ジェイソンじゃないって。
今日は、今使ってる軍用鉈を紹介しよう。
アメリカはオンタリオナイフ社の、米軍制式鉈。
このような鉈は、Macheteと呼ばれるが、読みはマチェット、マシェット、マチェテなど、いろいろのようだ。
「13日の金曜日」のジェイソンの愛用品としても有名だろう。
上のグレーの鞘は、自分で作った。
長い。
刃渡り18インチというから、45センチくらい。柄の部分まで含めれば60センチくらいあるから、短めの刀くらいはある。
いかにも鋼板を打ち抜いてグラインダにかけただけ、という感じの刃は、厚さ約3ミリの薄さだ。材質は1095カーボンスチールというから、JISではSK95(SK4)あたりになるか。ヤスキハガネなら白紙鋸材あたりに相当し、成分的にはかなりの高炭素鋼になる。
色が黒いのは、酸化皮膜処理してあるためだ。
その高炭素鋼を、キンキンに硬く焼きを入れるのでなく、スプリングのようなしなやかさに熱処理してある。そのぶん硬さは落ちるので刃持ちはよくないが、ありきたりの砥石やヤスリでシャッと研げてすぐ刃が付くし、硬い節に切り込んでも刃が欠けることもなく、シャベル代わりにこじっても折れることもない。薄刃なので、相手が軟いものなら刃が鈍っても勢いで切れる。
ゴム質の柄はリベットで固定されてるだけなので、割れたりしたら外して適当に付けかえれる。ただ、左右がずれていたり、角が手に当たったり、と作りは雑だし、日本人にはちょっと太いかもしれない。俺は角が手の平に当たらないように適当に削って使っている。
値段も安い。本来2000~3000円くらいのシロモノだと思う。最近はずいぶん高く売られているようだが。
とにかく徹底した実用本位、ヘビーデューティーなのだ。
鞘は基本的に付属しない。俺はキャンバスのカバーみたいな鞘を一応買ったが、突き破りそうで腰に下げて歩けないので、自作したのだ。
こんなふうになる。このカラビナを左の腰に下げて、ぶらぶらに吊って使っている。藪の中ではぶらぶらしていれば勝手に障害をよけてくれるのだ。
ご覧のとおり、正体は塩ビの排水管。熱で軟くして成形した。
柄の一部が入るようにしたので、逆さにして振っても抜け落ちない。
ただ、刃の入る部分をきつめにしてしまったので、刃にヤニがついてくると抜き差しが固くなってくる。
この鉈、買ったままの状態ではろくに刃が付いていないので、まず研いでやんないとならない。
両刃で長いので、研ぐのはラクじゃない。でも、ありきたりの中砥ですぐに刃が付く。
先端は刃が大きくカーブしているので、研ぐのは慣れが必要だ。
もっとも、このカーブ部分で物を切ることは、ほぼない。刺すにも向かないが、まあ、割るときとか、シャベル代わりには使える。
使ったら毎日洗って、研いで、油塗っとけば、錆びることもない。
これでもちゃんと研げば、シラカバやハンノキのような軟い樹なら、手首くらいの太さは一刀で難なく切れる。アカシアやイタヤのような硬めの樹でも、刃筋がきちんと立っていて、元気のあるうちならなんとか一刀で切れる。一日ぶっ続けで作業して元気がなくなったら、手首くらいの太さなら左右から一撃ずつでV字に切り込んでやれば切れる。倒した樹の枝払いなどなら、一気に何本も落とすことができる。太くても20センチくらいまでの樹なら、一撃とはいかないが、折込鋸あたりには遜色ない速さで切ることが可能だ。
刃筋がきちんと立っていると、振ったときにピュンという鋭い風切り音が出る。そんなときは、一刀で切れて、しかも手首にほとんど衝撃が来ない。俺の作業を見ていた同僚は、「ひげくまさんとこピュンピュンいいながらバサバサ落ちてくる」と表現した。
これが疲れてきて刃筋が定まらないと、切れないうえに手首に負担が来るのだ。
この鉈、かように切れ味はいいのだが、長いので、狭い藪では思うように振れず、鉈を振るためのスペースを作るために枝を払わなきゃなんないことが多々ある。また、狭いからと手首のスナップだけで振ると、軽いので思うほど切れない。
込んだ藪では、和式鉈のほうが使い勝手ははるかにいいのだ。
俺にはそうでもないが、体格によっては長すぎるので、自分の足を切る危険も大きいかもしれないな。
鉈は振るのに力はたいしていらないが、刃のコントロールと、振りぬいた刃を止めるのに力がいる。だから疲れてくると特に危ない。
あと、日本人の鉈のイメージでないから、見た目もちょっと凶悪というか、威圧感あるかもな。
