一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

冬の北海道旅行2016(0)

2016-02-14 12:54:20 | 旅行記・北海道編
今年2月の北海道旅行は、仕事の関係で週末しか休みが取れなかった。となればさっぽろ雪まつりと旭川冬まつりが観光の柱となりやや無味乾燥になるが、やむを得なかった。
まずは飛行機の手配である。1月上旬、ネットで2月5日(金)の羽田空港発・新千歳空港着のスカイマークを調べたら、最終便に15,390円(いま得)というのがあった。
帰りは7日(日)旭川空港発で、これのAIR DO最終便が13,290円(スペシャル28)という安さだった。
旭川を後ろにしたのは、昨年は氷像まつりの作品が、土曜日の時点では完成していなかったから。だから日曜日に鑑賞するつもりだった。
通常ならこれで予約・購入をするのだが、昨年の旭川では、土曜日にモロボシ・ダンのトークショーおよびウルトラセブンショーがあったことを思い出した。
この類のショーが今年も土曜日にあると、上記の飛行機は具合がわるい。旭川空港着にしなければならない。それによく考えたら、さっぽろ雪まつりで私が楽しみにしている自衛隊のコンサートも、日曜日ではなかったか。
となれば、旭川→札幌の行程が正しいようにも思える。
昔は周遊券があったから道内の移動に交通費は考慮しなかったが、周遊券が廃止された今、道内の移動は最小限に留めねばならない。
ここは考えどころである。私はネットで雪まつりのスケジュールを調べたが、当然発表されていない。私は予約を保留した。

翌日改めてネットを見ると、5日のスカイマーク最終便の価格が16,790円にハネ上がっており、ひっくり返った。この「いま得」便は価格変動制だが、それにしたって1日で上がり過ぎだろう。
まあいい。でもあまりグズグズしていては、安売りチケット自体を購入できなくなってしまう。スカイマーク最終便の1本前はまだ15,390円だったので、それを予約・購入。また復路は万が一を考え新千歳発とし、8日(月)の朝便を押さえたのだった。
ともあれこれで、28年連続の北海道雪まつり観光が確定した。

2月5日(金)。1時間半ほど仕事を早く終わり、荷物をリュックサックに詰めて、私は家を出た。
左上の歯からジュクジュクと苦い液?が漏れ出し旅行どころではないのだが、抜歯は帰京してからでいい。
まったく、何でこんなことになってしまったのか…。逆恨みと蔑まれてもいいが、子供の時に利用した歯医者にすっかりいいようにされたのがいまだに悔やまれる。
ヤブ医者にかかると健康な歯を削られる、はゆるぎない持論である。

山手線、モノレールの空港快速に乗り、18時04分、羽田空港第一ビル着。すぐに搭乗手続きを済ませるが、機械が反応しない。
カウンターに行ったら、係の人が「2C」の席を充ててくれた。もうかなりの席が埋まっている証左だ。
搭乗ゲートをくぐる。が、ブザーが鳴った。
もちろん心当たりはあって、耳鳴り予防の粉薬の銀紙が反応したのだ。
搭乗すると、私の席の左2人は女性だった。2Bの女性はモデルの菜々緒の雰囲気があり、ふつうのOLとは思われない。
B737は定刻の18時45分に離陸した。
スッチー(客室乗務員)は3~4人。ここのスッチーはあまり愛想がないが、そのぶん価格が安いからしょうがない。
スカイマークは飲み物のサービスがないので、そのまま眠りに落ちることも可能だ。
だが左の女性が気になって、何となく眠れない。私は妙に緊張してしまった。
左の女性がこちらを向いて眠っている感じがある。私は外を見るフリをして、彼女の寝顔を窺った――。
新千歳空港には、定刻の20時20分に着陸した。正確に数えていないが、実に41回目の北海道である。
昨年はここから札幌駅まで路線バスを利用してエライ目に遭ったので、今年はふつうにJRを使う。Suicaをピッ、とやり、隣接のJR改札口を通る。関東のICカードが北海道でも使えるとは、便利な世の中になったものだ。
20時33分の快速エアポート205号は、5分遅れで出発した。車内は外国人が圧倒的に多い。昨年の様子は知らないが、例年はここまで多くなかったと思う。
私はよく中国人に間違われるので、日本人であることをアピールするため、ポケットから川口大野・植山教室で配られた詰将棋を取り出して眺めた。
旅先でまで将棋――。どうしようもない。
スマホを繰ると、楽天トラベルのすすきの・中島公園に、ホテルの空きが1件あった。しかし私はパソコンでブログを書かねばならぬし、各雪まつりのスケジュールも把握しなければならない。
私は迷った末、札幌駅前のネットカフェを利用することにした。
札幌には、8分遅れの21時20分に到着した。私はキオスクで道内時刻表を買う(514円)。路線情報はスマホで入手できるが、ダイヤを俯瞰して見るには時刻表のほうが便利だ。
改札を出た。まずは券売機で、Suicaにチャージしておく。傍らに「小樽雪あかり」のパンフレットが置いてあったので、1部いただいた。
さて、このまま駅前のネットカフェに駆け込みたいが、ここのナイトパックは最大9時間である。今から入って翌朝の6時半に追い出されても困るので、時計台にでも行って時間をつぶすことにした。
表に出る。と、私が観たこともない光景が広がっており、私はあんぐりした。
(つづく)
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由紀の名局・1

