雨宮塔子「小さなパリジャンヌ」2007年6月、小学館発行を読んだ。
2歳児と4歳児を抱えた育児中心の生活の中で、日々囲まれているお気に入りのものを紹介し、パリでの子育て、暮らしぶりを伝える。
やかんや、サンダルなどのページ一杯の写真に、上下に大きく余白をとった文章。写真集か、絵本といった趣だ。
広い並木道を二人の幼児の手を引いて歩く塔子さんの写真が冒頭にある。塔子さんはよちよち歩きの下の子になにか話しかけ、上の子は棒切れを持ってしずかに歩いている。はるか先まで広い並木道が続き、行き止まりには由緒ありそうな建物が見える。なかなか良い写真だ。
第1章 食べるもの、第2章 身につけるもの、第3章 日々使うもの、に分かれている。
まず、哺乳びんの写真が最初にドーンと出てくる。フランスでは、ほとんどの母親が母乳でなく粉ミルクで育てている。これは産後すぐの仕事復帰するためもある。ということで、可愛らしい哺乳びんが多いとして、お気に入りの哺乳びんの写真が登場することになる。
各国王室や世界のセレブたちにも愛されているというフランスの高級子供服ブランド「Bonpoint」の写真があるが、私にはユニクロものと違わないように見える。まあ、本にも読者を選ぶ権利があるということだろう。
雨宮塔子は、1970年東京生まれ。成城大学文芸学部英文学科卒。1993年(株)東京放送(TBS)入社。「どうぶつ奇想天外!」「チューボーですよ!」など数多くの人気番組を担当する。1999年3月TBSを退社し、単身パリに遊学。西洋美術史を学ぶ。2002年フランス在住のパティスリー・サダハルアオキ パリのオーネーシェフ・青木定冶氏と結婚。2003年7月長女を、2005年に長男を出産。現在はフリーキャスター、エッセイストとして活躍中。
私の評価としては、★★☆☆☆(二つ星:読めば)
またまた、奥様の借りた本を隙を見て横取りして、あっという間に読んでしまった。
小粋なパリでの生活にあこがれる人、手の届くほどの価格のシャレた小物をそろえたい人、そして雨宮塔子ファンの人は、一度手にとって見る価値がある。その他の人にはわざわざお勧めできるほどの本ではない。
「はじめに」で塔子さんが書いている。
2歳児と4歳児を抱えている今の私は、育児中心の生活を送っています。・・・仕事の原稿でネタを考えるにも、手持ちのカードは“子育て”以外、何も持ってはいないのです。
大変だが、後から考えると最高の時間だったと思う育児を十分楽しんで欲しい。「オムツ取替えも、入浴もさせたこと無い人が言うことじゃないでしょう」と言われそうだが。
アナウンサー時代の雨宮塔子さんは明るい人との印象しかないが、一連の本を読んで、さっぱりとした性格でいて、こだわりのあるという人柄には好感を持った。