アメリカはオンタリオナイフ社の、米軍制式鉈。
このような鉈は、Macheteと呼ばれるが、読みはマチェット、マシェット、マチェテなど、いろいろのようだ。
「13日の金曜日」のジェイソンの愛用品としても有名だろう。
上のグレーの鞘は、自分で作った。
長い。
刃渡り18インチというから、45センチくらい。柄の部分まで含めれば60センチくらいあるから、短めの刀くらいはある。
いかにも鋼板を打ち抜いてグラインダにかけただけ、という感じの刃は、厚さ約3ミリの薄さだ。材質は1095カーボンスチールというから、JISではSK95(SK4)あたりになるか。ヤスキハガネなら白紙鋸材あたりに相当し、成分的にはかなりの高炭素鋼になる。
色が黒いのは、酸化皮膜処理してあるためだ。
その高炭素鋼を、キンキンに硬く焼きを入れるのでなく、スプリングのようなしなやかさに熱処理してある。そのぶん硬さは落ちるので刃持ちはよくないが、ありきたりの砥石やヤスリでシャッと研げてすぐ刃が付くし、硬い節に切り込んでも刃が欠けることもなく、シャベル代わりにこじっても折れることもない。薄刃なので、相手が軟いものなら刃が鈍っても勢いで切れる。
ゴム質の柄はリベットで固定されてるだけなので、割れたりしたら外して適当に付けかえれる。ただ、左右がずれていたり、角が手に当たったり、と作りは雑だし、日本人にはちょっと太いかもしれない。俺は角が手の平に当たらないように適当に削って使っている。
値段も安い。本来2000~3000円くらいのシロモノだと思う。最近はずいぶん高く売られているようだが。
とにかく徹底した実用本位、ヘビーデューティーなのだ。
鞘は基本的に付属しない。俺はキャンバスのカバーみたいな鞘を一応買ったが、突き破りそうで腰に下げて歩けないので、自作したのだ。
こんなふうになる。このカラビナを左の腰に下げて、ぶらぶらに吊って使っている。藪の中ではぶらぶらしていれば勝手に障害をよけてくれるのだ。
ご覧のとおり、正体は塩ビの排水管。熱で軟くして成形した。
柄の一部が入るようにしたので、逆さにして振っても抜け落ちない。
ただ、刃の入る部分をきつめにしてしまったので、刃にヤニがついてくると抜き差しが固くなってくる。
この鉈、買ったままの状態ではろくに刃が付いていないので、まず研いでやんないとならない。
両刃で長いので、研ぐのはラクじゃない。でも、ありきたりの中砥ですぐに刃が付く。
先端は刃が大きくカーブしているので、研ぐのは慣れが必要だ。
もっとも、このカーブ部分で物を切ることは、ほぼない。刺すにも向かないが、まあ、割るときとか、シャベル代わりには使える。
使ったら毎日洗って、研いで、油塗っとけば、錆びることもない。
これでもちゃんと研げば、シラカバやハンノキのような軟い樹なら、手首くらいの太さは一刀で難なく切れる。アカシアやイタヤのような硬めの樹でも、刃筋がきちんと立っていて、元気のあるうちならなんとか一刀で切れる。一日ぶっ続けで作業して元気がなくなったら、手首くらいの太さなら左右から一撃ずつでV字に切り込んでやれば切れる。倒した樹の枝払いなどなら、一気に何本も落とすことができる。太くても20センチくらいまでの樹なら、一撃とはいかないが、折込鋸あたりには遜色ない速さで切ることが可能だ。
刃筋がきちんと立っていると、振ったときにピュンという鋭い風切り音が出る。そんなときは、一刀で切れて、しかも手首にほとんど衝撃が来ない。俺の作業を見ていた同僚は、「ひげくまさんとこピュンピュンいいながらバサバサ落ちてくる」と表現した。
これが疲れてきて刃筋が定まらないと、切れないうえに手首に負担が来るのだ。
この鉈、かように切れ味はいいのだが、長いので、狭い藪では思うように振れず、鉈を振るためのスペースを作るために枝を払わなきゃなんないことが多々ある。また、狭いからと手首のスナップだけで振ると、軽いので思うほど切れない。
込んだ藪では、和式鉈のほうが使い勝手ははるかにいいのだ。
俺にはそうでもないが、体格によっては長すぎるので、自分の足を切る危険も大きいかもしれないな。
鉈は振るのに力はたいしていらないが、刃のコントロールと、振りぬいた刃を止めるのに力がいる。だから疲れてくると特に危ない。
あと、日本人の鉈のイメージでないから、見た目もちょっと凶悪というか、威圧感あるかもな。