きょうは第2回電王戦第3局、船江恒平五段VSツツカナの一戦が行われている。パソコンの局面を見ると、船江五段が優勢のようだ。
きょうは新規の生徒がおひとり。「蕨将棋教室」の常連氏で、将棋熱が高じ、ついに大野教室にまで足を伸ばしたようだ。
Hanaちゃんが、私のブログの「旅行記」が好きだという。私の旅行記なぞ、電車に乗って、中華料理屋でラーメンを食い、ネットカフェに泊まるだけのつまらないものだが、そういっていただければうれしい。私は褒められて伸びるタイプなのである。
M君との一局が長引いたので、3時休みはなし。2局目はそのHanaちゃんと対戦した。
Hanaちゃんの先手で、▲7六歩△3四歩▲7五歩!△8四歩▲7八飛! Hanaちゃん、居飛車党に転向したと思ったら、最近私にタテ続けに敗れているせいか、またも振り飛車の採用となった。
隣ではM-Fuj戦が行われている。平手でも十分の手合いだが、Fuj氏が私に敬意を表して、M君の香落ちになった。戦形は相振り飛車。Fuj氏は居飛車党だが、下手玉には端攻めの脅威がないから、これはこれで立派な作戦である。
室内は暑く、扇風機が回っている。私はさりげなく△4四歩と突き、Hanaちゃんが受けなかったので、△4五歩と突き越した。前も書いたが、これが私の得意形である。
隣の将棋は、中央で戦いが始まっている。しかしこれでは香落ちが関係なくなり、下手のトクが消えてしまった。上手が先手で指した事実だけが残り、これは下手おもしろくない。
私は△7二金と備え、△4四角と上がる。▲2六歩から銀冠を目指す手は△同角と取られてしまうので、手に困ったHanaちゃんは▲6五歩△同歩▲同銀と仕掛けてきたが、△同銀(△7七角成▲同飛△6五銀の二枚換えもあった)▲同桂△6四歩と桂を殺しては、早くも後手が優勢になった。
以下▲7三桂成△同金▲7四銀△7二金(好手)▲6三銀成△同金▲7四歩に△6五銀と打ち、私が受け切った。
Hanaちゃん、以前と同様攻めが強いのだが、ちょっと将棋が荒くなっている。攻める前に一呼吸置くクセをつけるといいと思う。
3局目は大野八一雄七段に角落ちで教えていただく。
「下手に厳しい手合いと、下手に甘い手合いと、どちらにしたらいいんでしょうねえ」
と大野七段がつぶやく。私は曖昧に返事をするしかない。
左ではHon氏が指導対局に臨んでいる。しかし初形の飛車角の位置が逆だ。早くもHon氏、対局前から変態度全開である。その左はKun氏が平手戦で挑んでいた。
私は居飛車で進める。4筋に回り、ここの歩も切った。角は居角のまま戦うことにした。私は6筋の歩も切って角道を通し、まずまず。飛車の直射を避けて▲7九玉と寄った。
「攻めてこい、ということか。そう指されちゃ攻めたくなるよねえ」
と大野七段。
別に挑発したつもりはないが、こう落ち着かれると、上手としても動きたくなるものらしい。その局面が下である。
上手(角落ち)・大野七段:1一香、1四歩、2三銀、2四歩、3二玉、3三桂、3四歩、4二金、4三金、4四歩、5三銀、5四歩、6四飛、7三桂、9一香、9四歩 持駒:歩3
下手・一公:1六歩、1九香、2九桂、3六歩、3八飛、5六銀、5七歩、5八金、6七銀、7八金、7九玉、8七歩、8八角、8九桂、9六歩、9九香 持駒:歩4
以下の指し手。△9五歩▲同歩△8五桂▲6五歩△7四飛▲6六角△9七歩▲8六歩△7七歩▲8八金△9五香▲8五歩△8七歩▲同金△9八歩成▲8六桂△7二飛▲9八香△同香成▲7七桂△9六歩▲同金△7三香▲6八金…
大野七段の△9五歩から、上手の攻めが始まった。上手の攻めを下手が受けるとは妙な展開だが、角落ちは受けの鍛錬にもなる。
