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滋賀県では湖東や湖南地方での勧請縄の民俗行事や、近江八幡を中心とする義長まつりなどでは松明やダシを燃やす民俗行事があり、湖北ではオコナイ神事が残ります。
集落や地域独特のの民俗信仰は、祀りの形や時期は違えども願いは共通で五穀豊穣・疫病退散・家内安全・子孫繁栄などの願いを込めるものが多い。
金屋の「ヤッサ」という呼び名は、「野の幸(やさち)」「家の幸(やさち)」が転じたものとされており、安寧と繁栄を願う気持ちが込められているといいます。
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金屋集落は東側が犬上川に沿っており、川の向こうは鈴鹿山系へと続く山の麓が近くにある田園地帯にあります。
「ヤッサ」は集落の中央辺りにある「金山神社」の神事で、神社でお祀りした後、鎮守の森に奉納されます。
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「金山神社」は御祭神に金山彦命を祀っており、金山彦命は一般的に鉄工業・鉱山・金属・それに関する技工を守護する神とされています。
金屋には室町期には鍛冶屋があったとされ、鈴鹿山系からの鉱物を利用して工具などが作られていたと考えられます。
集落には金属・鉱山とのつながりがあり、金屋・金山神社の由来になっているように思います。
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滋賀県の田園地帯の集落に祀られる神社は立派なものが多いのですが、例に洩れず金山神社も立派な造りになっています。
本殿横には「道祖神 ヤッサの神」の磐座が祀られている。
道祖神は本来、村人を災難から守るために村境・峠・辻などに祀られる神ですので、いつの時代かに移動されてきたのかと思われます。
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「ヤッサ」は集落に生まれた男子を祝う神事で、二体で一対のヤッサを造って神社に奉納し、鎮守の森の杉の木に吊るします。
村の住民と当屋の親戚筋などの応援がなければ出来ない神事で、毎年当屋が変わったりしますので「ヤッサ」はその年の特徴があります。
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鎮守の森に吊るされた「ヤッサ」は、場所の空気感もあって神秘的でありつつも、プリミティブな信仰の姿が感じられます。
大きさもかなり大きくて装飾部分を入れれば、1体は人ひとりより大きいかも知れません。
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「ヤッサ」は、藁で作った芯に干草を巻いて俵丈にし、藤ツルの根で巻いたものの上に船を模ったものを乗せて、船の上にはトラノオを飾る。
本体部分には野菜や花飾りを施して装飾して、よく目立つところにデコ(象徴的な飾り物)を付け、金山神社に奉納してお祀りした後、鎮守の森で2年間吊るすという。
ただ、前年のヤッサの残骸が確認出来た年と確認出来なかった年があるので、1年だけの年があるようです。
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「ヤッサ」が吊るされている杉の周辺には、小縄や装飾されていたのであろう残骸が幾つか落ちていましたので、時間と共に姿を変えていきます。
花で装飾されたヤッサは極楽浄土のようでもありますが、上の部分にホオズキの実が下げられるのは死者の霊を導く提灯としての「鬼灯」の意味か。
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落ちていたものの中には瓢箪を使って裹頭を付けた僧兵を模したような飾り物がありました。
背中には籠を背負っており、籠の中には木の枝が入っていましたが、どんな由来があるのかは分かりませんでした。
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少し集落内を歩いてみると、民家の横には綺麗で水量のある小川が流れ、水中には色鯉や小魚の姿が見えます。
小魚の多さは子供の頃に遊びに行ったお爺ちゃんお婆ちゃんの家を思い起こさせられて懐かしい。
この頃あちこちでよく見かけるのはテッポウユリです。
誰かが植えたテッポウユリが繁殖して広がっているのを見かけます。
感覚的には暑い夏ですが、夏の花にはそれぞれ絶妙のタイミングで咲き誇る時期があるようです。
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