一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

年度勝率10割なるか

2024-02-15 19:56:51 | 将棋雑記
10日に行われた第17回朝日杯将棋オープン戦で、藤井聡太竜王・名人は準決勝で糸谷哲郎八段に勝ったが、決勝戦で永瀬拓矢九段に負け、準優勝に終わった。
これで藤井竜王・名人の今年度の成績は42勝7敗(.857)となった。年度最高勝率は1967年度に中原誠五段が記録した47勝8敗(.855)である。藤井竜王・名人がこれを塗り替えるには、残りの対局でどういった成績を取ればいいか。
では、いくつかのパターンを記しておこう。

棋王戦五番勝負 ○○○
NHK杯 準決勝○、決勝○
47勝7敗(.870)

棋王戦五番勝負 ○○●○
NHK杯 準決勝○、決勝○
47勝8敗(.855)

棋王戦五番勝負 ○○○
NHK杯 準決勝○、決勝●
46勝8敗(.852)

棋王戦五番勝負とNHK杯を無敗で乗り切れば、文句なく最高勝率更新。
棋王戦で1回負けてNHK杯で優勝すると47勝8敗となり、タイ記録となる。
棋王戦でストレート勝ちしても、NHK杯決勝で負けると46勝8敗となり、アウトだ。
しかしまあ、仮に今回無理だったとしても、藤井竜王・名人は、いずれ最高勝率を更新するのではなかろうか。
というか私は、藤井竜王・名人にもっとすごいことを期待している。
すなわち、「年度全勝」だ。
かつてプロ野球の世界では、田中将大投手(楽天イーグルズ)が2013年にレギュラーシーズン24勝0敗、間柴茂有投手(日本ハムファイターズ)が1981年に同15勝0敗を達成したが、ここでいう「年度全勝」は、チームのレギュラーシーズン全勝に近い。
まったく途方もない記録だが、藤井竜王・名人ならやれそうな気がするのだ。
まず、一般棋戦4つ(朝日杯、銀河戦、NHK杯、将棋日本シリーズ)はすべて全勝が要求されるが、藤井竜王・名人は2022年度で達成している。
問題は残る8タイトルだが、これは藤井竜王・名人が現在八冠王なのが大きい。つまり、いかに藤井竜王・名人といえども、本戦トーナメントやリーグ戦を指せば、負ける可能性が高くなるからだ。現在は、4連勝ないし3連勝で済むのが大きい。
ちなみに過去20回のタイトル戦で、藤井竜王・名人がストレート勝ちしたのは7回。1敗は10回、2敗は3回である。昨年の棋王戦五番勝負から数えても、1敗が最多敗で、合計6敗しかしていない。これなら全勝も可能ではないか。
しかもタイトル戦なので、挑戦者は最多でも8人である。それだけ研究も絞られるし、挑戦者の顔ぶれもある程度限られる。八冠を目指していたときと比べ、はるかに負担は少ないと思えるのだ。
しかもストレート勝ちで終えると、さらに藤井竜王・名人も体力を温存できる。対局数が少なくなるほど、好循環をもたらすのだ。
もっとも最近は、七番勝負をストレートで終えても、第5局、第6局の対局場を表敬訪問する風習があるからアレだが、これからもどんどん強くなる藤井竜王・名人である。勝率.855の更新というケチなことを考えず、年度全勝完全優勝を狙ってほしい。
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