2016-02-13 14:24:04 | 名局
室谷由紀女流二段の名局を記す。


2016年1月28日
第47期新人王戦・2回戦
持ち時間・各3時間

▲先手 四段 近藤誠也
△後手 女流二段 室谷由紀

▲2六歩△3四歩▲7六歩△5四歩▲2五歩△5二飛▲4八銀△6二玉▲6八玉△7二玉▲7八玉△8二玉▲5八金右△7二銀▲4六歩△9四歩▲9六歩△3三角▲同角成△同桂
▲4七銀△3二金▲3六歩△5一飛▲2四歩△同歩▲同飛△2二銀▲2八飛△6二角▲4五歩△2一飛▲4六銀△2六歩▲3五歩△3一銀▲1六角△2七歩成▲同角△4四歩
▲3四歩△4五桂▲7七桂△5三角▲2五歩△同飛▲3七桂△同桂成▲同銀△6六桂(第1図)

室谷女流二段は対男性棋士3局目。前2局は敗退したが、前期の新人王戦・黒沢怜生四段戦では終盤まで勝ちがあった。今度こそ初勝利、の思いだったろう。
近藤四段は昨年10月デビューの19歳。ここまで2勝0敗で、そろそろプロの雰囲気に慣れてきたころか。
室谷女流二段はゴキゲン中飛車に構え、角交換をして2筋からの反撃を試みる。自分の得意形に持ち込め、満足のいく中盤戦だったと思う。
そこで近藤四段の▲3七桂がどうだったか。というのも、室谷女流二段に絶好の反撃手段が生じたからだ。一閃、△6六桂!

第1図以下の指し手。
▲6六同歩△2七飛成▲同飛△4五角▲5六歩△2七角成▲4八銀△4五馬▲3三歩成△同金▲9五歩△5五歩▲6八銀△9五歩▲9三歩△9六歩▲6五桂△6四角▲5三桂打△9七歩成
▲7九金△5六歩▲6九玉△2九飛▲3九歩△5一金▲9四桂△7一玉▲9七香△同角成▲5二歩△5七歩成▲同金△8七馬▲5九玉△5四香(第2図)

△6六桂が名手だった。▲6六同歩は△2七飛成▲同飛△4五角の王手飛車がある。
しかし近藤四段は▲6六同歩と男らしく取り、綺麗な王手飛車が掛かった。「アマは王手飛車を掛けたほうが勝つ。プロは王手飛車を掛けたほうが負ける」というが、やはり掛けたほうが優勢になる。ここは室谷女流二段、有望だ。
劣勢の近藤四段は端から反撃し、▲5二歩。△5二同金は▲4一飛が厳しい。室谷女流二段はどう指すのかと思ったら、攻めるは守るなりで△5七歩成。▲同金に△8七馬を利かし、▲5九玉に△5四香が厳しかった。

第2図以下の指し手。
▲5一歩成△5七香不成▲5八歩△同香成▲同玉△7六馬▲6七香△9四馬▲6一と△8二玉▲6二と△5五桂▲7二と△9三玉▲8七飛△7六馬(投了図)
まで、102手で室谷女流二段の勝ち。

▲5一歩成に△5七香不成が王手の先手。以下△7六馬から△9四馬として、手順に上部を開拓してしまった。
近藤四段も▲6一とから追ったが、室谷玉は9筋から逃げ出して安全になった。以下、室谷女流二段が勝った。

