保育園に行ってたころの孫娘にはどうしても勝てなかった。
「そろそろまた保育園の運動会だわね。この前行ったときなんか、1時間半かけて行って、5分で終わったでしょ。そんなの行かないわよ。なんて言って断ろうかしら」と我が奥様。
そんなこと言っていると、息子から運動会のお報せの電話があった。途中で孫娘に代わった。
「こんどの土曜日、運動会だよ。カレンダーに書いといてね」
「でも、雨がザアザア降るみたいよ」
「だいじょうぶ! てるてる坊主いっぱい作ったから! おばあちゃん来てね!」
「うう……ん。行くわよ。楽しみだわ。じゃあね」
「おいおい、話が違うじゃないか」と言うと、
「だって、しょうがないじゃない。断れなかったわよ」
奥様が息子に電話すると、かならず孫娘がしゃしゃり出てくる。
「おばあちゃんね、ピアノお稽古してるよ」
「今、何弾いてるの?」
「エリーゼのためにだよ」
「そうなの。上手になっちゃって、すごいわね。きのうは大丈夫だった? ゴロゴロって雷がすごかったでしょう」
「うん。でも、おへそしっかり押さえていたから平気だったよ」
小学校に入っても、まだまだ可愛い。