一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

「将棋ペン倶楽部」2013年春 第59号

2013-04-11 00:11:21 | 将棋ペンクラブ
4月からのNHKEテレ「将棋フォーカス」講師は、鈴木大介八段。特集コーナーで、14年前に竜王戦七番勝負に登場したときの映像が流れたが、副立会人に植山悦行七段の姿があり、驚いた。そしてその髪の毛がフサフサだったので、思わず吹き出してしまった。
時の移ろいは残酷だ。14年の歳月は、植山七段から前髪を奪ってしまった。もっとも私だって、14年後のアタマはひどいことになっているに違いないから、他人事ではない。否、そのとき生きているかどうか。気は滅入るばかりだ。

先月25日(月)、自宅に「将棋ペン倶楽部2013年春号(会報59号)」が届いた。
今号は私が「第9回将棋寄席」のレポートを書いている。27日に桜満開の上野公園を散歩した際、御徒町のドトールコーヒーに入って一読した。
きょうは、各記事の紹介をする。

●新春対談 鈴木環那さん(女流棋士)×木村晋介会長
「将棋ペン倶楽部」に女流棋士が登場するのは珍しいが、女流棋士会所属の女流棋士が出るのはもっと珍しい。
鈴木女流二段はファンサービスに熱心で、初対面の相手にも、旧知の間柄のようににこやかに接する。きっと私に対してもそうしてくれるのだろう。
この対談にも、そんな鈴木女流二段の人柄がにじみ出ている。鈴木女流二段が将棋を始めた理由、ひとり暮らしを始めた理由、意外な趣味など、これだけでも購読の価値はある。

※「将棋ペンクラブ入会方法」
正会員・年会費3,000円。会報が年4回(雑誌2回・通信2回)届く。
入会希望者は振替用紙に「新入会」と記し、会費を振り込む。
郵便振替 00270-9-45693 将棋ペンクラブ

●早春特別対談 キムラ弁護士、将棋女子と語る
今号は対談の2本立て。2本目は、会員のKさんとTさんを招いた。おふたりとも、指し将棋はもちろん、タイトル戦の解説会に足を運ぶなど、「見る将棋ファン」としても活動している。
この中で、Kさんの斬新な見解があったのだが、それは本号を読んでのお楽しみである。

※再掲「将棋ペンクラブ入会方法」
正会員・年会費3,000円。会報が年4回(雑誌2回・通信2回)届く。
入会希望者は振替用紙に「新入会」と記し、会費を振り込む。
郵便振替 00270-9-45693 将棋ペンクラブ

●将棋反則考 北川茂(十三棋道舘経営)
将棋で反則が起こったとき、その対処法を考える。

●浦野新八段から教わったこと 三宅英治(孫に将棋を伝える会)
浦野真彦八段の、詰将棋に対する姿勢をつまびらかにする。

●小説「蛍駒」 曽我部敦史
「私」は、小学校最後の夏休みを、城音という小さな港町で過ごす。「私」には、重い腎臓病を患う、繁樹という弟がいた。
ある夏祭りの夜、「私」は、大道詰将棋に興じる。そこで「私」は、ひょんなことから、封じ手用紙ふうの紙に、願いごとを書く。
20年後、そのおじさんと再会した「私」は、当時書いた願いごとを再び見ることになる。そこに書かれてあった、驚愕の願いとは…!!
全編に幻想的な雰囲気があふれ、同人誌に発表するにはもったいない、上質の佳品。

●米さん、新平さん 湯川博士
日本将棋連盟会長・米長邦雄永世棋聖と、作家・常盤新平さんへの、一風変わった追悼文。ふつう追悼文といえば故人を持ち上げるものだが、湯川氏のそれは必ずしもそうでない。しかしそれが面白い。
私も米長永世棋聖には、ある人を通じて面会を求められたことがある。結局それは実現しなかったが、一度サシでお話しできたら、いい思い出になったのにと思う。

●聖夜の将棋寄席 大沢一公
不肖私のレポートである。3か月半前、当ブログでも簡単なレポートを書いたが、実はそちらのほうが面白い。編集部の目を気にせず、好きなように書いたからだ。とくに私が(結果的に)遅刻をしたあたりの記述など、マニアックで笑える。
以前某氏が「将棋ペン倶楽部」に投稿したとき、その文章を読んだ奥方が、「あなたの文章じゃないみたい」とつぶやいたという。それは私も例外ではなく、どうしても「将棋ペン倶楽部」はヨソ行きの文章になってしまうのだ。
本文、重大な誤植(私の書き間違い)があった。「開場の6時」と書いたつもりが、「開演の6時」となっていた。
開場が6時と錯覚していて、6時15分ごろに会場入りしたら、すでに落語が始まっていた。だから「開演の6時に合わせて向かう」だと、意味が通じないのだ。
なお、湯川博士幹事による補足は、必要最小限のもので、文意を損ねるものではなかった。さすがは編集部である。

●愛棋家 坂口安吾(下)5 本多俊介
マクラに、昨年9月の「将棋ペンクラブ大賞贈呈式」で、米長永世棋聖と交流したエピソードを語る。これが抜群におもしろい。しかし惜しむらくは、誤植がある。ボンクラーズとの対局、米長永世棋聖のコンピュータ対策の手は「△6二銀」ではなく「△6二玉」だ。「△6二銀」はこのあとにも出てくるから、筆者が錯覚していたのだろう。
「坂口安吾編」は、昭和24年・第8期名人戦最終第5局の模様を活写した「勝負師」について。いつも通り、興味深い記述だ。

●平安大將棊から現行将棋へ 今泉忠芳
平安大将棋と中像戯(中将棋)を比較する。

●究極の将棋戦法の話――夢の謙信流将棋戦法 水野保
文明の発展には凄まじいものがあるが、文化のそれはどうか。将棋にも究極の戦法が現われてもいいのではないかと筆者は問う。そうして編み出した驚愕の戦法とは…!!

●夢一つ叶う 上野清人
闘病を克服した作者が、2013年に立てた3つの目標。このたびその一つが叶ったのだが、それは何か。

●阪田三吉記念室 榊原智
堺市立人権ふれあいセンターにある『阪田三吉記念室』の訪問記。「ミニ阪田三吉物語」になっている。

●郵便将棋と生将棋 廣重正弘
郵便将棋を始めて半世紀になる筆者が、エピソードの数々を語る。久しぶりに将棋道場で指す一幕も。

●会員の声-振替用紙通信欄より

●第25回将棋ペンクラブ大賞推薦作募集!

以上である。全編に渡り、読み応えのある一冊であった。
関東交流会は5月25日(土)、東京「将棋会館」にて午前10時から。皆さまとお会いできることを楽しみにしております。
コメント (2)
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