hiyamizu's blog

読書記録をメインに、散歩など退職者の日常生活記録、たまの旅行記など

職場での呼び方

2006年11月05日 | 会社生活
職場で人を呼ぶとき、皆さんは名前に何てつけますか?「山田部長」と職位をつけて呼びますか?では「ひら」の人に対しては?「山田」と呼び捨てにしますか?山田氏が女性なら「山田さん」と呼びますか?
私はあるときから、新人だろうと、本部長だろうと、「山田さん」と誰にでも「さん付け」で呼ぶことにしていました。なぜ「さん付け」にしたか、その経緯をお話しましょう。

人の呼び方は会社の文化により異なるし、また部門によっても違うと思います。上下の命令系統をはっきりさせ、きちんと組織で仕事する部門と、おもに個人プレーで仕事する部門とでは異なると思います。

「山田課長」と職位をつける呼び方は、特に昇格直後にそう呼ばれとうれしいものです。もともとそう呼ばれることを好む人もいるでしょう。しかし、「課長代理」、「課長補佐」だの、「グループリーダー」だのいろいろの職位名や、カタカナの長い名前が登場してきたし、「課長」が「担当課長」に実質降格になることも普通にある時代に、厳密な職位を名前に付けて呼ぶのは難しくなりました。
私はもともと偉そうなふりをするのも、されるのも好きではないし、上昇志向もないので、職位で呼ぶ呼び方は好みませんでした。したがって、以下は、「くんづけ」か、「さんづけ」かという問題に絞ります。

私は若いころ、研究所に属していました。当時まだ、親方、弟子の関係は多少残っていましたし、一方では、組織としての研究方針、目標もありました。しかし、根本的には個々人が独立しているという気風がありました。
当時の所長さんはごくたまに電話などかけてくるときに、私のことを、「冷水くん」と呼んでいました。ゴルフのコンペがあり、たまたま所長さんと一緒の組になりました。ところが、所長さんはいの一番で、「冷水さん」と呼びかけてきたのです。一瞬、びっくりしましたが、多分、ゴルフはプライベートな付き合いになるので、「さん付け」になったと思います。
しかし、昨日は「くん」で、明日は「さん」では何かわざとらしく、当時はピントきませんでした。

研究所で小さな組織の長になったとき、新人が入ってきました。当初は「山田くん」と呼んでいましたが、彼に事業部門に異動してもらい3年ほど経験をつんで戻ってきてもらうことにしました。
研究所にとって、同じ会社内であっても事業部門は技術を使っていただくお客様にあたります。したがって、私は、事業部門の人は、たとえ新人でも「さん付け」で呼んでしました。
その後、事業部門との会議の席に山田氏が出席してきました。話の流れで山田氏に呼びかける必要が生じたとき、一瞬ちゅうちょしました。そんなときに、ちょっと押さえつけ気味に「山田くん」と呼びかけ、会議の進行を多少でも有利にしようとする人もいますが、そのために彼を異動させたのではありませんし、そんなやり方は意固地な私の好むところではありません。そこで、「山田さん」と呼びかけました。おそらくその前に彼の職場を訪れて、後ろから肩をたたきながら、「どう、元気?」と聞いたとしたら、「山田くん」と呼びかけたと思いますが。
そして、予定通り3年後に山田氏はわが職場に戻ってきました。その前の会議では「山田さん」と呼んでいた同じ人を、今日からは「山田くん」と呼ぶのかと迷いました。そのころ、逆に事業部門から招いた人が、いずれ事業へ戻る人で、しかも女性だったので、「鈴木さん」と「さん付け」で呼んでいました。
そこで、仕事の中だってそれぞれの人格は尊重しているのだし、もう面倒だ、これからはみんな「さんづけ」にしようと決めました。昨日からと違って、「くん」が「さん」に変わる人もいますので、全員に「私は、これからは全員を「さん付け」で呼ぶから、びっくりしないで」と宣言しました。

以来、私は「さん付け」を通しています。会社を変わって、工場と近接した部門に移ってとき、他の人とは異なる呼び方で、奇妙に思われ、浮いていたこともありましたが、異なる文化があることを知らせるためにもと無理に考えて、「さん付け」で通しました。

といったことで、どうでもよいことを長々と書いてきて、最後まで読んでくださった方にお礼の意味で、ジョークを一つ。たしか、サトウサンペイの漫画にあった話だと思いましたが。

「ソクラテスや、ヘラクレイトスっていう昔のギリシャの哲学者、知ってる?」
「ヘラクレイトスは知らないな」
「じゃあ、ヒラクラスは?」
「ヒラクラス?」
「そう、平クラス」

おそまつ。
コメント
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