一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

第81期名人戦第2局・第1日目

2023-04-28 00:31:54 | 男性棋戦
第81期名人戦第2局が始まった。第1局は藤井聡太竜王の勝ち。…あ、そうそう、今期七番勝負は「名竜決戦」なのだが、藤井竜王の最年少名人の話題が強すぎて、先の話題はほとんど聞かない。
それはともかく、ふつう挑戦者が先勝すれば、タイトル戦が面白くなるのが相場だ。しかし藤井竜王の実績がケタ外れなので、今回は例外中の例外だ。早くも渡辺明名人に秋風が吹いている。もはや、藤井竜王の名人奪取は時間の問題、の雰囲気すら漂っているのだ。
それを払拭するには、第2局に渡辺名人が勝つしかない。負けたら本当にアウトである。
だが、その作戦が難しい。第2局は渡辺名人の後手だが、いくら藤井竜王が叡王戦で振り飛車に苦しんだといっても、まさかゴキゲン中飛車を指すわけにもいくまい。ファミレスの中飛車では、藤井竜王に攻略される。よって、相居飛車の中で工夫を凝らさなければならないのだ。
第2局は藤井竜王が飛車先の歩を突いてスタート。と、渡辺名人が4手目に角道を止めた。これが渡辺名人の用意した作戦だった。
角換わりの将棋にすれば、いままでのデータから見て、藤井竜王の勝勢となる。渡辺名人としては穏便にコトを収め、玉を固めて攻める将棋にしたい。そのための「屈服」だった。
以下、双方慎重に駒組を進める。さすがの藤井竜王も、今回は居玉での仕掛けができず、1回は玉を寄った。
第1局の力戦調と比べるとはるかに品がよく、もはや令和より平成の将棋といえた。ということは、渡辺名人の構想が奏功したのではなかろうか。
ただ、夕方に指した渡辺名人の左の桂ハネはどうだったのだろう。
これに呼応するように藤井竜王は1筋の歩を突く。これがなかなかに恐ろしい手で、数手後の端攻めを見ている。
もっとも、桂ハネに対するAIの評価はそんなに悪くなかった。しかし、後手は上記の端攻めをつねに警戒せねばならず、桂頭の不安も抱えることになった。苦労が多い将棋になってしまったのではないだろうか。
ま、これは素人の戯言であり、渡辺名人は意に介していないだろう。
将棋は藤井竜王が43手目を封じた。2日目の指し手が楽しみである。
コメント (3)
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