hiyamizu's blog

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宮部みゆき『誰か』を読む

2021年12月22日 | 読書2

 

宮部みゆき『誰か』(文春文庫み17-6、2007年12月10日発行)を読んだ。

 

裏表紙にはこうある。

今多コンツェルン広報室の杉村三郎は、事故死した同社の運転手・梶田信夫の娘たちの相談を受ける。亡き父について本を書きたいという彼女らの思いにほだされ、一見普通な梶田の人生をたどり始めた三郎の前に、意外な情景が広がり始める――。稀代のストーリーテラーが丁寧に紡ぎだした、心揺るがすミステリー。 解説・杉江松恋

 

「杉村三郎シリーズ」4作の第一作目。各作品紹介とシリーズ相関図

 

 

今多コンツェルン

杉浦三郎:グループ広報室。35歳。元編集者。妻は菜穂子で一人娘は桃子4歳。兄・一男は父母と同居している。姉は喜代子。映画館の痴漢が菜穂子との縁となった。

杉浦菜穂子:三郎の妻。嘉親の娘・29歳。心臓に病気を抱える。

今多嘉親:今多コンツェルン会長。長男・は社長、次男・孝之は専務。

遠山:第一秘書。氷の女王。

園田瑛子:グループ広報室長。三郎の上司。

椎名:シーナちゃん。広報室のアルバイト女子大生。

 

梶田信夫:11年間嘉親の私的運転手だった。65歳。8月15日午後2時、グレーデンハイツ(管理室長は久保、理事長は工藤)近くで自転車に衝突され死亡。28年前、八王子のトモノ玩具に勤めていた。

梶田聡美:信夫の長女。32歳。今年10月に浜田利和32歳と結婚予定。4歳のとき誘拐された。

梶田梨子(りこ):信夫の次女。22歳。積極的、エネルギッシュ。

橋本:梶田の先代の私的運転手。既に死去。妻は敏子

卯月:城東警察署の刑事

野瀬祐子:トモノ玩具を信夫と一緒に辞めた事務員

 

 

単行本:2003年11月実業之日本社刊、ノベルス版:2005年8月光文社刊

 

 

私の評価としては、★★★★☆(四つ星:お勧め、 最大は五つ星)

 

じれったいほど控え目で、とくに冴えたところもない杉村三郎が、梶田信夫を自転車ではねて殺した犯人を探していくうちに、梶田の昔の闇を探ることになる。途中で犯人の推測はつくが、梶田の二人の娘の意向のずれもあって、約30年前の梶田の謎が次々を展開していき、読む人を離さない。

 

 

宮部みゆき 略歴と既読本リスト

 

 

瞳を瞠った:瞳を見張った(「瞠った」とも書く)。参考:瞠目(どうもく)、瞳を瞑(つぶ)る

訝(いぶ)しそうな

矍鑠(かくしゃく)としている

 

コメント
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