ミクニVM24SSの罠。
SX125R。
キャブレターは、初期型は直引きピストンバルブのVM24SS、後期型はCVのBST31が標準装備だった。
俺のは後期型も後期型、最終モデルなので、BST31が付いている。
バイク用キャブの型番の数字は、ベンチュリ口径をmmで表している。このBST31は、31mmΦということになるが、これは4スト単気筒125ccクラスのキャブとしては、異様に大きい。
調べてみたら、シリンダーに対するキャブの適正なサイズを計算する式というのが見つかった。
D=0.82√(C・N)、d=0.65√(C・N)
ただし、D:キャブ口径(mm)、d:ベンチユリー径、C:気筒容量(1気筒あたりcm3)、N:最高出力回転数(1000rpm)
計算すると、124cc、最高出力@9500rpmのSX125Rでは、口径28mm、ベンチュリ22mmが適当と出た。
それでいくと初期型のVM24SSはほぼ適正、後期型のBST31は明らかにでかすぎということになる。
なぜこんなでかいキャブに変えたのかは定かでないが、兄弟車のSX200Rとキャブが共通になったことから、コストダウンを狙ったのかもしれない。もっとも、共通とはいえさすがにジェット類のセッティングは異なってはいる。
このBST31がでかすぎるせいか、俺のSX125Rは、とにかくピックアップがダルくて、数字上のパワーはともかく、非力感が際立っているのだ。
そうなると、初期型のVM24SSを試してみたくなるのが人情だ。いやそうでもないか。
キャブだけ見れば、いたずらにでかいキャブでピークパワーを狙うより、細いキャブでレスポンスをよくしたほうが、一般道では使いやすくなる。最大出力が落ちても、中速域の実用トルクが増えるからだ。
昔ミゼットツーに乗ってたことがあるが、あのエンジンはハイゼットのをディチューンしたやつだった。キャブはハイゼットの可変ベンチュリから固定ベンチュリに変えられている。数字で言えば40馬力を超えるハイゼットに対し、30馬力くらいしかなかった。しかし、街中の走りのキビキビ感は、ミゼットツーがはるかに上だった。車体が少し軽かったのもあるが、エンジンのピックアップが良かった。
また、瞬間的な吹け上がりを必要とするトライアルバイクでは、同じ排気量の高出力エンジンからすれば半分くらいしか数字上のパワーを出せないセッティングになっていたりする。そのかわり、中低速のピックアップが物凄く良くなっているのだ。恐ろしく低い回転域でピークトルクが出て、しかもほぼ全域にわたってトルクがフラットになるセッティングだ。SXは、トルクの立ち上がりが大きく、低速スカスカ、しかも中速に谷がある。だから緩い坂でも失速するし、再加速は2-3段落とさないと使い物にならない、見た目のノンビリさとは裏腹のピーキーなエンジンになってしまっているのだ。
エンジンの特性を決めているのはキャブだけじゃないが、キャブで特性を変えれるのも確かだ。
SXの場合、VM24SSならば、アダプタ類やスロットルケーブルを初期型のに変えてやるだけで付けれる。お手軽なのだ。
ということで調べてみたら、 初期型純正キャブはまだ入手できるが、値段は2万を超える。当時価格の倍以上になろうとしているのだ。
キャブ以外に必要なのは、キャブとエンジン、エアクリとキャブをそれぞれつなぐアダプタと、そのクランプ、そしてスロットルケーブル程度のようだ。いずれもまだ入手可能だ。
お遊びでやるにはキャブがちと高い。このくらいの大きさのキャブは、原付のチューニングパーツとしていろいろ出ているので、調べてみた。
すると、VM24SSという、まさに同じ型番のキャブが、1万そこそこで買えることがわかった。カワサキのKX65という、ミニモトクロッサーのキャブだ。現行品なので安いし、部品供給の不安もない。
小さくてもレーサーだけあって2ストの混合給油のキャブなので、メインジェットは#190、パイロット(スロー)ジェットは#25などとなっていて、SX初期型のMJ#100、PJ#30とはだいぶ異なるようだ。なら、セッティングパーツだけSXのを買っとけばよかろう、と思い、買ってしまったのだ。
これが買った部品。
KX65のキャブ。
初期型SXのキャブ周辺部品。
初期型SXのキャブセッティング部品。
しかし、甘かった。
型番こそ同じVM24SSだが、内部はまったくの別物だったのだ。
内部部品。左がPJ、右上がニードルジェット、右下がMJ。ことごとく形状が違い、互換性はまったくない。
20年の年月のためか、2スト用と4スト用の差異か。
MJでみれば、SXのはいわゆる「ミクニの丸型大」で、4スト用でよくみるやつ、KXのは「ミクニの六角大」で、2スト用でよく見るやつだ。
他にも、フロートチャンバも形状が違ってドレンスクリュがなくてかわりにジェットのアクセスプラグがあったりとか、違いを挙げればキリがないほど違っている。サイズ以外はまったく別のキャブだったのだ。
でも、だから使えないということもないだろうから、もう少しいろいろ考えて、ジェット類を手配してやることにするか。
素直に純正買ったほうがよかったかなあ。まあ趣味の世界だからいいか。
