hiyamizu's blog

読書記録をメインに、散歩など退職者の日常生活記録、たまの旅行記など

年賀状を彫り、刷り、書く

2006年12月24日 | 美術
私は30年近く版画を彫って年賀状を出し続けています。宛名はパソコンで印刷しますが、年一度だけの創作活動で図案を考え、2,3枚の木版を彫り、絵具に糊を混ぜて塗り、バレンでこすって一枚一枚2,3色の版画年賀状を仕上げます。

図案が思い浮かばないと時間がかかるのと、刷るのが単純労働でうんざりするだけで年一度とはいえ30回近くになると、手馴れたものです。 最初のころは干支の動物の図案でしたが、2巡もすると飽きて来て最近は風景版画に挑戦しています。年一度で、しかも手抜きなので技量は向上しませんが、いろいろ新機軸を考え試みるのも楽しいものです。

勤めていた時は、12月の最後の週に帰宅後、版を彫り、翌日の夜、2時ごろまでかかって200枚くらい刷り上げていました。
友人を思い浮かべながら、必ず2,3行は何か手書きするようにしているので、これも時間がかかり、出すのは年末ぎりぎりになっていました。退職すると時間は有り余っていて、はじめるのは早くなりますが、途中休んだり、結局かける時間はあまり変わらないようです。

会社関係でも個人的に近しい人以外には年賀状は出さなかったのですが、40年の会社員生活の中で徐々に増えて200枚ほどになってしまいました。おかしなもので、今年はこちらから先に出さないでいると、元旦に相手から来て、次の年にこちらから先に出すと、相手から元旦に出した返事の年賀状が来たりして、ギッタンバッコンとなかなか互いに止められないものです。

退職してからは、生活、お付き合いをシンプルにしようと、不義理承知で100枚以下に絞りました。年賀メールで済ますところもあります。こちらの好き勝手で、年一度の状況ご報告のつもりで出しているので、返事はいただかなくても良いのですが、相手の負担になっていると申し訳ないことです。とくにかなりなお年寄りにはもう字を書くのも大変なのでと言う方もいますので。

しかし、年賀状だけでつながっているお付き合いも悪いものではありません。幼い子どもの写真付きでしばらく来ていたのが、夫婦二人だけの旅行の写真になっていたりして、年賀状だけからでも相手の世界が想像で垣間見られて、心が温かくなります。

パソコンでのお絵かきを勉強し始めたのですが、なんでもパソコンの時代だからこそ、いつまで続くかわかりませんが、無理しない範囲で手作りの味のある下手な版画の年賀状は続けて行こうと思っています。
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