私は自然に受け、最終▲6八金が、局後大野七段に絶賛された好手。将来の△4六桂を消し、玉に近づけた。しかもこの時点で歩の持ち駒が8枚。これは大きい。
この後、△9八成香を▲3八の飛車で取り、不敗の態勢になった。しかし将棋は本当に分からない。上手がどこかで投了する手もあった?と思うのだが、大野七段は淡々と指し続ける。
上手・4五桂、5四桂、6六歩、下手・5七歩、5八銀、7七金、8六桂、9六金、9八飛、7九玉…の局面で、△7六歩(打)▲同金△5七桂成▲8八玉と進んだが、▲8八玉ではとりあえず▲5七同銀と取り、△6七歩成に▲8八玉とするべきだった。
もっとも、それでも私がよい。大野七段はなおも小駒でじりじり迫ってくる。
私はそんな手を無視して、玉をどんどん上に逃がせばよかったのだが、目が見えなくなっていた私はお手伝いと緩手を繰り返し、形勢は接近する。こうなってはもう、流れは上手である。当然のように形勢は逆転し、最後は△7六金と上部を塞がれて、無念の投了となってしまった。
前局と前々局は必敗の将棋を拾わせていただいたが、必勝の将棋を落とすとは、これが勝負事の理か。
感想戦では、△9五歩の仕掛けを中心に行われた。私は▲6八金以降の、自分のだらしない手を振り返りたかったのだが、プロ的に見ると、「そんなのやってもしょうがないでしょう」というところらしく、そこまではやらなかった。
対大野戦では、何度も逆転負けを喫してきたが、本局はその中でもワーストだった。
船江-ツツカナ戦の観戦に戻る。局面は先手・船江五段の優勢のようだ。△5八金▲同玉△3八角成でよさそうに見えるが、それは後手玉が危ないらしい。
ツツカナ、どうするかと見ていると、△6六銀! 私たちの「検討」には出なかった手だ。▲同竜に△4二歩!! もう、訳が分からなくなった。
しかしこれだったら、のちに▲6八竜とする手があって、人間側必勝との声が出た。
私はMinamiちゃんと指すことになった。
(つづく)
きょうは新規の生徒がおひとり。「蕨将棋教室」の常連氏で、将棋熱が高じ、ついに大野教室にまで足を伸ばしたようだ。
Hanaちゃんが、私のブログの「旅行記」が好きだという。私の旅行記なぞ、電車に乗って、中華料理屋でラーメンを食い、ネットカフェに泊まるだけのつまらないものだが、そういっていただければうれしい。私は褒められて伸びるタイプなのである。
M君との一局が長引いたので、3時休みはなし。2局目はそのHanaちゃんと対戦した。
Hanaちゃんの先手で、▲7六歩△3四歩▲7五歩!△8四歩▲7八飛! Hanaちゃん、居飛車党に転向したと思ったら、最近私にタテ続けに敗れているせいか、またも振り飛車の採用となった。
隣ではM-Fuj戦が行われている。平手でも十分の手合いだが、Fuj氏が私に敬意を表して、M君の香落ちになった。戦形は相振り飛車。Fuj氏は居飛車党だが、下手玉には端攻めの脅威がないから、これはこれで立派な作戦である。
室内は暑く、扇風機が回っている。私はさりげなく△4四歩と突き、Hanaちゃんが受けなかったので、△4五歩と突き越した。前も書いたが、これが私の得意形である。
隣の将棋は、中央で戦いが始まっている。しかしこれでは香落ちが関係なくなり、下手のトクが消えてしまった。上手が先手で指した事実だけが残り、これは下手おもしろくない。
私は△7二金と備え、△4四角と上がる。▲2六歩から銀冠を目指す手は△同角と取られてしまうので、手に困ったHanaちゃんは▲6五歩△同歩▲同銀と仕掛けてきたが、△同銀(△7七角成▲同飛△6五銀の二枚換えもあった)▲同桂△6四歩と桂を殺しては、早くも後手が優勢になった。
以下▲7三桂成△同金▲7四銀△7二金(好手)▲6三銀成△同金▲7四歩に△6五銀と打ち、私が受け切った。
