岡田美術館杯第50期女流名人戦第4局(主催・報知新聞社、日本将棋連盟)が25日に行われ、福間香奈女流四冠が西山朋佳女流名人に勝ち、2年ぶり13期目の女流名人に輝いた。では、第2局から振り返ってみよう。
第2局は島根県出雲市で、福間女流四冠の地元で行われた。女流名人保持の西山女流名人としては面白くないだろうが、出雲開催は長年の慣習ゆえ、やむを得ない。
将棋は福間女流四冠の中飛車でスタートした。西山女流名人は向かい飛車に振ると、福間女流四冠は袖飛車に戻した。
私はこのやり取りが嫌いで、福間女流四冠がすぐ中飛車を回避するなら、最初から居飛車で指せばいいのにと思う。手損にもなると思うのだが、本譜は西山女流名人も3筋で対抗したので、ほとんど手損はない。福間女流四冠は3筋から仕掛け、十分。福間女流四冠が飛車先の歩を突いていないので、そのぶん西山女流名人が美濃囲いに組めず、立ち遅れているのだ。
以下は福間女流四冠が手厚く指し、快勝した。
第3局は千葉県野田市の「関根名人記念館」。ここも定番の対局場である。
第3局は先手番の西山女流名人が初手に▲7八飛と振った。西山女流名人の初手といえばこれである。
対して福間女流四冠は2筋の歩を2つ突き、相振り飛車を匂わせる。しかし結局居飛車で指す。この作戦分裂がどうかと思うが、福間女流四冠はうまく指す。銀損はしたがと金を作り、角を取り返せる形だ。
私ならよろこんで角を取るが、福間女流四冠は飛車を走る。駒得より飛車の働きを重視したのだ。
実際これが正解だったようで、プロの将棋は難しい。福間女流四冠、竜を三段目に引いて飛車取り。ここも、私ならとりあえず桂の王手を利かすところ。しかしこの場合は、王手をしたほうがよかったようだ。以下どの変化になっても、福間女流四冠が面白い。
のちに桂の王手は実現したが、今度は証文の出し遅れで、西山女流名人が十分になった。以下、着実な寄せで反撃の1勝を挙げた。
第2局を終えた時点では福間女流四冠がこのまま押し切るかと思ったが、ここで踏ん張るのが西山女流名人の実力である。
そして運命の第4局である。対局場は広島県廿日市市の宮島弥山。宮島といえば厳島神社が有名だが、その先にある弥山は意外に知られていない。ロープウェイに乗り1時間ほど散策すると山頂に着く。ここからの展望が素晴らしく、瀬戸内海が一望できる。
将棋は福間女流四冠の中飛車に、西山女流名人の向かい飛車。すると福間女流四冠は居飛車に戻す。もはや2人の定跡だ。福間女流四冠は9筋の端を詰め、西山女流名人は穴熊の明示。
そこで福間女流四冠が急戦に出たのがいい構想だった。以下飛車を捌き、竜を作る。西山女流名人も竜を作ったが、そこで福間女流四冠が底歩を連打したのが妙手順で、以下も難しい戦いが続いたが、福間女流四冠が勝ち切ったのだった。
西山女流三冠が女流棋士に転向したとき、これからは西山女流三冠がタイトルの過半数を保持し続けると思った。ところが現状では、福間女流名人が女流五冠。新婚パワーは強かった。
第2局は島根県出雲市で、福間女流四冠の地元で行われた。女流名人保持の西山女流名人としては面白くないだろうが、出雲開催は長年の慣習ゆえ、やむを得ない。
将棋は福間女流四冠の中飛車でスタートした。西山女流名人は向かい飛車に振ると、福間女流四冠は袖飛車に戻した。
私はこのやり取りが嫌いで、福間女流四冠がすぐ中飛車を回避するなら、最初から居飛車で指せばいいのにと思う。手損にもなると思うのだが、本譜は西山女流名人も3筋で対抗したので、ほとんど手損はない。福間女流四冠は3筋から仕掛け、十分。福間女流四冠が飛車先の歩を突いていないので、そのぶん西山女流名人が美濃囲いに組めず、立ち遅れているのだ。
以下は福間女流四冠が手厚く指し、快勝した。
第3局は千葉県野田市の「関根名人記念館」。ここも定番の対局場である。
第3局は先手番の西山女流名人が初手に▲7八飛と振った。西山女流名人の初手といえばこれである。
対して福間女流四冠は2筋の歩を2つ突き、相振り飛車を匂わせる。しかし結局居飛車で指す。この作戦分裂がどうかと思うが、福間女流四冠はうまく指す。銀損はしたがと金を作り、角を取り返せる形だ。
私ならよろこんで角を取るが、福間女流四冠は飛車を走る。駒得より飛車の働きを重視したのだ。
実際これが正解だったようで、プロの将棋は難しい。福間女流四冠、竜を三段目に引いて飛車取り。ここも、私ならとりあえず桂の王手を利かすところ。しかしこの場合は、王手をしたほうがよかったようだ。以下どの変化になっても、福間女流四冠が面白い。
のちに桂の王手は実現したが、今度は証文の出し遅れで、西山女流名人が十分になった。以下、着実な寄せで反撃の1勝を挙げた。
第2局を終えた時点では福間女流四冠がこのまま押し切るかと思ったが、ここで踏ん張るのが西山女流名人の実力である。
そして運命の第4局である。対局場は広島県廿日市市の宮島弥山。宮島といえば厳島神社が有名だが、その先にある弥山は意外に知られていない。ロープウェイに乗り1時間ほど散策すると山頂に着く。ここからの展望が素晴らしく、瀬戸内海が一望できる。
将棋は福間女流四冠の中飛車に、西山女流名人の向かい飛車。すると福間女流四冠は居飛車に戻す。もはや2人の定跡だ。福間女流四冠は9筋の端を詰め、西山女流名人は穴熊の明示。
そこで福間女流四冠が急戦に出たのがいい構想だった。以下飛車を捌き、竜を作る。西山女流名人も竜を作ったが、そこで福間女流四冠が底歩を連打したのが妙手順で、以下も難しい戦いが続いたが、福間女流四冠が勝ち切ったのだった。
西山女流三冠が女流棋士に転向したとき、これからは西山女流三冠がタイトルの過半数を保持し続けると思った。ところが現状では、福間女流名人が女流五冠。新婚パワーは強かった。