松市は、下水道事業の運営権(2018年度から20年間)を、フランスのヴェオリア、JFEエンジニアリング、オリックス、東急建設、須山建設グループが設立した浜松ウォーターシンフォニー株式会社に25億円で売却したのである。

 オリックスという会社は、規制を緩和(撤廃)すると、必ず入りこむ企業である。関西空港もオリックスとフランス系企業が一緒になって、コンセッション方式で運営している。

 これに関して、次のような情報がある。

関西空港の台風被害対応で“文書”流出 運営会社日仏幹部が口ゲンカし、機能不全 旅客が孤立

 運営権を買った企業は、浜松ウォーターシンフォニー株式会社も複数の会社の集合体である。災害など危機的な状態が発生したとき、はたして円滑に運営できるか疑問である。
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【本】青木美希『地図から消される街』(講談社現代新書)

2019-01-28 17:33:28 | 
 「原子力 明るい未来のエネルギー」という標語があった。しかしもうそれは虚偽であったことが暴露された。原子力は「明るい未来」をつくるどころか、「未来」をつぶしてしまった。「原子力 未来をつぶすエネルギー」か。

 2011年からもう8年。原発事故の話題は少なくなった。少なくなったからといって、事故に伴う問題がなくなったわけではない。

 私たちも、この事故の顛末を追い続けなければならないーこの本を読んで、そう思った。

 理不尽なことがいっぱい起きている。最後の第六章は、事故により家庭が破壊された話だ。事故がなければ幸せなふつうの日常が続いていたはずだった。しかし、放射能が襲いかかった。家族の分裂。放射線被ばくを軽く考える者と、できうる限り放射線被ばくを避けたいと考える者。考え方の違いが地域だけではなく、家族や親族の中に生まれ、分裂を生み出す。何ということだ。この原因は、原発政策を推進してきた政府と、事故を起こした東電にあるのに、もちろん彼らは知らん顔だ。責任の一片も感じない。

 家族がばらばらになったり、自殺したり・・・多くの悲劇が生まれている。そうした現実が映し出される。

 第五章は、避難者の子どもに対するいじめの問題だ。学校や教育委員会の無責任な対応。だいたい教育界で教育委員会の指導主事になったり管理職になったりする者のほとんどは、無責任でいい加減で、ゴマすりだけが得意という輩である。そういう輩に、いじめにあった子どもの側に立って何とかしようという気持ちがおきるわけがない。東京千代田区の事例が記されているが、しかしこうした学校や教育委員会の対応は、普遍的である。この事例では、母親が毅然とした姿勢で学校に対処している。こうでなくてはならない。事なかれ主義の人々には、毅然としなければならない。

 いずれにしても、政府、東電は、事故を「なかったことにしたい」と画策し続けているようだ。除染も、一応やったというアリバイ作りのように見える。

 どの場合でもそうだが、こんな除染なんかせずに、それにかかった金を被災者にあげる、そして放射線被ばくのないところに移住させた方がよほど使いみちとしてよかったのではないか。

 政府、自治体は、私企業にはカネをばらまくが、家族や個人にはカネを与えようとはしない。それで真の解決が遠のき、私企業だけが肥え太る。そういう現実も、本書には記されている。

 読むべきだ。福島に関心を抱き続けるべきだ、本書はそれを訴えている。

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Japan Timesの変節

2019-01-27 19:20:25 | その他
Japan Timesが変節した。櫻井よしこらとつながる人間=水野博泰が取締役編集主幹となって、同紙の表記をアベ自民党や日本会議が喜ぶようなものに変えたのだそうだ。

焦点:「慰安婦」など表記変更 ジャパンタイムズで何が起きたか
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浜松市政

2019-01-27 08:49:04 | その他

 浜松市長は、鈴木康友という。松下政経塾出身の、もと民主党議員である。鈴木がなぜ民主党で立候補したのか。それは選挙区にすでに自民党議員がいて、自民党から立候補できなかったからだ。彼にはこうしたいという政治的信条があるわけではない。彼の目的は国会議員になることであった。

