おはようございます。ヒューマン・ギルドの岩井俊憲です。
『やる気の心理学』(宮本美沙子、創元社、絶版)にオーストリア生まれの名指揮者、カール・ベーム(1894-1981、指揮者としては変り種の法学博士でもあった)にまつわる勇気づけのエピソードが書いてありました。ご紹介します。
彼の自伝がもとになっているようです。
楽員がトチったとき、若い頃の私は、意地悪くそちらをにらんだが、そうすると、彼は次の箇所で必ずまたトチるのである。
今日では、私はもはや決してにらまないし、それどころか、その次うまくできた箇所で、彼に微笑みかけてやるのである。
私たちは誰でも皆人間であり、誰でもが間違いを起こす可能性がある。
今日では私は、その楽員が、無頓着にヘマをしたのか、それとも単にやむを得ずミスをしたのであったかについて、見分けることができるのである。
著者の宮本氏は、社会における加点法と減点法を「やる気」に与える影響でこのエピソードを紹介しています。
そして、その項の最後を次の西洋の諺で結んでいます。
One who never made a mistake, never made anything.
(ミスを決してしない人は、何事も決してなせない)
<お目休めコーナー> 東福寺(京都)の庭②