hiyamizu's blog

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今井良『警視庁科学捜査最前線』を読む

2014年11月09日 | 読書2

 

今井良『警視庁科学捜査最前線』(新潮新書575、2014年6月20日新潮社発行)を読んだ。

 

裏表紙にはこうある。

最新ツールを武器に犯人を追い詰める。防犯カメラ、Nシステム、データ解析ソフト――警視庁の捜査は、科学の力で急激な進化を続けている。「犯罪ビッグデータ」とは何か? 逆探知はどこまで可能か? 最新防犯カメラの驚異の性能は? 「パソコン遠隔操作ウイルス事件」「『黒子のバスケ』脅迫事件」等、最近のケースをもとに、一線で取材を続ける記者が舞台裏まで徹底解説。犯罪捜査の最前線が丸ごとわかる一冊!

 

社会における人間関係の希薄化から、従来の聞き込みで得られる情報は乏しく、大量生産されるブツから犯人にたどり着くのは困難になっている。これらを補うのが、監視カメラであり、ビッグデータ解析だ。

 

警視庁の防犯カメラの分析捜査の専門部隊がSSBCだ。正式名は、なんと、Sousa Sien Bunseki Centerだという。センターだけは英語といえば英語だが。

 

犯人の犯行前の足取りを洗うことを「前足を洗う」という。ある犯人が犯行現場から中目黒駅に行ったことがわかった。前足を洗ったら、事件前に中目黒駅で下車したことが分かり、その前に日比谷線の恵比寿駅で下車したことが判明し、さらにその前に東京駅で乗車し、JRで恵比寿駅へ来たことがわかった。東京駅周辺のカメラ画像チェックから福島のいわきからのバスに乗っていたことが分かって、いわき市での犯人逮捕につながった。

 

Nシステム(自動車ナンバー自動読取装置)は、高速道路や幹線道路の上部にあるカメラだ。通過した車のナンバー、運転席、助手席の写真を記録している。あらかじめ登録されたナンバーの車が通過すると瞬時に手配車両かどうか照合される。車で移動するあなたの行動は、もし、なにかあれば、しっかり警察に把握されてしまうのだ。警察には睨まれないようにしないと??

 

容疑者は分かっても、被害者のホストクラブの経営者の遺体が発見されなかった事件があった。遺体は容疑者宅で強力な薬剤で溶かされ排水溝に流されていた。鑑識は、容疑者宅の汚水槽の中から7mmのネジを発見した。ネジはインプラント(人口歯根)に使われるものだった。国内の600本の流通先を丹念につぶしていき、被害者のものと確かめて、犯人逮捕に至った。

 

 

私の評価としては、★★★(三つ星:お好みで)(最大は五つ星)

 

警視庁の専門部隊SSBC、鑑識、科学捜査研究所などの組織構成、所管業務をまず紹介し、検視官の仕事では検視規則を羅列するなど、なかなか話が始まらない。

内容も監視カメラが、実際の事件解決へのつながったかの説明が大部分で、どのように民間に映像提供を求めるのか、ただただだらだら流して人が映像を見て犯人などの姿を見つけるのかなど解析方法などの疑問には答えていない。

 

 

今井良(いまい・りょう)

1974年千葉県生まれ。中央大学文学部卒。

1999年NHK入局

2009年在京民放テレビ局に移籍

警視庁記者クラブキャップやニュースデスクなどを務める。

 

 

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