オーストラリアのパースの数少ない魚屋さんにはいろいろな魚が並んでいますが、スーパーでも、種類は少なく、しかも切り身ですが、いくつかの魚を売っています。サーモンSalmonや、Pink Snapperという鯛に似た魚や、ナイルパーチNileperchというスズキの仲間が代表例です。
今日、スーパーへ行ったら、ナイルパーチを売っていた。なつかしく、思わず買ってしまった。
油をひいたフライパンで焼いて食べましたが、あっさりしていて結構いけます。
トレイには、写真のように、「ナイルパーチ」とあり、「焼いて良し、片栗粉をまぶして揚げてもさらにまたよし」と料理法の説明があります。「原料原産地名:ビクトリア湖」とあり、裏には、「ビクトリア湖(タンザニア・ケニア・ウガンダ)」とあります。調べてみると何年か前には「スズキ」として売られていたようで、現在でもファミリーレストランや弁当の白身魚として使われているようです。
地図を見ると、ビクトリア湖は、タンザニア、ケニア、ウガンダの3国にまたがり、白ナイルを経て、ナイル川に流れ込んでいます。九州の2倍の広さのある湖です。また、perchを辞書で引くと、「欧米に分布する淡水産の食用魚。スズキの仲間」とあります。
英国植民地時代の1954年、湖に生息する淡水魚の乱獲によって漁獲量が激減したので外来魚であるナイルパーチを放流しました。この魚は、体長1-2m、100キロという巨大な肉食魚で、繁殖し、日本などに輸出されるようになりました。しかし、もともとビクトリア湖に生息していた草食性の魚が激減し、固有種400種は半分になり、藻がはびこり、湖の生態系は壊滅的な状態になってしまいました。外来種持込にともなう、よくある話ではあります。
来週から40日ほどPerthに行っているので、またNileperchを食べることになるでしょう。