キャブレターは、初期型は直引きピストンバルブのVM24SS、後期型はCVのBST31が標準装備だった。
俺のは後期型も後期型、最終モデルなので、BST31が付いている。
バイク用キャブの型番の数字は、ベンチュリ口径をmmで表している。このBST31は、31mmΦということになるが、これは4スト単気筒125ccクラスのキャブとしては、異様に大きい。
調べてみたら、シリンダーに対するキャブの適正なサイズを計算する式というのが見つかった。
D=0.82√(C・N)、d=0.65√(C・N)
ただし、D:キャブ口径(mm)、d:ベンチユリー径、C:気筒容量(1気筒あたりcm3)、N:最高出力回転数(1000rpm)
計算すると、124cc、最高出力@9500rpmのSX125Rでは、口径28mm、ベンチュリ22mmが適当と出た。
それでいくと初期型のVM24SSはほぼ適正、後期型のBST31は明らかにでかすぎということになる。
なぜこんなでかいキャブに変えたのかは定かでないが、兄弟車のSX200Rとキャブが共通になったことから、コストダウンを狙ったのかもしれない。もっとも、共通とはいえさすがにジェット類のセッティングは異なってはいる。
このBST31がでかすぎるせいか、俺のSX125Rは、とにかくピックアップがダルくて、数字上のパワーはともかく、非力感が際立っているのだ。
そうなると、初期型のVM24SSを試してみたくなるのが人情だ。いやそうでもないか。
キャブだけ見れば、いたずらにでかいキャブでピークパワーを狙うより、細いキャブでレスポンスをよくしたほうが、一般道では使いやすくなる。最大出力が落ちても、中速域の実用トルクが増えるからだ。
昔ミゼットツーに乗ってたことがあるが、あのエンジンはハイゼットのをディチューンしたやつだった。キャブはハイゼットの可変ベンチュリから固定ベンチュリに変えられている。数字で言えば40馬力を超えるハイゼットに対し、30馬力くらいしかなかった。しかし、街中の走りのキビキビ感は、ミゼットツーがはるかに上だった。車体が少し軽かったのもあるが、エンジンのピックアップが良かった。
また、瞬間的な吹け上がりを必要とするトライアルバイクでは、同じ排気量の高出力エンジンからすれば半分くらいしか数字上のパワーを出せないセッティングになっていたりする。そのかわり、中低速のピックアップが物凄く良くなっているのだ。恐ろしく低い回転域でピークトルクが出て、しかもほぼ全域にわたってトルクがフラットになるセッティングだ。SXは、トルクの立ち上がりが大きく、低速スカスカ、しかも中速に谷がある。だから緩い坂でも失速するし、再加速は2-3段落とさないと使い物にならない、見た目のノンビリさとは裏腹のピーキーなエンジンになってしまっているのだ。
エンジンの特性を決めているのはキャブだけじゃないが、キャブで特性を変えれるのも確かだ。
SXの場合、VM24SSならば、アダプタ類やスロットルケーブルを初期型のに変えてやるだけで付けれる。お手軽なのだ。
ということで調べてみたら、 初期型純正キャブはまだ入手できるが、値段は2万を超える。当時価格の倍以上になろうとしているのだ。
キャブ以外に必要なのは、キャブとエンジン、エアクリとキャブをそれぞれつなぐアダプタと、そのクランプ、そしてスロットルケーブル程度のようだ。いずれもまだ入手可能だ。
お遊びでやるにはキャブがちと高い。このくらいの大きさのキャブは、原付のチューニングパーツとしていろいろ出ているので、調べてみた。
すると、VM24SSという、まさに同じ型番のキャブが、1万そこそこで買えることがわかった。カワサキのKX65という、ミニモトクロッサーのキャブだ。現行品なので安いし、部品供給の不安もない。
小さくてもレーサーだけあって2ストの混合給油のキャブなので、メインジェットは#190、パイロット(スロー)ジェットは#25などとなっていて、SX初期型のMJ#100、PJ#30とはだいぶ異なるようだ。なら、セッティングパーツだけSXのを買っとけばよかろう、と思い、買ってしまったのだ。
これが買った部品。
KX65のキャブ。
初期型SXのキャブ周辺部品。
初期型SXのキャブセッティング部品。
しかし、甘かった。
型番こそ同じVM24SSだが、内部はまったくの別物だったのだ。
内部部品。左がPJ、右上がニードルジェット、右下がMJ。ことごとく形状が違い、互換性はまったくない。
20年の年月のためか、2スト用と4スト用の差異か。
MJでみれば、SXのはいわゆる「ミクニの丸型大」で、4スト用でよくみるやつ、KXのは「ミクニの六角大」で、2スト用でよく見るやつだ。
他にも、フロートチャンバも形状が違ってドレンスクリュがなくてかわりにジェットのアクセスプラグがあったりとか、違いを挙げればキリがないほど違っている。サイズ以外はまったく別のキャブだったのだ。
でも、だから使えないということもないだろうから、もう少しいろいろ考えて、ジェット類を手配してやることにするか。
素直に純正買ったほうがよかったかなあ。まあ趣味の世界だからいいか。