保坂隆監修「『ひとり老後』の楽しみ方 “人もうらやむ“元気・安心暮らし”」株式会社経済界、2009年7月発行を読んだ。
裏表紙にはこうある。
最高に心地よい安心生活を手に入れる!
「廊下に全身鏡を置いて、毎日、自分の姿をチェックする」
「年金を含め、老後に自分がいくらもらえるかを把握する」
「口座からの自動引き落としは、定期的にチェックする」
「突然の病気やケガに備えた意思書を用意する」
「鍋に火をかけたら、必ずタイマーをセットする」
「廊下に全身鏡を置いて、毎日、自分の姿をチェックする」
「年金を含め、老後に自分がいくらもらえるかを把握する」
「口座からの自動引き落としは、定期的にチェックする」
「突然の病気やケガに備えた意思書を用意する」
「鍋に火をかけたら、必ずタイマーをセットする」
文章はわかりやすく、簡潔で、説得力もあるのだが、内容は、老人になれば誰でも心得ている生活の知恵や、最近ではいろいろなメディアで言われていることが並んでいる。いかにも、てだれのライターが書いて、保坂さんという大学教授の名前を借りたことが見え見えの本だ。
もちろん、内容はよくまとまっているのだから、購入するかどうかは別にして、読む必要がないというわけではない。
例えば、こんな調子だ。
究極のかたづけ上手は、モノいらず
引っ越し経験者ならば、覚えがあるだろう、自分が想像以上にたくさんのモノに囲まれて暮らしていたことに、唖然としたのではないだろうか。・・・何かが一つ増えたら、それまでの分を惜しげもなく処分する。・・・モノが増えれば手間が増える、これは暮らしの決まりなのだ。
挨拶言葉にはプラスひと言加える習慣を
・・・ご近所の顔に出会ったら、「おはようございます」と明るく大きな声をかけてみよう。・・・このとき、あとひと言何かを加えることが、人間関係を発展させる秘訣になる。・・・たとえば、隣の門の前の花がきれいだったら、「きれいに丹精されていますね、いつも楽しませていただいています」などと加えるのだ。・・・
引っ越し経験者ならば、覚えがあるだろう、自分が想像以上にたくさんのモノに囲まれて暮らしていたことに、唖然としたのではないだろうか。・・・何かが一つ増えたら、それまでの分を惜しげもなく処分する。・・・モノが増えれば手間が増える、これは暮らしの決まりなのだ。
挨拶言葉にはプラスひと言加える習慣を
・・・ご近所の顔に出会ったら、「おはようございます」と明るく大きな声をかけてみよう。・・・このとき、あとひと言何かを加えることが、人間関係を発展させる秘訣になる。・・・たとえば、隣の門の前の花がきれいだったら、「きれいに丹精されていますね、いつも楽しませていただいています」などと加えるのだ。・・・
目次
第1章 「ひとり老後」の楽しみ方
第2章 究極のわがままライフを満喫する
第3章 ひとりだからこそ大切にしたい人づき合い
第4章 簡単!快適!ひとり暮らし生活術
第5章 損をしない賢いお金の使い方
第6章 病気や介護の準備を忘れない
監修者の保坂隆は、慶応義塾大学医学部卒業後、同大学精神神経科入局。1990年カリフォルニア大学留学。1993年東海大学医学部講師、2000年助教授、2003年より教授。日本総合病院精神医学会理事、日本サイコオンコロジー学会理事、国際サイコオンコロジー学会理事、日本ヘルスサポート学会理事。
私の評価としては、★★☆☆☆(二つ星:読めば)
老後の生活の知恵が列挙されている。一つ一つは納得できるし、中にはなるほどと思うこともある。しかし、そのほとんどは既にいろいろなところで言われていて、あらためて再認識することがらだ。
例えば、老後の経済についても記述されているが、簡単な一例に過ぎず、当たり前と言えば当たり前だが、具体的参考、手引きにはならない。自分の場合について具体的に計算するための動機付けになるという意味があるだけだ。
このブログの左の列の最後の方にある“このブログ内の検索”に「おひとりさま」と入力すると、2007年11月20日の「上野千鶴子「おひとりさまの老後」を読む」のほかに7件も出てくる。いかにこの上野さんの本がヒットし、この本もそうだが、便乗本がいかに多いかということだ。