室谷女流二段の快勝だが、気の毒だったのは近藤四段だ。盤の前の将棋に集中すればいいのだが、室谷女流二段のような絶世の美女を前にして、正常な思考ができたかどうか。私だったら心ここにあらずで、指し手も覚束なかったと思う。
今回、室谷女流二段が勝ったことを知っているから安心して記譜を追えたが、私の読みにない手がバンバン出てきて、感心すること大だった。ほかの女流棋士は相当努力しないと、室谷女流二段にどんどん離されてしまうだろう。
本局は紛れもなく、室谷女流二段の名局である。
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LPSA Minervaファンクラブ会報

2016-02-12 20:41:26 | LPSAイベント
先月下旬、LPSA Minervaファンクラブ会報誌「CAFÉ MINERVA」が送られてきた。今日はその紹介をする。

A4版・全12ページ

●表紙 中倉宏美代表理事以下11人で記念撮影

●第60回 1dayトーナメント「Minervaカップ2015」…P2
大会の模様と、優勝者・島井咲緒里女流二段のコメントがある。

●第9回小学生・第7回中学生 女子将棋名人戦 全国大会…P3
8月30日に行われた。協力は共同通信社。

●Minerva BQQ…P4
9月5日に都内で行われたバーベキューパーティーの模様を、豊富な写真で振り返る。

●LPSA将棋フェス2015…P5
9月22日に行われたフェスタを振り返る。「第7回ペア将棋選手権」「第2回LPSAダブルス将棋大会」など。

●アパガード杯 第9回女子アマ将棋団体戦…P6
11月22日にパレスサイドビル「マイナビルームA」で行われた大会を振り返る。

●アパガード杯 第3回将棋キッズ団体戦…P7
11月23日に「マイナビルームA」で開催。

●第8回 女子アマ王位戦 全国大会…P7
12月20日に行われた様子を振り返る。優勝は四国代表の堀彩乃さん。

●Minerva全員アンケート 2015年想い出の場所…P8~9
どの場所も興味深い。個人的には神田真由美女流二段の「冬の北海道」に共感した。

●Minervaインタビュー 女子YAMADAチャレンジ杯優勝記念インタビュー ゲスト・渡部愛女流初段 聞き手・島井咲緒里女流二段…P10~11
渡部女流初段の生の声が丸々2ページ分堪能できる。

●リレーエッセイ 山下カズ子女流五段…P12

●昇段記念・次の一手 出題・上川香織女流二段…P12

●LPSAインストラクター講習会…P12

●編集後記…P12

LPSAの紙媒体記事が読めるのは、Minervaの会報だけ。
Minervaは入会費1,000円、年会費5,000円。会報は年2回送られてくる。
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10日の注目局の結果

2016-02-11 13:58:27 | 女流棋士
昨日10日の新人王戦、石田直裕四段対渡部愛女流初段の一戦は、石田四段の勝ち。
またマイナビ女子オープン本戦準決勝、清水市代女流六段対室谷由紀女流二段の一戦は、室谷女流二段が勝った。
私はあまり経過を見ることができなかったが、この2局を振り返ってみたい。

まず石田―渡部戦は相矢倉。後手の渡部女流初段は△7五歩▲同歩△同角。ここで▲6五歩の一手と思いきや、石田四段が平然と右桂を跳ねたのでビックリした。
渡部女流初段はもちろん△7四銀。先日の川口大野・植山教室の一公―Shin戦みたいで、これでは先手が作戦負けではないか?
しかし石田四段は悠然と▲7六銀。なるほど、こう立つものか! 私は後に▲7六歩と謝ったから、その違いは月とスッポンだ。
渡部女流初段△4二角に、石田四段は▲6五銀! これに渡部女流初段が△8三銀と引いたので、別の意味で驚いた。△6五同銀では▲同歩で先手がのびのびするのでアレだが、それでも△8三銀は指せない手だ。
さらに▲4六角△9二飛▲7四歩に、△7二銀!!とさらに屈服。でもこれじゃ駒の勢いが違い過ぎて、後手に未来がない。将棋は実質的にここで終わったのではないだろうか。
以下は石田四段が快調に攻めて勝ち。渡部女流初段は先日の女流名人戦・清水女流六段戦でもつまらぬ受けを連発して敗退したが、本局でも持ち味が全然出ていなかった。
渡部女流初段の本質はその鋭い攻めにある。もっと積極的に指すべきである。

