僕はびわ湖のカイツブリ

滋賀県の風景・野鳥・蝶・花などの自然をメインに何でもありです。
“男のためのガーデニング”改め

「四白展」(やまなみ工房)~湖のスコーレ~

2024-06-07 05:48:48 | アート・ライブ・読書
 長浜市のJR長浜駅から黒壁スクエアを歩いて行ったところに「湖のスコーレ」というカフェやショップの入った商業文化施設があります。
滋賀の特産品の鮒ずしにちなんで発酵食品をテーマにしたお店が入り、チーズ製造室で作られたチーズの販売やチーズを使った喫茶店などが入っている。

また文化棟には今では絶滅の危機にあるようなサブカル系の本屋さんがあり、棚にはセレクトされた新刊書籍と古書が並びます。
文化棟2Fには滋賀県甲賀市のアートセンター&福祉施設「やまなみ工房」の作家の作品が展示・販売されている。
展示されているアールブリュット作家は定期的に入れ替わり、いつでもアールブリュット作品を目にすることが出来ます。



現在、展示・販売されているのは「やまなみ工房」の四白さんの作品で、カラフルな色彩で書き殴ったような作品と綺麗に塗り分けられた作品に傾向は分かれる。
下は「オランウータン」という作品でサイケデリック調の色彩鮮やかな迷路の中にコミカルタッチのオランウータンが笑っているように見えます。


「オランウータン」

四白さんは、幼少の頃から自然の中で遊ぶことが好きだったが、青年期を迎え、行き場のないエネルギーをパンク・ロックなどのサブカルチャーに求めるようになる。
その後、大学でアートを学ぶようになるが統合失調症を発症し、大学を中退して放浪。
友人のイベントに参加した際に「やまなみ工房」を知り興味を持ち入所されたとあります。(会場の案内板から)

「マッドシティ」という作品では、描き込んだ「オランウータン」とはカラフルな色使い以外は全く傾向の違う作品になっています。
四白さんは、70~80年代辺りのロック・アーティストをモチーフとした作品も描かれいて、影響を受けたロックアーティストが伺われる。
5/11には湖のスコーレでライブ・ペインティングのパフォーマンスがあったそうです。


「マッドシティ」

3人のロッカーの絵は、一番左がゴッドファーザー・オブ・パンクとも呼ばれるイギー・ポップ。
絵は Lust For Lifeを地で行くようなジャンキー・タッチの絵。

真ん中は言わずと知れたローリング・ストーンズのキースリチャーズ。ヘビースモーカーのキースが煙草をくわえてギターを弾く姿は恰好がいい。
四白さんのキース・リチャーズは前回湖のスコーレで展示されていたキースの絵とは全く違うのが興味深いところです。

右はザ・クラッシュのフロントマンのジョー・ストラマー。
London Callingはバンドでコピーした記憶があります。


「イギー・ポップ」「キース・リチャーズ」「ジョー・ストラマー」

デイビット・ボウイをモデルにした2枚の絵は、全く個性の違う描き方になっています。
勝手に想像するなら、左が80年代初頭の「レッツ・ダンス」のような都会の垢ぬけたロック・スターのような感じ。
右はジギー・スターダスト時代のグラム・ロックか、ドラッグからの更生をしたベルリン三部作時代へのオマージュみたいな感じ。


「デイビット・ボウイ」「デイビット・ボウイ」

ロックアーティストは他にもトム・ウエイツやニック・ケイブを描いた絵があります。
両方のアーティストともに名前のみで音楽に馴染みはありませんが、下のニック・ケイブの絵はインパクトがあって魅かれる作品です。


「Nick Cave」

他府県でも同様かもしれませんが、アールブリュットへの理解や共感が高まってきており、作品に接する機会が増えてきています。
滋賀県では街の中やお店や商業施設やホテルのロビーなどでアールブリュット作品を目にすることがあります。
何度も見る作家さんが居られれば、初めて目にする作家さんも居られて、その奥行きの広さには驚くばかりです。


コメント
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