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ロシア軍のウクライナ侵攻に思う(10)戦争の終わり方ーやったもん勝ちでいいのか 

2022-06-13 21:32:19 | 国際・政治
ウクライナ戦争は長期戦の様相をおびてきた。ウクライナの人達の惨状が伝えられ国際的な世論の「戦争反対」の声が連日報じられる。欧米のウクライナ支援に対して、ロシアは核兵器使用を仄めかし脅しをかける。すると日本を始め各国から「核戦争反対」の声が聞こえる。

しかし、それは戦争を仕掛けたロシアとの妥協の上に成立する停戦であり、今停戦すればロシアが侵攻したウクライナ東部を手に入れることになる。つまり、停戦イコール妥協であり、イコールロシアの「やったもん勝ち」になる。

この戦争の終わり方ではロシアは狙った獲物を手に入れたことになり、将来再び領土拡張の戦争を仕掛ける恐れがある。これが北欧のNATO加盟の背景だ。綿密に戦力を評価して勝てそうならもっともらしい理屈をつけて戦争を仕掛け、途中で偽善的な姿勢を示して妥協点を示し停戦に持ち込む。

このやり方が機能する為には圧倒的な軍備力が必要でどの国でも出来る訳ではない。だが、小国でも北朝鮮の様に核武装すればやれるかもしれない。今後効果的なやり方を色々研究され、中小国にも取り入れる可能性があるかもしれないと私は懸念する。ロシアはそんな問題を突き付けた。

多分、ロシア軍のウクライナ侵攻が始まった時、数日で決着がつきウクライナはクリミア半島と同じ運命を辿る、「ロシアのやったもん勝ち」になるとと世界は予測した。だが、予想を裏切りウクライナは膨大な犠牲を払って善戦し長期戦になった。

つまり、ウクライナ人の犠牲のもとに「ロシアのやったもん勝ち」に待ったがかかった。言い換えると「戦争反対」の主張はウクライナ人の犠牲の上に成り立っている。かといって、「やったもん勝ち」を許さず更に戦争が続けばウクライナはもっと犠牲者を出すことになる。

ウクライナ戦争の終わり方は「理屈はともあれ出来るだけ早く停戦する」か「ロシアがやったもん勝ちを諦めるまで戦う」のどちらかになる。言い換えると最終目的として「今の戦争の犠牲者の最小化」か「未来の戦争の犠牲者の最小化」のどちらを取るかという議論になると考える。もっと分かり易く言うと、「平和」か「正義」かだ。

どちらにしても、「ウクライナ人の犠牲」を前提にした戦争の終わり方をどうするかの議論になる。これがウクライナ戦争において簡単に「戦争反対」と言えない矛盾と私は感じてしまう理由だ。結局最強国不在の「Gゼロ」の世界の在り方は力が決めるという現実なのだろうか。■
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