80分の1丁目16番地

ペーパースクラッチによる車両作りを中心に1/80、16.5ミリゲージの鉄道模型を楽しんでいます。

新幹線0系電車の製作5(鉄博再訪)

2011-05-03 01:11:11 | 新幹線
こんにちは。

0系「側スカート」取付けのナゾを解明すべく、青梅に引き続き大宮の鉄道博物館も再訪しました。
もーどれだけ好きなんすか?って自分で突っ込みを入れたくなるほどですが、ここを解明しないと前へ進めないので、辛抱辛抱。。



ライブラリー(資料室)で以前に閲覧したことがある「新幹線旅客電車説明書 附図」という資料を再び借り出し、探すこと数分。ありました!側スカートの取付け位置の詳細図♪
1両が何枚かの分割式になっていて、奇数車、偶数車ごとに一定のパターンがあるのではないか?との予想は的中しましたが、予想を超えていたのはその数で、合計6種類ものパターンがあることがわかりました。ライブラリー内ではコピーも写真撮影もNGなので、泣きながら転写したのは言うまでもありません。

詳しい説明は省きますが、この表を読み解く必要があります(@_@ゞ



ついでに床下機器の図面も模写してきました。



このほか台枠の詳細図もあったので、横梁の間隔だけ急ぎメモしてきました。


まだ図面の解読作業(笑)が残ってはいるものの、一応お目当ての資料が見つかったのでひと安心し、21-2号車の展示室へ行って復習がてら実車を見てきました。もう何度見たことか・・・(^^;

これが「側スカート」の車体側取付け部で、パンチング・メッシュでできた電線タナの支持を兼ねています。一番上のボルト穴の下に白っぽく写っているのが横梁なので、その位置に合わせて取り付けられていることがわかります。



余談ですが、この取付けボルト穴、上の写真では縦に3ヶ所ありますが、登場当時の写真を見ると上の2ヶ所しかなく、模写した図面でもそうなっていました。一番下の1ヶ所は、どうやら途中から増設されたようです。
この写真をよく見てください。2枚の板を溶接しているのですが、その境目が左右に若干ズレているのがお分かりいただけるでしょうか。



製造が長期にわたった0系では、製造年次を重ねるごとにマイナーな設計変更が行われていきましたが、この側スカート取付けボルトが1段追加されたことに関する記述は見当たらず、ちょっと興味があるところです。

まず考えられるのはトンネル内でのすれ違いなどに起因する風圧による変形ですが、風洞実験や試作車による走行試験を重ねており、その可能性は低いと思われます。
また一時、騒音低減のため台車部のスカートを長くする試みが行われた(効果がないとしてその後撤去)ことがあったようですが、「3段ボルト」は車体全長にわたっているため、その忘れ形見ということでもないようです。

一番疑わしいのが雪害対策です。
東海道新幹線の前身に当たる「弾丸列車」構想では、名古屋~大阪間のルートとして鈴鹿超えが提唱されていましたが、新幹線では工期、技術もろもろの事情から、現実的な関ヶ原ルートが選択されました。その結果、名古屋駅における人海戦術の「雪落とし」作業がいまだに続けられているわけですが、この床下に硬くこびりついた雪の塊を除去する過程でスカートに設計以上の力が加わり、変形やボルトの緩みなどが起きたのではないかと推測しているのです。

実際、いつごろから変更されたのか不明ですが、「最盛期の国鉄車両6 東海道新幹線」(浅原信彦 著)の写真を見る限り、1966年撮影のものは2段、1969年では3段となっていますので、その間に設計変更があったものと思われます。
同書にある「改良変遷表」では、第4次車(1966年6~7月製造)に「雪害対策実施」とありますが、その中にこのボルト強化も含まれているのでしょうか。

などと想いを巡らせながら同書の写真を見ていたら、またとんでもない発見をしてしまいました。第17次車(1974年)として製造された27形、36形では、3段目のボルトの位置が下がって、3つのボルトが等間隔に並んでいるように見えます!目の錯覚でなければ・・・

確かに上の写真のような配置なら、補強したといってもどこか頼りなさげで、もっと幅を広げて等間隔にした方が理に叶っています。
ああ、気がついてよかった。ここまで重箱の隅をつついておいて変なものを作ったら恥ずかしいですから。。。


というわけで、ウンチクだけで前へ進まないわが0系新幹線は、2枚貼り合わせた妻板に貫通路が開き、下屋根のガイドとなる紙帯を貼った状態で組み立てを待っています。
あしたこそ箱にしよう・・・



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コメント
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