アドラー心理学に基づく勇気づけの研修(外部研修も)とカウンセリング、コンサルティングを行っています。
アドラー心理学による勇気づけ一筋40年 「勇気の伝道師」   ヒューマン・ギルド岩井俊憲の公式ブログ



生声CD付き [対訳] オバマ演説集
CNN English Express編
朝日出版社

このアイテムの詳細を見る

おはようございます。ヒューマン・ギルドの岩井俊憲です。

オバマ大統領の就任演説のニュースを見ながら震えるような感動を覚える場面がありました。

報道によれば、オバマ大統領のスピーチライターは、ジョン・ファヴロー氏 という27歳の青年らしい。

彼は、オバマ大統領の考えや話し方の特徴などを知り尽くしてスピーチ原稿を一緒に練り上げているようです。

ところで、オバマ大統領が指名選挙時多発した表現は、次の2つでした。

Change 

Yes, we can.

しかし、就任演説で目立った表現は、

Responsibility(責任)

でした。

 duties(義務) も同じ文脈で使っていました。


私は、「責任」を今こそ取り戻さなくてはならない意識だと思っていますので、オバマ大統領が次のように言っている点には、拍手を送りたい気分になりました。

“ What is required of us now is a new era of responsibility .”

「いま我々に求められているのは、新しい責任の時代に入ることだ」

ちなみに、讀賣新聞国際部の翻訳によれば、この部分のフレーズは、以下のとおりです。

いま我々に求められているのは、新しい責任の時代に入ることだ。米国民一人ひとりが自分自身と自国、世界に義務を負うことを認識し、その義務をいやいや引き受けるのではなく喜んで機会をとらえることだ。困難な任務に我々のすべてを与えることこそ、心を満たし、我々の個性を示すのだ。

オバマ大統領の就任演説全文(英語&日本語) のトラックバックが参考になります。ご関心のある方は、お読みください。

私が「責任の時代」の表現に拍手を送りたくなった理由は、アメリカに責任を持ってもらいたい、ということでなく、現代に生きる日本人にこそ「責任」の意識が必要だからです。

権利ばかり強調して責任を担わない態度、無責任な風潮を嘆いている私です。


私は、アドラー心理学ベーシック・コースの「精神的な健康」の箇所で

「権利と責任はコインの裏表」であり、

(1)「責任のない権利はない。権利のない責任もない」

(2)「権利と責任は等価」

を強調しています。

続くスライドでは、権利と責任の考え方の一例として、次の表現を使っています。

私には自分の権利を主張する権利がある。
・私には他者の権利主張を認める責任がある。

私は人として生きる権利がある。
・私は他者を人として生かす責任がある。

私には仲間に入れてもらう権利がある。
・私には他者を仲間に入れる責任がある。

私には一人にしてもらう権利がある。
・私には他者が一人でいたいのを受け入れる責任がある。

私には他者の要求を断る(ノーを言う)権利がある。
・私には他者が自分の要求を断る(ノーを言う)のを認める責任がある。

私には幸せになる権利がある。
・私には他者が幸せになることを尊重する責任がある。


オバマ大統領の演説で英語を習うのもいいのですが、「責任」をもっとしっかり学んでほしい、と念願しております。

オバマ大統領にならって

「いま我々日本人に求められているのは、新しい責任の時代に入ることだ」

と言いたい。
 

<お目休めコーナー> 東福寺(京都)の庭①


 



コメント ( 5 ) | Trackback ( )