第81期名人戦七番勝負が始まった。言うまでもなく、対局者は渡辺明名人と藤井聡太竜王。いわゆる名竜対決だ。「81」は将棋のマス目。その数字にふさわしい黄金カードといえる。
ただ、勝敗予想となるとどうだろう。渡辺名人が名人3連覇中で、永世名人が視野に入ったとはいえ、挑戦者は藤井竜王である。藤井竜王は6年連続勝率8割越え、タイトル戦は13戦無敗、そして若干20歳で六冠王である。しかも両者の対戦成績は渡辺名人3勝、藤井竜王16勝。タイトル戦は、藤井竜王の4戦全勝である。これじゃあ誰が見たって藤井竜王優位だ。
タイトル戦の勝敗予想は、どの対戦であれ、どちらにも勝機がある、という結論に収斂する。しかし藤井竜王が絡んでくると、この常套句が空々しく聞こえるから始末がわるい。
それでも渡辺名人の防衛を考えるなら、第1局は名人勝利が絶対だ。だって負けたら、残り6局を4勝2敗で乗り切らねばならない。何人も、藤井竜王にそんな勝ち方はできない。
そして注目の振駒は、渡辺名人が先手となった。まずは第一関門突破である。
将棋はお互い飛車先の歩を突き、角道を開けたが、そこで渡辺名人が角道を止めたのが意外な一手だった。
角換わりっぽかったのにチャンバラを警戒して角道を止める。局面は違うが、大野教室で初手▲7六歩△3四歩▲2六歩△8四歩に私が▲6六歩と指したときは、棋友から「軟弱者」と非難轟々だった。
しかし棋士はプライドだけで生きていけない。もはや角換わりは藤井竜王の範疇で、その膨大な研究量の前には、誰が先手でも後手でも勝てない。よって渡辺名人は相居飛車の中で変化球を投じたわけだが、私はこの作戦に大賛成である。
結局、力戦相居飛車となった。これなら渡辺名人も、力を出し切れるのではないか。
なお昼食は、両者ともにぎり寿司だった。ちょっと首を傾げたのは、渡辺名人がサビ抜きを頼んだこと。しかしにぎりは、わさびがネタとシャリの間に入って完成するものと心得ている。
それをサビ抜きだなんて、クリープを入れないコーヒーや、謎肉がないカップヌードルみたいなものだ。まるでお子ちゃまじゃねぇかと、私はガッカリしたのである。
将棋は互角で進み、渡辺名人が封じ手を行った。さあ、2日目の渡辺名人の指し手に注目である。
ただ、勝敗予想となるとどうだろう。渡辺名人が名人3連覇中で、永世名人が視野に入ったとはいえ、挑戦者は藤井竜王である。藤井竜王は6年連続勝率8割越え、タイトル戦は13戦無敗、そして若干20歳で六冠王である。しかも両者の対戦成績は渡辺名人3勝、藤井竜王16勝。タイトル戦は、藤井竜王の4戦全勝である。これじゃあ誰が見たって藤井竜王優位だ。
タイトル戦の勝敗予想は、どの対戦であれ、どちらにも勝機がある、という結論に収斂する。しかし藤井竜王が絡んでくると、この常套句が空々しく聞こえるから始末がわるい。
それでも渡辺名人の防衛を考えるなら、第1局は名人勝利が絶対だ。だって負けたら、残り6局を4勝2敗で乗り切らねばならない。何人も、藤井竜王にそんな勝ち方はできない。
そして注目の振駒は、渡辺名人が先手となった。まずは第一関門突破である。
将棋はお互い飛車先の歩を突き、角道を開けたが、そこで渡辺名人が角道を止めたのが意外な一手だった。
角換わりっぽかったのにチャンバラを警戒して角道を止める。局面は違うが、大野教室で初手▲7六歩△3四歩▲2六歩△8四歩に私が▲6六歩と指したときは、棋友から「軟弱者」と非難轟々だった。
しかし棋士はプライドだけで生きていけない。もはや角換わりは藤井竜王の範疇で、その膨大な研究量の前には、誰が先手でも後手でも勝てない。よって渡辺名人は相居飛車の中で変化球を投じたわけだが、私はこの作戦に大賛成である。
結局、力戦相居飛車となった。これなら渡辺名人も、力を出し切れるのではないか。
なお昼食は、両者ともにぎり寿司だった。ちょっと首を傾げたのは、渡辺名人がサビ抜きを頼んだこと。しかしにぎりは、わさびがネタとシャリの間に入って完成するものと心得ている。
それをサビ抜きだなんて、クリープを入れないコーヒーや、謎肉がないカップヌードルみたいなものだ。まるでお子ちゃまじゃねぇかと、私はガッカリしたのである。
将棋は互角で進み、渡辺名人が封じ手を行った。さあ、2日目の渡辺名人の指し手に注目である。