夏川草介著『神様のカルテ3』(2012年8月小学館発行)を読んだ。
シリーズ200万部のベストセラーの2年ぶり第3作
栗原一止(いちと)は、信州にある「24時間、365日対応」の本庄病院で働く30歳の内科医。医師不足による激務で忙殺される日々は、妻・ハルの支えなくしては成り立たない。
今回初登場の、新しく内科医としてやってきた小幡先生は、腕は冴えて、最新研究にも熱心。しかし彼女は、治ろうとする意欲を持たない患者に対して、まともな診療をしない。
さらに、老齢の患者の癌の判定をめぐり、大きな試練が、一止を襲う。
「医者っていう仕事はね、無知であることがすなわち悪なの。私はそういう覚悟で医者をやっているのよ」
彼女の真の覚悟を知った一止は、自分の医師としてのスキルに疑問を持ち始める。「私は、・・・懸命でありさえすれば、万事がうまくいくのだと、手前勝手に思い込んでいた。だが医療とは、そんな安易なものではない」。一止は転機を悟る。
初出:第一話は「STORY BOX」vol24~vol26、それ以外は書下ろし
私の評価としては、★★★(三つ星:お好みで)(最大は五つ星)
古風な物言いするこだわりある若い医師が、美しい信州の田舎で、しとやかで可愛い奥さんと、個性的な同居者に支えられ、病院では忌憚ない同僚医師、懐広い上司医師、頼りになる看護師に囲まれて、医師数が絶対的に不足する医療現場で奮闘する。
そして、様々な人が人生の危機で訪れるドラマチックな病院を舞台にしている。
しかし、3作読んだ私にはマンネリ感がただよい、どうしてもダレてしまう。
合併した土地の多くは、人より猿の方が多いと言われる山間部で、いつのまにやら槍ヶ岳の頂上までも松本市内というのが、現状である。
確かに、地図でみると、槍ヶ岳、穂高岳、焼岳、乗鞍岳が松本市の境界線上にある。