一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

第8期叡王戦第2局

2023-04-24 20:40:56 | 男性棋戦
この22日は将棋ペンクラブ明石家将棋会、23日はLPSAの卯月カップがあったが、どちらも所用で行けなかった。
あれもダメ、これもダメ。これが人間の生活とは思えん。こんな生活をしているようじゃダメだな。

   ◇

23日は藤井聡太叡王の地元、名古屋市で第8期叡王戦第2局があった。第1局は藤井叡王が勝ち、常連の挑戦者なら今回もダメか……となるところだが、今回は菅井竜也八段が挑戦者で、第2局を勝てばまだ望みがある。菅井八段にとって正念場だった。
将棋は菅井八段の先手で、1筋の歩を突き合ったあと、三間飛車に振った。
そこから穴熊に潜った。これがやや類型的だが、まあよい。対して藤井叡王も穴熊の明示。これで相穴熊になったが、これは昭和と平成の将棋である。
相居飛車だと藤井叡王が独特の玉囲いを披露するが、藤井叡王をもってしても、対振り飛車では、オリジナルの囲いはできなんだ。これは菅井八段の力が存分に発揮できると思った。
そこからしばらく経ってABEMAを見ると、形勢バーは菅井八段の60%を示していた。形勢もそうだが、菅井八段がのびのびと指しているふうなのがよい。少なくとも、自分の土俵だ。振り飛車は、飛車を振った途端に自分の土俵となる。これが大きいのだ。
持ち時間も藤井叡王のほうがはるかに減っている。第1局もそうだったが、菅井八段が豊富な実戦経験をもとに決断よく指しているのに対し、藤井叡王はその場で最善手を模索している感じだ。
やはり藤井叡王も人間で、同じ研究をするなら、相居飛車をしたくなるだろう。対振り飛車は、重要対局をいつ指すか分からないのだから、優先順位としては劣る。その不備が消費時間に表れたともいえる。
菅井八段は中央に角を飛び出して、飛車取り。
いっぽう菅井陣の飛車は閉じ込められたが、手順に4筋に回った手が幸便で、今度はこの筋からの反撃を見ている。
藤井叡王は1分将棋になったが、菅井八段はまだ1時間以上も残している。このアドバンテージも小さくない。あとは藤井叡王につられて早指しをしないこと。自分の好きなときにじっくり時間を使えばよい。
菅井八段は8筋の銀を取らず、4筋の歩を突く。これがプロなら当然の手で、将棋は半分終わっている。
以下も菅井八段のスキのない指し手が続き、ピッタリの角打ちに、藤井叡王が投了した。
藤井叡王の感想は、「こちらが攻めていったのが無理筋」とのことだった。ただ、それを的確に咎め、逆転を許さなかった菅井八段がうまく指した、ともいえる。菅井八段の会心譜で、まさに「最高の振り飛車」だった。
第3局は5月6日。改めて三番勝負となり、これは面白い展開になった。
コメント (2)
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