◆ちゃんとしゃべれ!治納由気(はるなゆき)◆

変な日本語、敬語もどき、崩れていく日本語、そして、正しい日本語とハムスター。

パンズ・ラビリンスを見た。

2008-01-05 19:46:22 | いろいろあれこれ
                    やめてよ、アルラウネぇ~
 昨年10月に公開された映画ですから、もうネタばれどうのこうのという心配をせずに遠慮なく話せますね。「パンズ・ラビリンス」、私の住む地域では大きな映画館で上映されることがなかったのであきらめていたのですが、幸い、金沢市中心部にある109(いちまるきゅー)の4階、シネモンド、客席が100あるかないかという小さな映画館で年末から公開され、4日にやっと見ることができました。
 ラビリンスという言葉は人を(私を)強くひきつけます。ラビリンス(labyrinth、迷宮、迷路)、私がこの言葉を初めて知ったのはやはり映画で、1986年に制作されたジム・ヘンソン監督の「ラビリンス/魔王の迷宮」、覚えてらっしゃいますか? デヴィッド・ボウイが魔王ですよ! 登場するのは、魔王と主人公の女の子、その弟など、数人の人間以外はマペットです。ジム・ヘンソンですからね。子どものころ、「セサミストリート」を欠かさず見ていて、ロック・スターのデヴィッド・ボウイが魔王ですから、わくわくして見ました。そして、「ラビリンス」はとても魅力的な言葉になったというわけです。
 しかぁ~し、「ラビリンス」にひかれて「パンズ・ラビリンス」を見た私は・・・ちょっと甘かった( ̄_ ̄;λ。古代ギリシャの神、パン(牧神、下半身はヤギで、角がある)に、姿も性格も醜悪、中世のキリスト教徒から見ればまさに悪魔、そんなイメージがあることをすっかり忘れていましたよ。悪魔の絵って、角としっぽがあるでしょう、あれですよ。この映画は子どもの見るものではありません。怖かったぁ~~~、怖くてしょっちゅう目を伏せていました。あ、怖いのは人間ですよ、妖精を食っちゃうマペットよりずーっと怖い! それに、主人公のオフェリアがとろい! パンから告げられた禁は簡単に破っちゃうしぃ~。
 そう、ファンタジーというと愛と勇気、ですが、果敢に試練を乗り越えていく前向きな性格の主人公とは違うのです。そんなところも逆にリアルで、現実はこうだよな~と悲しくなりました。当然、パンは怒り、オフェリアを突き放し、オフェリアのお母さん(身重で、臨月を迎えている)は、オフェリアに「世の中は残酷、人生はおとぎ話じゃないのよ!」と厳しい表情で言い、母の回復を願ってオフェリアがベッドの下に置いたマンドラゴラを火に投げ入れ、その直後、急に産気づき、難産の末に死んでしまいます。どこまでも暗い~。
 ところで、「ハリー・ポッター」にも出てきたマンドラゴラ(マンドレイク)ですが、Wikipediaで「マンドレイク」について調べていて、マンドラゴラの亜種、アルラウネ(池田理代子の「オルフェウスの窓」に出てくる女性の名前と同じだぁ~)のところを夢中で読んじゃいました。ドイツ語の辞書で「alraune」を見ると、小妖魔名、まんだらげ(曼陀羅華)と書いてあります。えっとぉ、何の話でしたっけ? ん~、パンズ・ラビリンスですね、パンがオフェリアを導こうとしている国、オフェリアも行きたいと願っている国、結局、そこは、生きている人間は入れないのですよ( ̄ー ̄)フッ。現実は厳しいのねぇ・・・って、暗い! 暗くなってしまったぁ。ごめんなさいね~m(_ _)m。
コメント
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