続いて清水―室谷戦。後手番室谷女流二段の四間飛車で始まった本局、昼休みの時点では室谷女流二段の飛車が5筋にいた。しかも先手の歩が▲7七に下がっている。
これはどういうことかと思いきや、△7六飛の王手に▲7七歩と受けていたのだった。しかしこれ、私には到底打てない歩である。少なくとも川口大野・植山教室では、この類の手を嫌う。某七段だったら「破門」と吐き捨てるだろう。
ところが清水女流六段の強さは、常人が捨てる手を平気で採用するところにある。馬を取るために金を僻地に打ったり、端攻めを受けるために金を打ったりする。この▲7七歩もそうで、一時的には屈辱でも、後の▲7六歩を楽しみに辛抱したものだ。
いやしかしやっぱり、これでは辛いと思う。こうならないように、その数手前で修正する手はなかったのか。
遡って、序盤早々の▲5五歩がどうだったのか。私もOg氏の振り飛車に5筋位取りを指すことがあるが、Og氏は決まって△5二飛から反撃してくる。しかし本局の清水陣は両銀が立ち遅れている。どうやって迎え撃つのかと思いきや、上記の順になってしまった…。
これは清水女流六段、ちょっと軽率だったのではないか。
以下、室谷女流二段が軽快に攻めて勝ち。内容は完璧で、解説・及川拓馬六段の指し手とほとんど同じ手を指していた。また外れていても、その読みの上をいく手を指していた。
室谷女流二段は、対局にテレビ将棋の記譜読み上げ、タイトル戦の聞き手、イベント出演、普及と殺人的に忙しい。とても将棋の勉強をする時間はないと思うが、対局以外の「仕事」でも将棋がらみであって、そこでみなの教えを吸収しているのだろう。
つまり室谷女流二段が男性棋士に勝ったのは、フロックではなかった。これは挑戦者決定戦の西山朋佳奨励会三段戦も、大いに期待できる。
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10日の注目局

2016-02-10 01:24:59 | 女流棋士
日付変わって今日2月10日は、注目局が2つある。
ひとつは新人王戦、石田直裕四段対渡部愛女流初段の一戦だ。
どちらも北海道出身で、石田四段は名寄市、渡部女流初段は帯広市である。
名寄にはかつて名寄本線が通じていたが、1989年に廃止された。また深名線という一級品のローカル線も走っていたが、こちらも1995年に惜しまれつつ廃止された。
また帯広も、かつては愛国駅と幸福駅を擁する広尾線と、一級ローカル線の士幌線が分岐していたが、ともに1987年に廃止された。
つまり鉄道マニアにとってはどちらも感慨深い土地で、本局はどちらにも勝ってほしいのだが、あ、ウソです、私は渡部女流初段を応援する。
渡部女流初段は前期、売り出し中の三枚堂達也四段に快勝し、女を上げた。本局も厳しい相手ではあるが、北海道仲間でもあり、余計な緊張はないだろう。勝機ももちろんある。

もうひとつはマイナビ女子オープン本戦準決勝、清水市代女流六段対室谷由紀女流二段の一戦である。
昨年7月17日にチャレンジマッチで開幕した第9期も順調に対局を消化し、挑戦者決定まであと2局となった。ここまで勝ち残ってきた2人にも拍手、拍手だが、ここまで来たら挑戦者にならねば意味がない。
清水女流六段は川口大野・植山教室一の人気女流棋士だし、室谷女流二段は私が最も応援する女流棋士である。どちらにも勝ってほしいが、あ、ウソです。室谷女流二段に勝ってほしいのは言うまでもない。
2人の対戦成績は清水女流六段の6勝1敗。数字上では室谷女流二段が厳しいが、室谷女流二段も最近男性棋士に勝つなど、グングンと実力を伸ばしている。こちらも勝機は十分にある。

とにかく室谷女流二段と渡部女流初段は、私が先日発表した、女流棋士ファンランキングの1位と2位である。1位と2位が同日に対局するというのは、2人が対局するのを除けば、かなり稀である。
お二方とも、悔いのない将棋を指してください。ああ今日は、仕事が手につきそうにない。
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