 その鈴木康友が何故に浜松市長になったのか。

 言うまでもなく浜松市にはスズキの本社がある。そのトップは鈴木修である。市内にはスズキの工場はじめ関連企業がたくさんある。その関係者を束ねて、鈴木修は票を大量に動かすことが出来る。そうした力を背景に、鈴木修は浜松市政を支配してきた。

 鈴木康友の前の市長は、北脇保之であった。北脇も鈴木修が担ぎ上げた。しかし、北脇は鈴木修とその「家臣」たちが、あまりに市政に干渉してくるので、鈴木修と縁を切った。すると、鈴木修は市長選で、自分の言うことを聞く鈴木康友を対抗馬に立て当選させた。かくして、浜松市政は、鈴木修の完全なる傀儡政権となった。

 鈴木康友は、菅義偉官房長官と仲がよく、選挙の度に彼が応援に入る。だから、このような発言をする。

 2018年9月5日の、日本会議(あの日本会議である!)浜松支部の総会で、鈴木康友はこう語った。

「20日には自民党総裁選挙が予定されているが、私は安倍政権の熱烈な支持者であり、是非安倍総理に再選を果たしていただきたい。安倍総理と菅官房長官は歴史に残る名コンビだ。規制緩和を進め、観光大国を目指し、農業改革、電力改革を進めて貰いたい。」

 すでに鈴木康友は安倍自民党の仲間である。

 ちなみに日本会議浜松支部の支部長は、御室健一郎(浜松いわた信用金庫のトップ、もと浜松商工会議所会頭)である。

 鈴木康友は、鈴木修に言われて浜松市の行政区再編を声高に叫び、菅に言われて浜松市の上下水道を民間企業に売却しようとしている。4月に行われる市長選挙は、この二つが大きな争点になる。

 とりわけ水道の民営化には反対の声があがっていることから、鈴木康友は水道民営化を延期すると言いはじめた。市長選には明確に水道民営化反対を訴える新人候補がでたために、争点外しを狙っているのである。しかし、それはほとんど虚偽である。当選するための「ウソも方便」という代物である。

 『中日新聞』記事。1月27日付。

浜松市の上水道民間委託 導入議論を当面延期へ

 浜松市は、導入を検討してきた水道事業へのコンセッション(運営委託)方式の議論を、期限を定めず当面延期する方針を固めた。二〇一八年度とした導入可否の結論を既に先送りしているが、市民の反対や懸念の声を受けて調整を始めた。鈴木康友市長は二十六日、本紙の取材に「冷静に議論できる状況ではない」と述べ、近く正式に表明する考えを示した。

 市は昨年四月、全国の自治体で初めて下水道事業でコンセッション方式を導入した。上水道については、水質悪化や料金高騰など複数の懸念が指摘され、市民団体が反対の署名運動や集会を行っている。市議会でも共産党市議団が民間企業の論理が事業にそぐわないと反対し、最大会派自民党浜松からも慎重な声が上がる。市長選(四月七日投開票)に出馬表明した自民会派の新人、山本遼太郎市議は「断固反対」と訴える。

 鈴木市長は、昨年十一月の四選出馬の会見で「民営化と誤解され、市民の理解も進んでいない」と述べ、一八年度とした結論の見送りを表明。市長選と同時実施の市議選後、市議会特別委員会での議論に期待する考えを示していた。

 その後も反対や懸念の声は根強く、議論の当面延期を打ち出すことにしたとみられる。市長選への影響を最小限にとどめたいのでは、との見方もある。

 鈴木市長は取材に「コンセッションは有効な手法の一つだが、冷静に議論できる状況ではない」と述べた上で、「他県では空港や道路で導入されている。それらの実績が出て、一つのPFI(民間資金活用による社会資本整備)の手法として議論できるようになれば」との見通しを示した。

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大坂なおみさんの発言

2019-01-27 08:28:55 | メディア
 大坂なおみ選手の二度目の優勝はうれしいニュースである。スポーツ選手にあまりよい感じを持たない私でも、大坂さんには好感を持つ。

