映画公開時にも見たのだが、1日にTVで再度見て、また感動し懐かしさがよみがえった。
それにしても2005年公開の映画をもうTVで見られるのが、嬉しいような、残念なような。まもなく
続編が公開されるらしいので、その前編をあらかじめTVで、というパターンだ。
東京タワーが建設中だった昭和33年(1958年)は私が港区の高校へ入学した年だ。2階に上がるとすぐ近くに日に日に高くなっていく東京タワーが見えた。あの頃は、今日より明日は、明日よりあさってが、より豊かになるのが当然と思えた。
電器屋さんの店頭にあった街頭TV、山のような人ごみの中で汗びっしょりになりながら、悪役の外国人と戦う力道山を懸命に応援した。
町の商店街を走っていたダイハツ製のオート三輪のミゼット。記憶にあるのは、映画と違って中央にバイクハンドルのあるタイプだ。
蕎麦屋の出前持ちもざる蕎麦を高々と重ねて肩と右手で支え、左手で自転車のハンドルを持って得意そうに走り回っていた。
出てくるものすべてが、「そうそう、あったあった」と懐かしい。
ぶっきらぼうで乱暴な堤真一も最優秀助演男優賞を受賞しただけある演技だ。吉岡秀隆については、「北の国から」もまったく見ていないし、知らなかったので、映画の中の茶川竜之介の性格が本人そのものであるかのように思えてしまうほどの好演だった。「俺とお前は赤の他人なんだからな」と言いながら淳之介を抱きしめるシーンはお定まりとは言え、涙腺を刺激する。
まだまだ貧しいが希望が持てる伸び行く時代、その時代と共に成長した我々世代は幸せだったと思う。