Hanaちゃん、以前と同様攻めが強いのだが、ちょっと将棋が荒くなっている。攻める前に一呼吸置くクセをつけるといいと思う。
3局目は大野八一雄七段に角落ちで教えていただく。
「下手に厳しい手合いと、下手に甘い手合いと、どちらにしたらいいんでしょうねえ」
と大野七段がつぶやく。私は曖昧に返事をするしかない。
左ではHon氏が指導対局に臨んでいる。しかし初形の飛車角の位置が逆だ。早くもHon氏、対局前から変態度全開である。その左はKun氏が平手戦で挑んでいた。
私は居飛車で進める。4筋に回り、ここの歩も切った。角は居角のまま戦うことにした。私は6筋の歩も切って角道を通し、まずまず。飛車の直射を避けて▲7九玉と寄った。
「攻めてこい、ということか。そう指されちゃ攻めたくなるよねえ」
と大野七段。
別に挑発したつもりはないが、こう落ち着かれると、上手としても動きたくなるものらしい。その局面が下である。
上手(角落ち)・大野七段:1一香、1四歩、2三銀、2四歩、3二玉、3三桂、3四歩、4二金、4三金、4四歩、5三銀、5四歩、6四飛、7三桂、9一香、9四歩 持駒:歩3
下手・一公:1六歩、1九香、2九桂、3六歩、3八飛、5六銀、5七歩、5八金、6七銀、7八金、7九玉、8七歩、8八角、8九桂、9六歩、9九香 持駒:歩4
以下の指し手。△9五歩▲同歩△8五桂▲6五歩△7四飛▲6六角△9七歩▲8六歩△7七歩▲8八金△9五香▲8五歩△8七歩▲同金△9八歩成▲8六桂△7二飛▲9八香△同香成▲7七桂△9六歩▲同金△7三香▲6八金…
大野七段の△9五歩から、上手の攻めが始まった。上手の攻めを下手が受けるとは妙な展開だが、角落ちは受けの鍛錬にもなる。
私は自然に受け、最終▲6八金が、局後大野七段に絶賛された好手。将来の△4六桂を消し、玉に近づけた。しかもこの時点で歩の持ち駒が8枚。これは大きい。
この後、△9八成香を▲3八の飛車で取り、不敗の態勢になった。しかし将棋は本当に分からない。上手がどこかで投了する手もあった?と思うのだが、大野七段は淡々と指し続ける。
上手・4五桂、5四桂、6六歩、下手・5七歩、5八銀、7七金、8六桂、9六金、9八飛、7九玉…の局面で、△7六歩(打)▲同金△5七桂成▲8八玉と進んだが、▲8八玉ではとりあえず▲5七同銀と取り、△6七歩成に▲8八玉とするべきだった。
もっとも、それでも私がよい。大野七段はなおも小駒でじりじり迫ってくる。
私はそんな手を無視して、玉をどんどん上に逃がせばよかったのだが、目が見えなくなっていた私はお手伝いと緩手を繰り返し、形勢は接近する。こうなってはもう、流れは上手である。当然のように形勢は逆転し、最後は△7六金と上部を塞がれて、無念の投了となってしまった。
前局と前々局は必敗の将棋を拾わせていただいたが、必勝の将棋を落とすとは、これが勝負事の理か。
感想戦では、△9五歩の仕掛けを中心に行われた。私は▲6八金以降の、自分のだらしない手を振り返りたかったのだが、プロ的に見ると、「そんなのやってもしょうがないでしょう」というところらしく、そこまではやらなかった。
対大野戦では、何度も逆転負けを喫してきたが、本局はその中でもワーストだった。
船江-ツツカナ戦の観戦に戻る。局面は先手・船江五段の優勢のようだ。△5八金▲同玉△3八角成でよさそうに見えるが、それは後手玉が危ないらしい。
ツツカナ、どうするかと見ていると、△6六銀! 私たちの「検討」には出なかった手だ。▲同竜に△4二歩!! もう、訳が分からなくなった。
しかしこれだったら、のちに▲6八竜とする手があって、人間側必勝との声が出た。
私はMinamiちゃんと指すことになった。
(つづく)