 昨日は多くの人が試合を観戦していたのだろうが、テレビのないわが家は残念ながら見ていない。大坂選手のインタビューなんか見たかったと思う。

 さて大坂選手については、日清ホワイトウォッシュの問題が起きている。日本メディアは、大坂選手がそれについては「気にしていない」と報じたことについて、それは間違いであるという指摘がなされている。

大坂なおみが日清ホワイトウォッシュ問題を「気にしてない」「なぜ騒ぐ?」は誤報道!別の質問への回答を歪曲・誤訳

追記

 『朝日新聞』が誤訳を訂正。しかし、何らかの意図がなければこんな誤訳あり得ないと思うのだが・・・

▼25日付スポーツ面「日清広告、『関心無い』」の記事で、大坂なおみ選手の発言内容が「なぜ多くの人が騒いでいるのか分からない。この件についてはあまり関心が無いし、悪く言いたくない」とあるのは、「騒ぐ人たちのことも理解はできる。この件についてはあまり気にしてこなかった。答えるのはきちんと調べてからにしたい」の誤りでした。大坂選手の英語での会見内容を、誤って訳しました。
 
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『朝日新聞』がこんな報道をしていた

2019-01-26 09:19:12 | メディア
 2020東京オリンピックについて、おそらくAP通信の配信だろうが、Asahi が掲載していた。

OLYMPICS/ French probe raises questions about Dentsu role

 フランスの調査は電通の役割についての疑問を提起している。
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懐柔されるメディア

2019-01-26 09:09:42 | メディア
 メディア関係者、安倍と懇談し食事も一緒に。『朝日新聞』の首相動静。

【午後】2時11分、北村内閣情報官。3時4分、新聞・通信各社の論説委員らと懇談。34分、在京民放各社の解説委員らと懇談。56分、内閣記者会加盟報道各社のキャップと懇談。
7時10分、フランスのマクロン大統領と電話協議。42分、東京・赤坂の中国料理店「赤坂飯店」。内閣記者会加盟報道各社のキャップと食事。9時45分、東京・富ケ谷の自宅。


 メディアが自立性を持たず、政権に寄り添う理由の一つである。メディアの政治に関する記事は、疑って読まなければならない。

 日本は、独裁政権下にある!
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NHKという会社

2019-01-26 08:46:54 | メディア
 もうほんとうにわからない。なぜ安倍晋三という首相としての能力がない人に、官僚やメディアが付き従うのか。

 『朝日新聞』に、NHK会長のインタビュー記事があった。記者の質問にいっさいまともな答えはしない。NHKに関して起きているいろいろな問題について質問しても、「私の立場から回答は差し控える」ばかり。ということは、現状について問題であるという意識を持っていないということでもある。

 NHKは終わりだな。
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「終末期医療が医療費を圧迫」は本当か?

2019-01-25 17:50:34 | 政治
トンデモ数字に振り回されるな 繰り返される「終末期医療が医療費を圧迫」という議論
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外交の安倍

2019-01-25 17:42:05 | 政治
 話すことには、すべて原稿がある。それにひたすら依存する安倍首相プーチンさんに指摘されてしまった

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自民党議員の秘書

2019-01-25 16:35:12 | 政治
 こういう人が、自民党の国会議員の秘書になっているのか。私たちの感覚とは、相当異なりますね。

 ハンスト「さっさと死ね」 国場議員の秘書、投稿 「テロ」と元山代表を批判
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【本】日野行介『除染と国家』(集英社新書)

2019-01-25 13:11:28 | 
 著者である日野記者は、今迄福島原発事故に関わる報道に従事し、それに関する著書を発表してきた。私も、岩波新書のそれは読んできたが、いずれも新聞報道だけでは不十分なことを、そして権力側が嫌うような内容を堂々と発表してきた。しかし彼は原発取材から離れたようで、この本が原発事故関連の最後の本であるという。 

 本書を読んでいると、官僚たちは、別に森友問題をまつまでもなく、ずっと以前から公文書の改ざん、隠蔽などを平気で行ってきたこと、官僚の世界ではそれが一般的であることを証明しているようだ。

