おはようございます。ヒューマン・ギルドの岩井俊憲です。
1月11日に紹介した『世界の首脳・ジョークとユーモア集』(おおばともみつ著、中公新書ラクレ)の著者のおおばともみつは、国際金融情報センター 理事、元大蔵省財務官だった大場 智満氏のペンネーム。
大蔵省財務官の前は、大蔵省国際金融局長として国際舞台で活躍していた人だけに、伝聞でない、世界や日本の首脳の息遣いが伝わってくるようで、面白い。
特に大蔵省国際金融局長時代、時の大蔵大臣 竹下登氏と一緒に外遊の経験も多いらしく、最近では、孫からしか伝わってこない竹下氏の人柄が書かれています。
また、国際金融行政の内側をも垣間見えて、この領域に興味のある人には、興味深いでしょう。
ところで、この本の最初の部分には、2004年初め、ワシントンで作られた次のような笑うに笑えない話が載っています。
米、仏、日の3人の首脳が、地中海の小島で余人を交えずに会議を開いていた。その時、米国土安全保障長官が、テロの危険度を最高レベルの「赤」にした。3人の首脳は、テロリストに襲われることを恐れ、補佐官に助けを求めることにした。
米大統領は、主席補佐官に電話した。補佐官は、冷静に答えた。
「大統領、ご安心ください。デルタ・フォースと海兵隊のヘリコプターを送りました。間もなく着くでしょう。ですから心配しないでください」
仏大統領もパリの補佐官に電話した。補佐官が報告した。
「大統領、ご安心ください。ワシントンで国土安全保障長官が『赤』を元に戻すよう、抗議の大デモ隊を組織しました。ですから心配しないでください」
日本の首相も補佐官に電話した。補佐官が答えた。
「総理、ご安心ください。すでに貴方の後任を用意しました。ですから心配しないでください」
さたさて、現今の日本、新聞各紙は、麻生内閣の支持率が20%そこそこ、あるいは20%を切った、と報道しています。
しかし、心配しないで任せられる後任がいないのが寂しい。
解散・総選挙をして小沢内閣を作ればいいではないか、とおっしゃる人がいます。
しかし、小沢一郎という人には、壊すまでは精力的だが、途中で放り出すのではないかという懸念が付きまといます。