きょうもバイトを終え、私は最寄り駅から快速列車を待っていた。列車が着き、重そうなキャリーケースを引きずりながら乗る客に続いて、私も乗ろうとしたそのときだった。右からアジア系の女の子が話しかけてきた。
「○○○○○○○マスカ?」
私はスマホでラジオを聴いていたので、イヤホンを外し、聞き直す。すると彼女は、
「てるみなニ行キマスカ?」
と言った。テルミナ、という単語は聞いたことがないが、この列車は終点までノンストップで、その駅に「テルミナ」という施設はないと思った。だから途中駅にあると思った。だから
「この電車は快速だから、そこには停まりませんよ」
と言った。そのとき、列車のドアが閉まり、ホームドアも閉まってしまった。彼女はバツが悪くなったのか、ゴメンナサイ、と言ってその場を去ってしまった。
列車は行ってしまい、その場に私は取り残された。なんという展開だろう。
この快速の次は9分後。しかも普通列車なので、快速より5分多くかかる。だから14分のロスになるのだ。
以前も似たシチュエーションに出くわしたことがあるが、どうして物事を聞く人は、こういう切羽詰まった状況まで待つのだろう。電車を待っているときに聞けばいいじゃないか。
それにしてもこの遅れは痛い。今夜は自宅最寄り駅のちよだ鮨で、半額の寿司を買う予定だったが、この遅れで駅に着くのは21時10分ごろ。店も閉まってしまう。まったくあの女のせいで、以降の予定が瓦解した。
悪い時は悪いことが重なるもの。乗り換えた電車の中でスマホをくっていたら、「ブックマーク」がなぜか見られなくなってしまった。
最寄り駅に着きちよだ鮨に行くと、店はもう、閉まっていた。
ヒトはある日突然、災難に遭う。我が身に何が起こっても冷静な判断ができるよう、つねに用心していなければならない。
しかしまったく、今年いちばんに不愉快な出来事だった。
「○○○○○○○マスカ?」
私はスマホでラジオを聴いていたので、イヤホンを外し、聞き直す。すると彼女は、
「てるみなニ行キマスカ?」
と言った。テルミナ、という単語は聞いたことがないが、この列車は終点までノンストップで、その駅に「テルミナ」という施設はないと思った。だから途中駅にあると思った。だから
「この電車は快速だから、そこには停まりませんよ」
と言った。そのとき、列車のドアが閉まり、ホームドアも閉まってしまった。彼女はバツが悪くなったのか、ゴメンナサイ、と言ってその場を去ってしまった。
列車は行ってしまい、その場に私は取り残された。なんという展開だろう。
この快速の次は9分後。しかも普通列車なので、快速より5分多くかかる。だから14分のロスになるのだ。
以前も似たシチュエーションに出くわしたことがあるが、どうして物事を聞く人は、こういう切羽詰まった状況まで待つのだろう。電車を待っているときに聞けばいいじゃないか。
それにしてもこの遅れは痛い。今夜は自宅最寄り駅のちよだ鮨で、半額の寿司を買う予定だったが、この遅れで駅に着くのは21時10分ごろ。店も閉まってしまう。まったくあの女のせいで、以降の予定が瓦解した。
悪い時は悪いことが重なるもの。乗り換えた電車の中でスマホをくっていたら、「ブックマーク」がなぜか見られなくなってしまった。
最寄り駅に着きちよだ鮨に行くと、店はもう、閉まっていた。
ヒトはある日突然、災難に遭う。我が身に何が起こっても冷静な判断ができるよう、つねに用心していなければならない。
しかしまったく、今年いちばんに不愉快な出来事だった。