 官僚たちは、密室であることを決める。それがうまく運ぶように「理論武装」する。そのために「有識者」を集めてご意見を伺う。集められた「有識者」たちも官僚のために、知恵を絞る。国民を騙すための「論理」を編み出すのだ。もちろんそのプロセスが明らかにならないように、議事録などを隠す。あるいは公表する場合は、改ざんはするし、隠す。

 その決められたことに異議を唱える人びととは一応は話す。しかしいっさい聞くことはない。決めたことを通すために、そういう人たちを懐柔しようとする、それが無理だとわかると無視。

 著者は、こう記す。

 いとも簡単に歴史を改竄できるのがこの国の現実なのだ。


 そしてその原動力は、経産省だけではなく、環境省も、原発事故をなかったことにしたい、その基本線を維持すべく、いい加減な対応、国民が文句を言わなくなるまで、あるいは忘れるまで、密室で決めたことを住民に一方的におしつける、カネをつかって作業を行う、その作業もいい加減だ、やっているという姿を見せればいいのだから。

 のらりくらりと生きていれば、彼らは出世していく。

 そういう姿が活写される。

 最近の新聞報道やこの本に書かれている内容をみると、日本国家とはそういう国家なのだというある種の諦観が浮かび上がる。

 日本には、民主主義が根づいていない。しかし、そういうなかで、人びとが切り捨てられていく。切り捨てさせてはいけない。

 よい本である。原発事故に対応する国家機関、自治体の姿は、日本とはどういう国であるかを考える重要な契機となるだろう。

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【本】日野行介『除染と国家』(集英社新書)

2019-01-24 21:52:06 | 
 この本は、今日届けられた。したがって、第1章しか読んでいない。読んでいないけれども、私の持っている感覚、すなわち自治体は住民のためのものではなく、政府の政策実現のために存在していること、それを証明する内容であった。

 原発事故以後、福島県は放射能被害の存在を頑なに認めない、たとえば甲状腺ガンが福島県に異常に発生しているのに、頑として原発事故が原因であることを否定し続ける。

 そして本書の第1章は、福島市の所業である。住民の生活や安全を何とか保障していこうという姿勢は皆無。

 自治体とは何であるのか。とりわけ、こういう大きな事故、原発推進政策という国策にキズをつけるような事態が起きたときは、政府はもとより自治体も一斉にその国策に支障がないように行動する。

 いろいろ考えさせられる本である。
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「北方領土」は?

2019-01-24 08:23:46 | その他
 私は、日本政府が言う「北方領土」問題の解決は、歯舞色丹の返還がもっとも妥当であるという認識を持っている。それ以上のことは、法的にも主張できないという考えだ。

 しかし日本政府は、国後択捉を含めた四島返還論を主張してきたが、それはまったく非現実的であることが明白となり、安倍政権はそれなら歯舞色丹の返還でことをすまそうと画策してきたが、それさえまったくロシアから相手にされない。

 アベ外交はまったく力がない。アメリカには、屈辱的に隷属し、「御説ごもっとも」、「私どもに何か出来ることがあれば何でもおっしゃって下さい」外交。ロシアには、「北方領土」返還しようかな、どうしようかななどとエサをぶら下げられ、カネを出させられてまったく解決しない。北朝鮮や韓国に対しては上から目線で対立を煽るだけ。その他の国には、カネをばらまく。これでは外交とは言えない。

 しかしメディアは、安倍が何らかの成果を得たかのような報道をする。私はNHKなんか見ないので、どういう報じ方をしているかは知らないが、まったくひどいものらしい。

日露首脳会談大失敗を御用メディアが必死のフォロー! でも田崎史郎は「進展あったように見せる」と安倍官邸の作戦をポロリ
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人びとの感情

2019-01-24 08:03:55 | その他
 私は皇室のあれこれについては、まったく関心がない。だが、秋篠宮の長女の婚約相手の男性の行状については、あまり感心しない。先日彼は声明を公表したが、それは彼の評価を高めるどころか、一層評判を下げた。それはなぜか。

小室圭さんの「イラっとさせられる声明文」に見る3つの決定的過ち
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