◆ちゃんとしゃべれ!治納由気(はるなゆき)◆

変な日本語、敬語もどき、崩れていく日本語、そして、正しい日本語とハムスター。

「方針演説が終わられましたが」って?

2008-01-19 19:47:22 | めちゃくちゃな敬語
                      昼寝を終えた?
 1月15日の記事で、「落ち着いて式が終えれたので」という言い方について書きました。「終える」だから「式を」で、「終える」は下一段活用なので未然形+「られる」で「終えられる」、つまり、「式が終えれたので」ではなく「式を終えられたので」ですね。では、今日の例文、「方針演説が終わられましたが」はどうですか? これを言ったのは、恐らく、大学を卒業し、報道機関に就職して何年かたつ記者だと思いますが、どこがどうおかしいと思いますか? 「落ち着いて式が終えれたので」よりひどい言い方ですね。
 まず、敬語を使いたいなら、「方針演説が終わる」ではなく「方針演説を終える」です。なのに、この記者は「終える」と言わなかった、このように、「終える」を日本人があまり言わなくなったので、「落ち着いて式が終えれたので」に驚いたわけです。インタビュイー(インタビューされる人)は演説した本人ですし、「終える」を敬語にして初めて「終える」の主語である演説した本人に対する敬意を表することになるのです。それに、「終わる」は、普通、敬語にはしませんよね。演説を聞いていた人にインタビューするのだったら、「方針演説が終わりましたが」となります。
 はい、正しくは「方針演説を終えられましたが」ですね。尊敬表現といえば「れる・られる」ばかりで、「頂かれる」だの「しゃべられる」だの、安直すぎ! 「終わる」だから「終わられる」ですか、ひどいですねぇ~。記者も、自分の言葉が全国に放送されることを自覚してほしいものです( ̄ ̄)ホントニモォ~。
コメント
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